マイニングプールのベストはどこか!?Ethermine vs Flexpool。利便性、実際の報酬を徹底比較 実録22日検証
イーサリアムマイニングにおける大手マイニングプールEthermine、報酬はどれぐらいなのかを検証してみました。
検証対象としては小規模プールですが、私が普段遣いしているFlexpoolと比較しています。
なお、前回Binance poolとFlexpoolを比較した際には、1割以上の報酬さがあり、Binance poolの報酬は運や統計の誤差ではなく、有意にFlexpoolより著しく低いという結果になりました。前回検証は下記から。
各マイニングプールの理論上の報酬値などにも触れていますのでぜひこの記事の前にお読みください!
マイニングプールを比較する意味はあるのか?
マイニングプールによって報酬は変わりますが、基本的にはプールの「運」によるもので、長期間運用する場合、報酬は同一に落ち着く、と考えていました。
しかし、開示されていない部分で報酬に差がある事が検証をしていくと分かってきました。
イーサリアムのソロマイニングは10GHsぐらいないと成り立たないため置いておくとして、プールマイニング、NiceHashでのハッシュパワーを売る、この2つの分類以外では報酬はあまり差がないと考えていましたが、前回のBinance poolでの調査でその差が明確であることが明らかになりました。
NiceHashの場合: イーサリアムをマイニングする→そのパワーをNiceHashのマーケットプレイスで売る→パワーの売れた代金をビットコインで貰う。
イーサリアムのプールマイニングの場合: イーサリアムマイニングをする。プール内であたりが出たらプールへの貢献度に応じて報酬山分け
大雑把にはこの2つなので、NiceHashとプールマイニングは得ている通貨がBTCとETHで異なる以上検証が難しい(BTC/ETHペアの値動きによって逐次報酬の円換算での価値が変わる)のですが、概ね1割に満たない程度の差でNiceHashからBTCで報酬がもらえます。BTCが好きな人、ハッシュレートが大きくない方はNiceHashが最良でしょう。
理論上はプールマイニングが上ですが、Binance poolとNiceHashを比較した場合、おそらくNiceHashの方が上に来ます。なのでプール選びもイーサリアムマイニングにおいては重要です。
Ethermineとは
イーサリアムマイニング用のプールとしてはかなりの大手です。SparkPoolがついこの間まで最大手でしたが、中国資本のため、中国のマイニング規制により完全シャットダウン。Ethermineが圧倒的な首位に躍り出ました。F2Poolもシェアを伸ばしています。
引用元: https://www.oklink.com/eth/pool-list
一方で私が使っているFlexpoolは4%のシェアしかなく、Ethermineの6分の1程度の利用者しかいません。いかんせん歴史がEthermineに劣っています。
Ethermineのメリット
Ethermineは次の3つのメリットがあると思います。
1. 最大手であること
2. MATIC(Polygon)ネットワークを使う人にとっては出金手数料が無料で、出金単位も小さいこと
3. サーバーが日本に近く、Stale Shareが低いので報酬が低くなりづらいこと
Ethermineは最大手である
やはり最大手というのは「安心」です。何かトラブルが起きてもすぐに復旧されるでしょう。Flexpoolは規模が比較するとちょっと小さいため、例えば韓国サーバーだけマイニングの調子が悪い、みたいなときに運営が気づきづらいです。一方で、Ethermineは利用者が多いことから、どのサーバーのトラブルであってもすぐに気づいてくれ、直してくれるでしょう。
※Flexpoolの韓国サーバーの大規模障害(半日ほど)は私が連絡するまでは運営は気づいていませんでした。他にもトラブルを報告している人はいましたが、個人の問題だとして認識されており、私含め日本人マイナー2名が連絡を同時にしたことで、障害として認識されました。
気づいた後数時間で復旧し、「これは過去数年で殆どなかった規模の障害だ」という旨をアナウンスしていたと思います。
最大手であればやはりその分トラブル、プール側のダウンによる報酬の損失は起きづらいです。必要な機能も運営期間が長いだけあり充実しているので、お勧めのプールと言えるでしょう。
リグがダウンしたらメール通知をしてくれます。
ETH2.0のステーキング用のプールも用意されました。(GPUマイナーの我々にはあまり関係がないことですが)
ちなみにDiscordのサーバーも2021年10月31日午後7時24分時点で7000人以上がオンラインです。
最大手というのはやはり色んな面で安心です。
Ethermineは出金手数料が無料(Polygon)
イーサリアムのプールマイニングにおいて、プールからの支払いを自分のウォレット、取引所ウォレットに移すのにかかる費用は意外と馬鹿にできません。
いま時点では出金には122GWeiが必要ですが、これは11ドルほどです。0.1ETHずつで出金する場合、424USD分の出金に対して11USDなので、手数料比率は2.56%に到達します。Pool Feeが1%程度(Flexpoolは0.5%)なので、Pool Feeよりも送金手数料が無料かどうかのほうが概ねの場合は大きいことがわかるでしょう。
※Binance poolは送金手数料はBinanceに送る分は無料ですが、Pool Fee以外で報酬が10%低かったので、一概にそうとも言えませんが
Ethermineでは2つの出金方法から選べます。
1つは普通にイーサリアムのメインネットでの出金です。この方法であれば日本の取引所のウォレットで送金を受け取れます。
ガス代のしきい値(これ以下の送金手数料なら出金する)と、溜まった残高のしきい値(これ以上溜まったら出金する)を設定可能です。
ただしイーサリアムのメインネットによる送金のガス代はマイナー(私達自身)での負担です。手数料は無料ではなく、Flexpoolと同様の費用が掛かります。
Ethermineの変わっているところは、MATIC(Polygon)というネットワークでの送金の場合、送金手数料が無料になるということです。Polygon上のETHをETHと呼んで良いのかは微妙なところですが、Polygon上での出金であれば、0.005 ETHごとに自動的にプール側の送金手数料負担でウォレットに受け取る事ができます。
日本の取引所や海外の取引所はPolygonに対応していないので、MetaMaskやSafePalなどのウォレットアプリを利用して自身のウォレットをつくり、そこに送金するという形になるでしょう。
日本円として出金する場合、おそらく次のような流れになります
1. Ethermineから自分のウォレットのPolygonネットワーク上にETHが送金される
2. Polygonに対応したDeFiでMATICにSwapする
3. MATICをMATICに対応した取引所に送金する(BiannceやCoinEx, Gate.ioなど)
4. MATICをUSDC・USDT・BTCなどにSwapする。その後、XRPかXEMなどの「日本の取引所が対応している、かつ、送金手数料が安い」通貨にSwapする
5. 日本の取引所にSwapしたXRPかXEMなどを送金する
6. XRPかXEMを取引所で売却し日本円に変える
非常に工程が多く、取引をするタイミングで手数料が多少取られますが、すべてを累計しても1%よりは下回るため、少額をイーサリアムのネットワークで送金するよりは手数料が安く済みます。
日本円として使いたい場合(プリペイド式クレカとして使う)
1. Ethermineから自分のウォレットのPolygonネットワーク上にETHが送金される
2. Polygonに対応したDeFiでJPYCにSwapする
3. JPYC社にJPYCをPolygonネットワーク上で送金し、Vプリカを発行してもらう
4. 発行されたVプリカをECサイトで使う、もしくは、PayPayに登録して使う
これは非常にお手軽です。JPYCのVプリカへの交換はこちらからどうぞ。
サーバーが近く、Stale Shareが低く、報酬が高い
マイニングプールから支払われる報酬は原則としては、
AcceptされたShare、Pool feeの2つで決まります。
AcceptされたShareは大雑把には「手元でのハッシュレートから無効なハッシュレートを引いた分がAcceptされた有効なShare」であるので、Stale Shareが低いほど報酬は高くなります。(低くならないといったほうが正しいですが)
私はアジアサーバー(asia1.ethermine.org)に繋いでいますが、Stale Shareは1%です。(ご自宅のネットワークに依存します)
Flexpoolに繋いでいるリグは0.5%なのでそれと比べると少しだけ高いですが、正直誤差の範囲だと思います。
十分Stale Shareは低いので、報酬が著しく低くなることはないでしょう。日本人(日本に置いているリグ)にもおすすめできるサーバーだと思います。
報酬比較!Ethermine vs Flexpool 検証環境
報酬を実際にプールに同一ハッシュレートを送り続けて比較してみました。
機材は両方揃えて、NVIDIA RTX 3070(NonLHR)を4枚積んだリグを2個用意し、それぞれをEthermine 、Flexpoolに接続しました。どちらも有線環境で、ネットワークの点では差異は有りません。2つのリグはハッシュレートもほぼ同一で、検証には十分同一と言って良いリグだと思います。
上の248.8MHsがEthermine、下の248.7MHsがFlexpoolに接続しています。
Ethermine vs Flexpool 報酬比較(表)
こちらがFlexpoolとEthermineの22日間の報酬の比較です。
Flexpoolは日次、EthermineはPayoutsごとになっていますので日付ごとの比較は当てになりませんが、雰囲気まで。
Totalのところだけ見ていただければと思います。
結論: Flexpoolの方がEthermineよりも2.37%多かった
送金手数料も考えたらどっちがお得なのか?
EthermineはPolygonで使う限りは送金手数料は無料です。Flexpoolの方は普通に有料のみです。
0.1ETHずつをなかなか払い出されないけど払い出されることもある60Gwei指定だと報酬の1.26%が持っていかれます。これぐらいのガス代ならFlexpoolの方が報酬は手数料を鑑みても良いと言えます。
ただし、0.05ETHごとの払い出しの場合、手数料割合が高くなるため、EthermineとFlexpoolの間に報酬の差は存在しないでしょう。
また、0.1ETHごとでもスムーズに払い出そうとすると、やはり報酬差はなくなります。
報酬をどれぐらいの頻度で受け取りたいか、ハッシュレートはどれぐらいか、相場変動時などに急いで受け取りたいか、などのニーズによってどっちが良いかは分かれるでしょう。
5GHsある私としてはFlexpoolの方が良いですね。
まとめ
(いつも記事を読んでいただいてありがとうございます。ただ纏めただけのセクションなので、良かったよというお気持ちだけいただければ幸いです。)
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