ETH+TONデュアルマイニングで最高収益を目指す!設定を換えるだけで8%収益アップ。HiveOSでの設定~日本円への転換までの10ステップ
今までこのNoteではイーサリアムのマイニングを主として書いてきました。時々ErgoやXCH(Chia)についても書いていますが。今日は久しぶりのイーサリアム以外のマイニング、「TON COIN」のマイニングについてです。
TON COINは「デュアルマイニング」向けの仮想通貨です。特にイーサリアムをマイニングしている人にオススメのPoWコインです。TON COINはイーサリアムを掘っているGPUで一緒にマイニングすることができるコインです。
たとえば、NVIDIA RTX 3070が3枚、RTX 3060tiが1枚、計4枚のGPUで構成されている以下のようなリグがあるとします(私のリグです)
HiveOSで管理しており、それぞれ62MHsずつ、Gminerを使ってイーサリアムをマイニングしています。合計ハッシュレートは248MHs程です。消費電力は581Wです。
これにTONとETH(イーサリアム)の両方を同時にマイニングするFlightsheet(設定)を適用してみると以下のようになります。PLだけ上記と変えています。(140Wの制限に到達してイーサリアムのマイニングハッシュレートが低下してしまうため)
消費電力が110W増加しました。一方で、TONのハッシュレートが新たに4.2GHs生まれました。
TON Coinsはこの記事を書いている時点では、Toncoin Mining Poolで1.00 GH/sあたり0.1267 TON Coinsが報酬として得られます。
この記事を書いている時点でのTONの1枚あたりの価格は257.36円ほどになります。
私が契約しているあしたでんき(東京電力管轄)のたっぷりプランでは1kwhあたりの電気代はkwhあたり21.5円です。そのため、TON COINとイーサリアムを両方同時にマイニングする、デュアルマイニングにおける収支は次のようになります。
売上: 257.36円 * 0.1267 TON COIN * 4.2Ghs = 136円
費用: 110W * 24時間 * 21.5円 / 1000 = 56円(ToDoWは増加分消費電力)
収益: 80円
イーサリアム単体のマイニングだと759.13円/dayのマイニングリグの収益がTONとのデュアルマイニングにすると820円に向上します。8%ほどの向上です。
しかも、グラフィックボードやパーツなどを追加する必要はありません。「イーサリアムとTONによるデュアルマイニング」は設定を変えるだけでグラフィックボード1枚あたりの収益性が向上します。
※消費電力の増加はあるので、電力を限界まで使っている方は出来ないという制約はあります。それが理由で私も検証しておりませんでした。
なお、上記は「オーバークロック設定をチューニングしていない状態」での結果です。ちゃんと設定を詰めればもっと収益は上がるでしょう。
実際にTONコインを使ったデュアルマイニングをしていくにあたっては、英語の記事が読める人は以下をおすすめします。サクッと日本語で読みたい方は私の記事をどうぞ。
TONマイニングを始める10ステップ
1. OKK取引所アカウントの作成
2. TONウォレットの作成
3. TONウォレットとTONのマイニングプールtonwhalesのTelegramボットの接続
4. HiveOSのWalletsへのTONウォレットの登録
5. HiveOSのFlightsheetの作成
6. HiveOSのディストリビューションのアップデート(Optional)
7. HiveOSのアップデート
8. Flightsheetを有効化してデュアルマイニング開始
9. オーバークロック設定のチューニング
10. 電源構成を見直そう
(おまけ)プール選びを考える
OKK取引所アカウントの作成
マイニングから始めるのが普通・適切な気がしますが、法定通貨に変えられないマイニングは怪しい・信頼が置けないと私は考えているので、まずはTON COINを扱っている取引所のアカウント開設から始めましょう。
Gate.ioも扱っているように見えたのですが、ネットワークがERC20だけの入金しか出来ないようでした。TON COINの取扱量が多いFTXという取引所は日本からの口座開設は不可でした。
日本から口座を開設できて取引ができるのはおそらくOKXという取引所だけなのではないかと思います(他にもあったら教えて下さい!)
https://www.okx.com/join/14452450
以下のような画面でTON COINをUSDTに換える事ができます。
日本円に換える流れとしてはおそらく下記のようになるかと思います。
1. TON COINのマイニングプールからTON COINのウォレットにTONを送金
2. TON COINのウォレットからOKXにTONを送金(取引所ウォレットに対して直接マイニングプールから取り出すのは推奨できません。おそらく不可能かと)
3. OKXでTON COINをUSDTに換える(売る)
4. OKXでUSDTをXRPなどの日本の取引所が扱っている銘柄に換える(買う)
5. XRPなどの銘柄が日本の取引所ウォレットに届いたら日本円に換える(売る)
XRPは送金用にもともと開発されたおかげか、送金手数料が基本的に安いので、こういうときに便利です。20円かからないぐらいで送金が出来ます。
口座開設用のアフィリエイトリンクをおいておきますのでぜひ笑
(OKXでみんな対して取引しないと思うのでほとんど無意味ではあるのですが、ゼロよりはマシかと思い)
TONウォレットの作成
TON COINのマイニングの際にはマイニングプールからの報酬はウォレットに一度受け取る必要があります。そのためのウォレットは自身で作る必要があります。
私はWeb版のウォレットを作成し、それをスマートフォンにインポートする形をとりました。Windows上にウォレットを置きたくない派の人も多いと思いますので、スマートフォンだけというのも選択肢だと思います。
以下からサクッと作れるので作ってみましょう。(シークレットフレーズの取り扱いは慎重に!)
TON COIN公式サイト
iOS向けWallet
Android向けWallet
ここからの内容については下記のYouTubeがかなり参考になりました。ちょっと見てみるのをおすすめします。
TONウォレットとTONのマイニングプールtonwhalesのTelegramボットの接続
TON COINにはいくつかのマイニングプールがあるのですが、一旦この記事では最もアクティブなTon Whalesプールを使って説明をします。
サイトにアクセスをしてみてください。
Telegram Bot @WhalesPoolBot を使ったサインアップを求められます。Telegramをパソコンやスマホにインストールした上で以下のリンクを押してみましょう。
TON COINのウォレットアドレスを教えてね、といわれるので、先程作ったウォレットのアドレスをTelegramでWhalesPoolBotに返信をします。
これでTONマイニングプールとウォレットの紐付けが終わりました。(これはイーサリアムマイニングではない作業なのでちょっと戸惑いますね)
HiveOSのWalletsへのTONウォレットの登録
HiveOS上のWalletsページでTON COINのウォレットを追加しましょう。先程作ったTON COINウォレットのアドレス(マイニングプールに登録したものと同じもの)を登録するだけです。
HiveOSのFlightsheetの作成
フライトシートを作成しましょう。
下記のように1つ目にイーサリアム、2つ目にTONを指定します。
Minerは現在のところlolMinerとGMiner、TeamRedMinerがデュアルマイニングに対応していますが、最も早くからデュアルマイニングに対応しているlolMinerを今回は利用します。
イーサリアムの設定の部分は既存のフライトシートと同一で殆どのケースで大丈夫かと思います。TON向けのマイニングプールは3つは初期から選べるようになっています。今回はwhalestonpoolを使っています。
最近(この記事を書いた時点では)はTON POOLのほうが人気っぽいですが、ひとまず最も古いwhalestonpoolの方を使ってみます。
lolMinerの 「Setup Miner Config」から「Second hash algorithm」で「TONDUAL」を選択することが必須なので注意ください。
Versionのところで指定したバージョンのlolMinerがマイニング初回開始時にインストールされます。
HiveOSのディストリビューションのアップデート(Optional)
HiveOSのバージョンを古いままで使っている場合、NVIDIAやAMDのドライバーも古く、lolMinerが想定しているドライバのバージョンになっていないかもしれません。そのため、必須ではない(リグが一定時間ダウンしますし)のですが、私はHiveOSのディストリビューションのアップデートも行いました。
HiveOSの通常のアップデートだとGPUのドライバーまでは更新されませんが、HiveOSのディストリビューションごとアップデートするとドライバーも更新されます。
`nvidia-driver-update` コマンドでNVIDIAのドライバーだけアップデートすることも出来ます。こちらはドキュメントにも載っています。
ディストリビューションごとアップデートする場合は一番はやいのはUSBメモリを新しく作って、そこにrig.confを入れることです。ただ面倒ではあるので、私は
`hive-replace -s` コマンドを利用します。最新安定版のHiveOSのディストリビューションにアップデートをオンラインでかけることが出来ます。時間は30分ぐらいはかかりますが。
HiveOSのアップデート
TONとETHのデュアルマイニングについてはまだまだ枯れていない技術でマイニングソフト(lolMiner)のアップデートが頻繁に来るので、最新版のHiveOSにアップデートと再起動をかけましょう。
Flightsheetを有効化してデュアルマイニング開始
さぁ、いつもの🚀ボタンでマイニングを開始してみましょう!
ハッシュレートが2つ表示されるようになりましたね!
マイニングプール側でもちゃんとマイニングできているかを確認しましょう。ハッシュレートがプールに反映されていなかったら無駄働きです。
TelegramでBotにBalanceを聞いてみます。
`/balance` と打ってあげると教えてくれます。
`/stats` で教えてもらったアドレスを踏むとハッシュレートの状態などが見られます。
whalestonpoolの場合は手動出金なので、 `/withdraw` コマンドをTelegramで送ってあげるとウォレットに送金されます。
0.1 TON以上ないと出金出来ないのでちょっと待ちです。出金が楽しみですね!
オーバークロック設定のチューニング
TONマイニングにおいてはメモリは全く使わないので、メモリクロックは調整する必要はないとlolminerのWikiに書いてあります。
そのため、HiveOSのオーバークロック設定からコアに関わる次の2項目の設定をチューニングしていきます。
・コアクロック
・パワーリミット
以下はチューニング前(イーサリアム最適化設定)のハッシュレートと設定値です。ちょっとイーサリアムのハッシュレートも下がっていますね。
コアクロックを上げる→ハッシュレートが上がることを確認→パワーリミットにおそらく到達するのでパワーリミットを上げる→ハッシュレートが上がることを確認→効率の良いポイントを探す、という感じのチューニングの流れになるかと思います。
上記が雑にチューニングした時点でのハッシュレートです。もうちょっとや利用はあるかもしれませんが、一旦雑にだけしています。詰めていくのは後でやります。
イーサリアムの場合コアを使わないので消費電力は最小限に抑えるように設定をしていましたので、コアクロックとメモリクロックを絶対値で指定する限りは個体差は殆ど出ませんでした。(出る場合はサーマルスロットリング)
TONの場合はコアを使うので、結構電力をイーサリアムマイニングよりも使います。そのため、個体差が顕著に出てきます。
上記のスクリーンショットではGeForce RTX 3090が1.466GhsしかTONマイニングにおいて出ておらず、3060tiと同等に近い数値であるのが違和感があるかと思います。これは見事に「個体差」に当たります。
このRTX 3090は玄人志向のもので、PCI Express用8pin電源コネクタが2個しか付いていません。そのため、仕様上、8pin150W、PCI Express(ライザーカードから)75Wが規格上の制限値になっているため、375Wが規格上の限界であり、TONコインのマイニングとイーサリアムのマイニングの両方を全力で回せるだけの電力キャパシティがありません。
イーサリアムマイニングのみの場合、PCIE 8pinの数は少ないほうが取り回しがしやすくて便利・人気でしたが、デュアルマイニングをする場合にはコネクタ数は多いほうが性能が出ます。
上記の通り、個体差がETH&TONのDUALマイニングではかなり出ますので、皆さんで程々にオーバークロック設定は触ってみましょう!
TONコインのマイニングに重要となるコアクロックは推奨値がlolMinerから下記で公開されています。
電源構成を見直そう
今までに書いてきたとおり、イーサリアム単体のマイニングの場合より消費電力はグッと増えます。電力ユニットを6割の負荷になるようにして使っていた場合などは7-8割になったりするでしょう。必要に応じてより高出力の電源ユニットに換えるか、電源ユニット・リグを分けるなど、見直しましょう。
また、特に気をつけたいのが「ケーブル」です。イーサリアムマイニングをしている人のリグの場合、ライザーカードから使う消費電力が少ない、などの理由で分岐ケーブルを使っていたり、SATA→PCIE 6pin変換を使っていたりするケースがあると思います。今までは20Wしか流れていなかったところに60W流れるようなことが想定しえます。
それらの貧弱なケーブルに大電力を流すことは危険です。ライザーカードに75W、PCIE 8pinに150W以上が流れても問題ないケーブル・配線になっているかは十分に確認しましょう!
(おまけ)プール選びを考える
TON Pool
0.01TONの手数料が出金ごとにかかります。
0.2 TONごとに出金が可能です。
Pool feeは5%です。
報酬が高め、とのうわさ。
HiveOSにも最初から登録されており、設定が楽です。
Whales pool
0.02TONの手数料が出金ごとにかかります。
Pool feeは0%です。HiveOSにも最初から登録されており、設定が楽です。
0.1 TONごとに出金が可能です。
https://tonwhales.com/docs/pool
icemining
出金は自動で、毎日1回行われます。
ただし残高が1TONを超えていない場合には出金されません。
https://icemining.ca/site/coins/id/2422
https://icemining.ca/site/helpTon_mining
TON Coin Pool
出金手数料は無料です(※トランザクションフィーが0.01toncoin以下の場合)
出金は自動で、毎日1回行われます。
ただし残高が2.5TONを超えていない場合には出金されません。
Pool feeは0%です。
さいごに~マイニングは盆栽だ!~
7000文字+スクリーンショットとなる長文記事になってしまいました。その割に自分はあんまりTONとのデュアルマイニングをするだけの電力の余裕がないので調べて試してもそこまでプラスにならないという。。
お疲れ様チップお待ちしています!笑
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