音楽『るるちゃんの自殺配信/神聖かまってちゃん』
17際の頃、原宿の地下にある小さなライブハウスで七尾旅人のライブを見た。狭いライブハウスの客席では当時の僕と同じくらいの年齢の女の子達が半袖のTシャツの袖口からつるりとした白い肌を露出して暴れ回っていた。彼女達の熱気でライブハウス内には熱気が篭り、霧の中にいるようだった。彼女たちが崇拝していたのが対バン相手の神聖かまってちゃんだった。
当時暴れ回っていた少女達は今も元気にしているのだろうか。特に元気でなくてもよいけれど、出来れば生きていて欲しい。欲を言うのであれば元気で生きて欲しい。『るるちゃんの自殺配信』自体は随分前からある曲だけど神聖かまってちゃん名義としてリリースされたるるちゃんは曲としての完成度が段違い。普通に生活をしているとブレーキを踏むことができない。常に楽しく充実した人生を送るように、自分でも意識していない部分が意識している。果たして僕は本当にそういう人間だろうか。世界はそこまで寛容で優しいものだったか。もっと大切なものがあってそれを忘れているだけではないのま。この曲を聴くとそういう思いが身体を満たす。透明の人間の体の形をしたがガラスの容器に得体の知れない青い水が見たされていく。だめだよ人間なんだから。お前が楽しんでいたり、嫌だなと思うことをしている世界にはお前の好きな人たちがもう既にいない世界なんだよと思うと、この世の出来事は割と全てどうでも良いと思える。身体と心がどんどんクールダウンしていく。
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