中国発AIアプリ「DeepSeek」が2週間でChatGPTを超え、トップ評価の無料アプリに
DeepSeek、米国でChatGPTを超えて無料アプリのトップに
中国のスタートアップ「DeepSeek」が、米国のテック業界に衝撃を与えました。AppleのApp Storeで、1月10日にリリースされたこのアプリは、わずか2週間余りでChatGPTを超え、無料アプリの最高評価を獲得しました。
このアプリは、中国・杭州に拠点を置くDeepSeek社が開発した「DeepSeek-V3」AIモデルを搭載しています。その急成長は、これまで米国の企業が支配してきた市場において、大きな注目を集めています。
米国AIモデルとの競争が激化
DeepSeek-V3モデルは、開発者が「オープンソースモデルの中でトップの性能を誇り、世界最高水準のクローズドソースモデルにも匹敵する」と主張するもので、米国のテック業界で大きな話題を呼んでいます。
業界内でまだあまり知られていない存在ながら、DeepSeekは数学、コーディング、自然言語処理などの分野で卓越した能力を示し、特にChatGPT-4をはじめとする米国の主要モデルに対抗しています。
アプリデータ調査会社のSensor Towerによると、DeepSeekは米国でのダウンロード数でライバルを上回り、多くの人々を驚かせています。
DeepSeekの台頭とAI技術革新
1月10日のリリース以来、DeepSeekはユーザー数が急増し、その革新性で注目を集めています。また、1月20日にリリースされた「DeepSeek-R1」モデルは、特にChatGPTが得意としていた分野で目覚ましい成果を上げています。
AIモデルの性能ランキング「Chatbot Arena」では、DeepSeek-R1がOpenAIの最上位モデルと並んで「スタイル制御」カテゴリでトップに立ち、総合順位でも3位を獲得しました。
さらに、開発者たちは同モデルを低コストで提供し、商業利用やカスタマイズが可能なMITライセンスのもとでオープンソースとして公開している点を強調しています。
米国の輸出規制への影響
DeepSeekの成功は、米国が実施している輸出規制の有効性に関する議論を呼び起こしました。バイデン政権は2021年以降、中国のAI技術を制限するため、半導体の輸出規制を強化してきました。しかし、DeepSeekの急成長は、こうした措置が期待通りの効果を上げているか疑問視されています。
トレーニングコストとチップ使用の論争
ロイターの報道によれば、DeepSeekの研究者は、同社のAIモデルがNvidia製のH800チップを使い、600万ドル未満のコストでトレーニングされたと明かしています。この点に対しては異議も唱えられていますが、米国の輸出禁止措置の効果について一部のテック業界関係者が疑念を示す要因となっています。
さらに、H800チップは、米国の規制対象となる高度なチップよりも性能が低いとされるため、この点も議論を加熱させています。
中国のAIブームは続く
DeepSeekは2023年に設立されたAI研究機関で、ヘッジファンド「High-Flyer」の支援を受けています。同社は2024年、コストパフォーマンスに優れた「DeepSeek-V2」を発表し、中国国内のテック大手間での価格競争を引き起こしました。
現在、DeepSeekは米国のAI業界からも「米国の最先端モデルに匹敵、またはそれ以上の性能を達成した」と評価されています。しかし、急成長を遂げる一方で、その詳細については謎が多い企業として注目されています。
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