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トランプコイン騒動ふり返り

こんにちは!くりぷとべあーです!

今回は2025年1月中旬に突如として降ってわいた「トランプコイン騒動」についてふり返ってみました。まさかの大統領公認 (?) ミームコインが彗星の如く現れ、クリプト業界を騒然とさせた歴史的事件でした。

後にも先にもこんなにインパクトのあることは中々ないんじゃないかなと思うので、みなさまの参考になれば幸いです😇



Day1: はじまりは突然に

2025年1月18日、トランプ氏の大統領就任式を週明けに控えた土曜日のこと。誰もが予想だにしなかった事件が起こりました。

トランプ氏が自身のSNS "Truth Social" でミームコイン $TRUMP を発表したのです。当初はハックを疑う声も多く上がりましたが (僕もその一人です)、週明けに米国大統領になる人物が発表したミームコインが注目されないわけがなく、クリプト業界を騒然とさせました。

https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/113846888132979151

発表以降、$TRUMP は凄まじい勢いで価格上昇が続き、あっという間に時価総額 (FDV) 10億ドルを突破しました。ただ、この段階での界隈の反応は極めて懐疑的で、多くのトレーダーは偽物である可能性を考慮に入れながらマネーゲームを楽しんでいた状態だったと思います。

現に、一度価格のピークを迎えた後の下げも激しく、最初期に買えた人でも1ドル台で手放してしまった (そして大いに後悔した) 人もいたのではないかと思います。


どうやら本物かもしれない

そんな中、トランプ氏が X (旧Twitter) でもミームコインを発表したことで、状況が一変します。2つのSNSが同時にハックされる可能性はかなり低く、市場は週明けに大統領になる男が公式に承認したミームコインである可能性を強く意識せざるを得ない状況となりました。

時を同じくして、Solanaで圧倒的な取引シェアを誇る Jupiter Aggregator で$TRUMP トークンに公式マークが付与されました。これは Jupiter 運営チームがスキャムではないと確認したトークンに対して与えるものです。これによって本物である可能性がさらに上昇しました。

ハックされたTruth Socialを確認したトランプ氏の秘書がXに誤って投稿してしまった可能性や、Jupiterチームの認証ミスの可能性は残されていたものの、リスク・リターンの観点からはこの時点で十分な条件が揃っていたと言えるでしょう。

トランプ運営は大量の流動性をSolanaのMeteora (DEX) に供給していたため、この時点では$2.5-3.5で誰でも何十万ドル分でも買うことが可能でした。後から振り返ってみると誰でも億万長者になれる奇跡のタイミングだったとも言えます。 (残念ながら僕はこのタイミングで数万ドル買ったのに、ビビってすぐ手放してしまい数千ドルしか儲かりませんでした…。)

余談になりますが、後にJupiterとMeteoraがトークンリリースを直接サポートしていたことが判明します。リリースから1時間程度で認証マークが付与された背景には、このような事情があったようです。

そんなこんなで強烈な買い圧力が続き、リリース後3時間が経過した時点で、時価総額 (FDV) は80億ドル (約1.2兆円)を超える規模に達しました。

$TRUMP は約80%をトランプ関係者が保有しているため、単純計算でわずか3時間のうちに彼らは1兆円近い金額を稼ぎ出したことになります(実際には売却できない規模ですが)。とんでもないですね。

バブル期にはよくあることですが、時価総額の数字を正確に把握していた投資家ほど、このあとの高騰に乗れなかった可能性も高いのではと思っています。幻想みたいなもんですね。


熱狂する相場

$TRUMP トークンのリリース以降、Solanaネットワークには前例のない規模の取引が殺到しました。TRUMPへの換金売りに耐えられなくなったUSDTがデペグするほどで、(USDTを発行するテザー社が危ないといった) FUD以外でこれほどの歪みが発生するのかととても驚いたのを鮮明に覚えています。

上記のツイートからしばらくして
歪みに耐えられなくなったのか
USDTが崩壊してびっくりしました

トークンリリース後しばらくすると各取引所での上場も相次ぎ、MEXCでは上髭$28をマークしました。この上髭を見た瞬間は爆笑し、この価格を超える日は未来永劫来ないだろうと思っていました、結果的に12時間も経たずにこの高値を抜けていきました。そんなん分からんて。

日足じゃなくて15分足なんだぜ、これ…。

今をときめくHyperliquidも当然のように $TRUMP を上場させていました。Hyperliquidの先物価格とはSolanaの現物価格は大きく乖離しており両建てすれば猿でも儲かる状況でした。5-7%ぐらいの乖離がそこそこ長い間継続していたと思います。

が、急激な上昇のため証拠金追加が追いつかず清算された人が多数発生したと思います。僕も少し両建てポジションを構築したのですが、危うく清算されかけて冷や汗をかきました。(そしてそのあと両建てポジションの解消を焦ってミスして損失を出して踏んだり蹴ったりでした…😭)

上記のチャートに示すようにリリース初日は$35までほぼ一直線に上昇したのち、一旦の上昇は終息し、小康状態へと移行しました。


Day2: そして伝説へ

日が変わって日曜日には主要取引所への上場が相次ぎました。Coinbase、OKX、Binanceが続々と取り扱いを開始。

Binance上場では$60を超え、盛大なフィナーレを飾ったかと思われましたが、ほんのわずかな調整を経て更なる上昇局面へ。Binance上場後1時間程度で$77をマークし、現在のところこれが史上最高値となっています。

バイナンス: 上場から1時間で1.5倍

他方、Hyperliquidでは清算を巻き込みながら$88を記録しました。前述の通り僕はHyperliquidのポジションを既に整理していたので清算の連鎖には巻き込まれなかったのですが、もしポジションを持っていたら確実に清算されていたと思います。

すでにかなり大型のアルトコインになっている銘柄が、ほんの1時間程度で$40前後から$90近くまで上がるとは思わないですよね…😅

バイナンス上場で盛大な打ち上げ花火が上がり、$TRUMPをロングしたトレーダーからは続々と爆益報告が寄せられました。多くの市場参加者はこれでいったんの大団円を迎えたと思ったことでしょう。

バイナンス上場は日本時間夕方でしたが、市場の歪みは日本時間深夜に至るまで残っていました。しかし時が経つにつれて、市場は徐々に落ち着きを取り戻しつつありました。

取りきれていない鞘が少しあったものの、巨額のブリッジを伴うアービトラージを土日2日間にわたって行っていたため疲労の限界を迎え、日が変わって月曜日の早朝4時ごろに気絶するように眠りにつきました。

「あぁ刺激的な週末だった、月曜日は休みにしてしっかり寝よう…。」そんなことを考えながら目を閉じたのを覚えています。


Day3: 幕は、再び上がる

しかし、トランプ劇場はまだ終わりではありませんでした。

就寝からわずか2時間後、Apple Watchに飛んできたアラートに叩き起こされることになります。極度の疲労感に包まれながらPCを開いて画面を確認すると、Solanaのあらゆる銘柄で価格が異常値を示していました。

その原因は、日本時間早朝に飛び込んできた衝撃的なニュースでした。トランプ氏の夫人、つまり次期大統領のファーストレディとなるメラニア・トランプ氏が自身のミームコインを発表したのです。

https://truthsocial.com/@MelaniaTrump/113857072367720537

メアラニアコインが発表された時点では、トランプコイン騒動の影響で各取引所のSolanaネットワークへの出金が機能不全に陥っていました。端的にいうとSolanaにステーブルコインを出金するのが難しい状況であり、$MELANIA を買いたいトレーダーは $TRUMP や SOL を売却する必要がありました。

そのような異常な状態で $MELANIA に買い殺到したことで、Solana全体が強烈に歪んだというわけです。$MELANIA を除く多くの銘柄がCEXの価格を無視して暴落しており、大きな価格乖離が発生していました。なんらかの方法でSolanaにステーブルコインを持って来れた人は爆益だったと思います。

メラニアコインは発表直後からJupiter公式マークが付与され、トランプコイン騒動での経験を活かしたトレーダーはこれが本物であると早い段階で判断できたと思います。

進研ゼミでやったところが
すぐにテストで出てきて嬉しかったです😇

私も $TRUMP の反省を活かしてそれなりの金額を買うことができました。天井での利確には失敗したものの、数万ドル程度の利益を得ることができました。普段はアビトラ以外でミームトレードで勝つことがほぼない…、というかいつも負けてるので、スカッと勝てて嬉しかったです😇 (でも下手な成功体験できたが故に、そのうちこれ以上の負けを喰らうんだろうなぁと思っています草)

$MELANIA のチャート
短期決戦すぎるだろ…

その後 $MELANIA は5倍程度まで上昇した後、下落トレンドへと転換。二番煎じという性質上、 $TRUMP ほどの上昇圧力は観察されませんでした。

メラニア相場では、乗り遅れや利確タイミングの失敗により、相当数の投資家が損失を被ったと推測されます。最初期にApe Inした人たち以外は、(アビトラではない) 純粋なトレードで利益を持って帰るのは相当難しかったのではないかと思います。


その後

最終的な価格推移は以下のツイートの通りです。 $TRUMP はリリース後の数時間で買えた人は全員爆益でした。 $MELANIA は最初に買って途中で売るか、ショート取れれば儲かったという感じでしょうか。

その後、Mark Cuban氏をはじめとする有名人のミームコインの発行計画など様々な噂が飛び交いましたが、トランプ・メラニアクラスの規模感を持つプロジェクトは現時点で登場していません。今後も当面は出て来ないだろうと思うし、大半がスキャムだと思うのでみんな気をつけましょう。


おわりに

以上が簡単なトランプコイン騒動のまとめとなります。

振り返ってみると、かなり早い段階でトランプコインを認知できていたと思います。国内でも最速クラスなんじゃないかな。しかし、大統領公認の新作コインという完璧な条件が揃ったミームコインを大量に買ってHODLできなかったことは大変残念で、自分の度胸のなさを恨みます。

$30ぐらいまでは後悔の念に苛まれましたが、その後の相場では与えられた役割を遂行し、相応の利益を確保できました。初めて自分で自分を褒めたいと思います (古い)


クリプト業界では「二度と起こり得ない」と思われる事象が、半年後には当然のように発生することも珍しくありません。本記事が何かの参考になれば幸いです。

みなさまの2025年の爆益を祈願しつつ、記事を締めたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました😇

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