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フリーランスのほうが社員より現場に参加し辛い!?

今日もご質問ありがとうございます。
フリーランスに転向しようか考え中のSES会社員さんからのご質問です。
前のほうで質問に回答し、最後に「そもそも」の部分で回答していきたいと思います!
長文なのでお急ぎなら目次で最後のほう読んでね。

1.面談に通るには社員の方が有利か?


自分が発注側の立場だった時は、正直
「会社員≧エージェント経由フリー≧直契約」という考えはありました。
理由は明確で、「メンバーが外れたときの穴埋めをしてくれるか」という点になります。
(そもそも与信の関係でフリーと契約NGな会社もあります)

プロジェクトが開始し、チームを組みますと色んな理由でメンバーが抜けます。技術的についていけない、人間関係のトラブル、通風や結石など体調不良など…
実質的な発注判断はチームリーダがやることが多いと思いますが、リーダからすると、普段の業務が忙しいのに人集めのフォローなんてやってる暇ありません。

そこで、メンバーが抜けたときに「次の人探してください」と言える人がいる点で、会社員やエージェントの方が頼みやすいというのはあります。

会社員のほうがエージェント経由フリーより更に有利な理由としては、一緒にチームメンバーを派遣している会社ですと、コミュニケーションコストが少なくて済む(現場メンバーと会社営業でのヒアリングで求人を掛けれる)というのがあります。

まぁ、穴が抜けたあとのコストが少ないという理由で、「会社員≧エージェント経由フリー≧直契約」という順番になるということです。

あとは、営業職の人は発注元に接待を掛けることもあります。接待で仕事取ろうとする姿勢は個人的には余り好きではありませんが、接待が好きな人もいるのも事実で、そういう人は営業へ優先的に発注を出しているかもしれません。(私たちは成果を営業力にしましょう)

ただし、よく見てほしいのですがあくまで「>」ではなく「≧」です。
発注側が欲しいのは、「成果を出してくれる人」であり、リスク回避などしなくて済むならそれが一番なのです。
「直営業」って言葉があるように、十分な実力と信用があれば直接営業して案件を取ることも十分可能ですし、エージェント経由であれば会社員とほぼ差がなく案件にありつけると思います。(エージェント経由は商流深くなりがちだけど)

なので問1に関しては「あります!でも致命的な差ではないです!」というのが私の答えです。質問者さんが面談通っていたのも「会社員だから」という可能性は低いと考えます。

2.フリーは会社員より入退場の判断がシビアか


まず、半年続けてもらえたら基本的に能力面で退場って余り無いかなとは思います。
そして、半年以内で想定より成果が出てない場合、会社員とフリー、どっちが退場しやすいか…

はっきりいいます。同じ単価だとフリーのほうが求める成果は高いです。会社への発注の場合、上記リスク回避分の費用も払っているので。
なのでフリーの100万と会社員の100万は求める物がワンランク違います。

ただ、エージェント経由でも中抜きがあるので、この差は会社員とエージェント経由はあまり無く、直営業だけ求める成果がワンランク上になります。
(自分は急な開始案件の対応が多く、直フリーは余り受けてなかったですが、直フリーを受けていたチームではやはり単価はワンランク下になっていました)

ただ、個人の収入という意味ですと会社員とフリーだとその差はなくなります。むしろフリーのほうが有利です。年収600万の会社員だとリーダークラスを求められることも多いですが、単価50万のフリーでリーダーをやることはまず無いと思います。(税金などの差はここでは割愛)
会社員で年収960万で作業者なんてまずあり得ないですが、フリーなら80万円で作業者ってあったりしますしね…

ですので、同じ単価だと求められるレベルが会社員より高いのは事実だと思います。その為、同一単価であれば、退場または単価下げの打診を受ける可能性はフリーのほうが高いと思います。まぁフリーで会社発注と同一単価って時点でかなりハッピーな状態だけど。

なぜフリーランスを目指すのか?

ここからは、そもそもの話です。

なぜ、質問者さんはフリーランスを目指すのでしょうか。スキル面の成長でしょうか、お金の面でしょうか。
ここでは質問者さんが、「成長とお金両方が欲しいから」フリーランスになりたいと仮定します。

まず、現状ですが、成長には不向きです。一人で現場に行くのは少なくとも自分が所属している会社からは放置プレイになりがちです。(多くて週1面談程度でしょう。月1帰社日という、現場には休みみたいな扱いで報告する日があったりしますよね)

この2年で、担当している作業の変化はどれぐらいあったでしょうか。
余り変化がなければ、成長しないリスクを質問者さんは受け入れていることになります。将来的にチームごとに派遣され、リーダとなれる道筋が見えていれば良いですが、そうでなければ狭いスキルだけで、営業がしくったからポイッって放り投げられるリスクもあります。

今の状況で、成長するために現場営業で新しい仕事を取ることはキャパオーバーするので中々難しいと思います。(できる範囲でコツコツやるのが最善ではあるけど)

ですので、成長したいのであれば今の会社は不向きである可能性が高いといえます。

そして、お金の面ですが、今の収入がわかりませんが、20代平均の350万程度であれば、フリーになることで増える可能性は十分にあります。会社員時代の350万に対して月60万の720万なら全然増えますよね。(手取りでも会社員より上だと思います)
お金に関しては税務わからないと手取りに差が出るので、独立する前にある程度、個人事業主の退職金や年金制度について調べたほうが良いです。

ただし、年収が増えると行ってもフリーになるリスクを受け入れるので、不安定になる可能性があることは十分考慮してください。

貯金はできれば6ヶ月、少なくとも3ヶ月食っていける程度は必要だと思います。貯金ないと交渉する余裕もなくなるしね。あと、案件決まってもお金の振込みが振込が結構先(2ヶ月とか3ヶ月先)になるので、順調に決まっても3ヶ月分は必要かなと思います。

フリーランス以外の選択肢について

と、ここまで色々書きましたが、私は質問者さんは「転職」も視野に入れて考えた方が良いと考えます。理由は、「リーダ経験を積める可能性がある」「自分の市場価値を時間をかけて見れる」からです。

フリーの案件募集をみると、作業者なのに「リーダ経験」を求めている案件が多々あります。これはその通りで、発注側のリーダから見て「仕事の理想と現実がわかる人」ぶっちゃけて言うと「俺の気持ちがわかってくれる人」という意味になります。

「出来ない」連呼の作業者の方がどうしても多くなるのですが、それをやらないといけないのがリーダの立場で、現実的な落とし所を提案してくれる人をリーダは常に求めています。

で、その落とし所を理解する確実な方法が「リーダ経験」というわけです。
フリーでリーダ経験ない状態からリーダ実績を積むのは任されるのは相当な信頼が無いと無理で、キャリア(≒単価)が頭打ちになる可能性があります。

そして、発注側の立場を経験すると、「どの程度の人なら幾ら出せるか」が見えてきます。これはネットの情報やエージェントに左右されない「リアルな経験」です。この経験を基に、自分の市場価値を推測してフリーになることができます。

以上より、まだ転職が十分可能な年齢であることを考えて、自社開発系のSEとして転職するのは如何でしょうか。志望理由も「成長したいから」と言えますし、年収は見劣りするかもしれませんが、フリーよりリスクが少ないですし、うまく出世できればフリー並みの年収を狙えるかもしれません。

そこでリーダ経験を狙いつつ、自分の実力が世に通用するかを俯瞰する…という作戦です。

残業が多い世界かもしれませんが、そこで頑張ってリーダまたは管理職としての経験を積んで、社内で頭打ちを感じたらフリーになる選択肢もあるとは思います。(管理職になると実務力が落ちるから維持する仕組みは別途必要)

自分がなぜフリーになりたいかを整理して、現在の会社で改善していくか、転職やフリー転向で環境を変えるか、それぞれ検討していくのが良いと思います。

以上です。長文お付き合いありがとうございました。
質問者さんに幸あらんことを!

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