DeFiによるオプションプロトコル比較【OpynとHegic】
この二つのDeFiDappを簡単にまとめて比較しておきたいと思います。
まずはOpyn
Dappによって指定された期限と執行価格のプットオプションの売買ができます。
(一昔前のdydxプロトコルであったEXPO(当時のマージントレードDEX)に似た動作でのオプションマーケットと言えます。)
オプションの価格はUniswapによる自動マーケットなので、需給によって相場が変わります。
(現在はほぼ流動性が無いので、価格スリップは大きくなりがちです。)
https://etherscan.io/token/0x6c79f10543c7886c6946b8a996f824e474bac8f2#tokenTrade
↑約4ETH分、400$(100$でETHを買う約束の資金がロックされています。)
プットポジション買い手
1、期限と執行価格を確認。(プットオプションは、指定の期限まで、指定の価格で売ることができる権利)
2、現時点では、「4月24日まで1ETHを100$で売る権利」を1ETHあたり1.0426USDCで買うことができます。
3、期日までに執行価格にならない場合は、掛け捨て保険と同じです。
4、執行価格に到達した場合は、期日までの任意のタイミングで権利実行できます。
(実行しないことも可能です。買った意味がなくなります。自動執行ではないので注意が必要です。)
例えばETHが90$になった時に、このプットオプションを実行することで、100$で売って、90$で買いなおすことができます。(この場合、1ETHを売って権利を実行し、1ETH+10$をあなたは得ます。)
とにかくETHの価格がどうであれ、100$で売ることができるのです。
5、もう一つは、執行価格に近付いてきた場合に、そのプットポジションは値上がりしていることが通常です。
執行価格から遠い時点で購入しておいて、執行価格に近くなりポジションが値上がりした時点で、それを売って利益をあげることもできます。
(つまり、やりようによっては、完全掛け捨て保険でもないよ?と言えます。)
(またオプションポジショントレーダーはそうして利益を上げるトレーダーです。)
プットポジション売り手
1、指定のプットオプションの執行価格に対して、実行資金をコントラクトにロックします。(この場合は100$)
2、100$のロックと引き換えに、1oETHが手に入りますが、これはUniswapにて自動的に販売され、今なら1.0426USDC(ETHで。)が手に入ります。
3、期日が到来し、執行価格に至らない場合は、oETHは価値を失い0価値になります。これを市場で買い戻して、ロックした100$を取り戻します。(UIで一連の動作を1TXで実行できます。)
4、期日までに執行価格に至って、プットオプションが実行された場合、
ロックした100$は約束通りETHの買い付けに使われ、あなたは1ETHを100$で購入します。(この場合1ETHを得ます。)(その時点のETH市場価格が例え90$とか80$とかとにかく100$以下でも。)
おまけ。
オプションの執行価格が近い方がポジション価格は高くなります。しかし執行リスク?は高くなります。
プットを売るタイミングは、(セオリーでは、)執行価格が近い時ほど高くなり、また期限までが短いほど安くなります(ボラティリティが上がります。)。
次にHegic
(これはまだ売り手の動作を理解していません。UIある?)
プットポジション買い手
1、Opynと違って、”現在の価格”で保護されます。
2、選択肢は、保護期間(1週間~8週間)を選択します。
一週間当たり2%と固定の手数料1%が保護コストになります。
3、購入した保護期間内で”契約時の”現在の価格””を下回った場合は、
権利を執行することが可能です。
4、下回らない場合は、掛け捨て保険と同様です。
※手数料は契約時の”現在の価格”に対する%です。
まだ確認できていませんが、プットポジション売り手は、
Opynと比べて収益性が高くなると思われますが、執行価格が近いのでリスクも高いというものになるかと。
また、コントラクトのプールの深さなども未確認のため、どのくらいのボリュームまで保護可能なのかは不明です。
まだ出来たてのプロトコルですので、ご利用は慎重に自己責任で行ってください。
Opynがもっと発展してきたら面白いかも。
プットオプションのトークン化は新しい可能性があると思います。
期日が長くなったり、無期限になったりしたら面白いかも。
またHegicは、今は”現在の価格で固定”するものですが、
5%や10%の任意の下限?スプレッド?で、契約できるようになるようです。プットオプションらしくなってきますね。
ということで、プットオプションDappとして注目の二つでした☆
最後までお読みいただきましてありがとういございます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?