【Speed Star】ホワイトペーパー研究①
話題のSpeed StarというBCG(block chain game)について、馬買っておきながらホワイトペーパーを全く読んでおらず、いざローンチした後にどうすればいいのか全くわからなかったので、今更ながら読みこんでみました。
けっこう作り込まれた内容ですので、私同様に理解が追いついていない人も多いのではと思い、自分の勉強がてらまとめてみましたので、良かったら参考にされてください。(2022/3/29時点です)
※Speed Starは、クリプト投資の中でも時価総額が低く歴史の浅いプロジェクトであり、高リスクの案件であることをご理解ください。
※ホワイトペーパーの内容や細かい仕様は、記事作成後に変更されている可能性がありますのでご注意ください。
※ホワイトペーパー≒運営から発表されるプロジェクトの解説という理解で良いと思います。
※筆者は、プロジェクトとは関係のない一個人です。
Speed Starとは
Speed Starは、Harmonyチェーン上にローンチされる競馬の経済圏を再現したBCGです。いわゆるゲームをして稼ぐP2E(Play to Earn)のプロジェクトですが、これまでのポンジスキーム的になりがちであったP2Eの弱点を克服するプロジェクトとのことで、話題となっています。
独自の経済圏を「Starverse」と称し、NFTの競走馬を中心にユーザーが4種類の職業に分かれて仕事をする(Work to Earn)、もしくは馬や牧場を持つ投資家として参加してトークンを循環させるだけではなく、レースに賭けるギャンブラーの参加により資金流入を図っていることが、画期的とされています。
2022/3/31以降、総計10,000頭の初代馬NFTの8割がオーナーによってアップデートされた後、ローンチされる予定となっています。
トケノミクス
Speed Starには3種類のトークンが存在します。なおHarmonyチェーンなので、トランザクションのガス代やNFTの購入には$oneも必要です。
それぞれのトークンは、ゲーム内においてプレイヤーの活動による供給・消費(回収)で循環し、ゲーム外において取引所(sushi swapなど)での取引で価格が変動します。
①$JOC
プレイヤーに関係するトークンです。主に仕事に対する報酬、職業スキルやアップグレードなど、プレイヤーのキャラクター育成に使用されます。また、キャラクターの疲労回復やプレイヤーに関するアイテムの購入にも使用されます。ゲームローンチ前の時点では、未上場です(コントラクトアドレスも未発表)。
総供給量は3億JOCとされており、有限です。初期はほとんどがFarmingによって供給され、次第にゲームプレイでの供給にシフトしていくようです。初期流動性マイニングは、トークンのローンチ当日からボーナス期間が設定され、この間は通常の4倍報酬が得られる予定です。またLPのペアについてはJOC-STARが10倍、JOC-SPEEDが5倍に設定されており、oneなど他のトークンとのLPよりも効率が良いです。
プレイヤーは、トークンを使用するのではなく仕事に対する報酬として$JOCを得ることができますが、報酬額は4つの職業にそれぞれ25%ずつ配分されているようですが、セラピストであれば疲労回復なのか怪我の治療なのか、ジョッキーであれば何位なのかによって報酬額が異なり、ゲームバランスを維持するよう設計されています(その時々で、できるだけ競合の少ない職業が有利かもしれません)。
ゲーム開始時には約1300万JOCを流通させる予定とのことで、その後徐々に流動性プールに放出されます(参加者の増加を見積もって放出量を設計しているようで、トークン価格維持への配慮が伺えます)。
使用された$JOCは流動性がなくならないように、キャラクター育成用のプールと、活動のためのエナジー回復用プールに均等に分配されます。
キャラクターの育成は様々なミニゲームを通じて行われ、その課金に$JOCが使用されプールされます。
キャラクターにはエナジーがあり、ゲーム内で何らかの活動をするとエナジーが減少します。エナジーは時間経過やショップで購入したアイテムで回復させることができます。アイテムはミニゲームで得られる$JOCよりも高い価格設定となっており、ユーザーがアイテムを購入することで$JOCがプールされます。
②$SPEED
ゲームローンチ前の時点で、初めに唯一上場したトークンです。ゲーム内で使用される基本通貨であり、牧場の開発・馬の育成・大会への参加・他のプレイヤーへの報酬・賭けなどに使用されます。
総供給量は無制限で、Axie Infinityでは$SLP、Pegaxyでは$VISにあたりますので、$SPEEDの価格維持が運営のひとつの課題と言えると思います。
$SPEEDの供給は、初期プールおよびゲームローンチ前は馬NFTのステーキング(馬に付与されているPopularity:人気というステータスで獲得効率が変化)で行われ、ゲーム開始後はゲームプレイ報酬で主に行われる設定となっています。
$SPEEDの獲得方法は一風変わっており、通常のようにトークンのステーキングやLPのファーミングの量で決まるのではなく、トークンは必要とせず、馬などのNFTや牧場の活動経歴によって決まるようです。牧場内の馬などのNFTに付与されたPopularityというステータスと、牧場ビジネスによって蓄積されるRanch scoreによって倍率が決まるようです。
なるべくPopularityの高い馬を多く所有したり、Popularityを上昇させるものを設置したり、牧場自体を開発したりなどして良い牧場主になることが、$SPEEDを多く獲得できることに繋がるようです。
③$STAR
$STARはSpeed Starのガバナンストークンであり、マーケットプレイスでの取引や馬のブリードなど、重要な用途が用意されます。また、今後開発されるStarverseの他のゲームでも使用できるとのことです!
総供給量は3千万STARで、有限です。割り当てについて運営のリザーブが56%と最も多いですが、こちらはガバナンスおよび後発のゲームのために確保する意味合いかと思います。ゲーム報酬や投資家への背部で約30%、デベロッパーや出資者へ計7%の割り当てであり、かつ運営および出資者に割り当てられている$STARについてははじめロックされており、緩徐にロックが解除される仕組みとなっていますので、運営や大口の売り抜けによる価格暴落リスクは少なそうです。
ゲーム内では、$STARはレースやトーナメントの報酬としてのみ稼ぐことができます。距離の長いレースの方が、$STAR報酬が多く設定されています。距離が長いと馬の疲労も大きくなるよう設定されていますので、リスクに対応してリターンを得られるということです。
逆に、ゲーム内への$STARの供給量を減らす仕組みも用意されています。
牧場主(投資家)は馬NFTをステーキングすることで$SPEEDを獲得できますが、ステーキング可能な馬の上限は最初2頭までであり、追加でステーキングする馬1頭ごとに1$STARをステーキングする必要があります。また、牧場の拡張・区画(plot)の購入・牧場に必要なアイテムの購入にも、$STARが必要となります。
また、ブリーダーが馬をブリードするためのコストとして、ブリードごとに1$STARが必要となります。
その他:マテリアルトークン
メインの3種類のほか、ゲーム内のいわゆる素材(材料)をトークンとして扱っています。総供給量は無制限で、ワイルド・ホース・ランをプレイすることによってのみ生成されます。施設設計図とともに、牧場に新しい施設を建設するために使用されます。
SSWOOD Token(木材)、SSGRASS Token(芝生)、SSIRON Token(鉄)の3種類存在するようです。プレイヤーはレースで獲得したマテリアルトークンを売り、牧場主は牧場の発展のためにトークンを購入します。また需給の状況を読んで、マテリアルトークンの取引で儲ける猛者が現れるかもしれません。
Horses:馬NFT
Speed Starの主役であるお馬さんはもちろん1頭1頭がNFTであり、唯一無二の存在です。Genesis sale、およびその後のエアドロップイベントで初期の限定10,000頭がすでにリリースされました。Genesis saleは日本でとくに盛り上がり、日本のユーザーが最も多く購入して完売したようです。同時に厩舎NFTも販売され、こちらを馬とともにステーキングすることで$SPEED報酬を倍にすることができました。
いずれも、セカンダリーマーケットとしてToFu NFTで売買が可能です。
馬NFTには、性別・パーツ・レア度・初期ステータス・得意なレース環境がランダムに設定され、経験を積むことでレベルアップしていきます。ブリード含め馬の詳細についてはかなり複雑で長くなるので、今度別にまとめてみたいと思います。
Player and Jobs:プレイヤー(ユーザー)と職業
このゲームの優れた点として、ユーザーはトークンや馬の購入を必要とはせずに、Starverseの中で仕事をして稼ぐことが可能となっており、牧場主を含めそれぞれの立場が依存し合ってトークンを循環させることで、まさしく経済圏が成立していることが挙げられます。
職業のキャリアパスは自由に選択できますが、どれかのレベルを上げるとどれかが下がるように設計されており、1つのアカウントですべての仕事をこなすことはできないようになっています。
職業は、Breeder(ブリーダー)・Jockey(ジョッキー)・Trainer(調教師)・Therapist(セラピスト)の4種類が用意されています。
プレイヤーとその職業についても、奥深すぎてまだ理解が追いつかないので、おあずけさせてください・・・。
牧場(土地・厩舎)
土地は主に厩舎や調教施設などを含む牧場の建築に使用され、プレイヤーとして積極的にプレイせずともパッシブインカムを得ることができます。
私のように馬は買ったけど本業のためゲームプレイをする時間があまり取れない人は、牧場主としての活動を最も知る必要があります。
牧場の開発
まずplotと呼ばれる、牧場に建物を配置するエリア(区画)が設定されています。厩舎は2×4plot、調教施設(調教用のレース場?)は4×6plotを使用してそれぞれ建設することができます。牧場主はマーケットプレイスで$STARを使ってplot数を増やすことができますが、牧場が広いほど区画拡張のためのコストは高くなります。
建物もNFTであり、建物を建てる=NFTをステーキングするということです。NFTのステーキングにより牧場のpopularity(人気)やgoodwill(高感度)のステータスが上昇し、ステータスに応じたステーキング報酬として$SPEEDが獲得できます。
建物の建設には、マーケットプレイスで$SPEEDを使って購入する「設計図(おそらくNFT)」と、素材としてのマテリアルトークンが必要となります。
競馬場建設のための土地は、オークションで獲得するようです。競馬場を所有することで、大会のチケット価格の設定、競技会費の30%の獲得ができるとのことです。また競馬場の所有者には195枚限定のbet licenseギブアウェイに参加することができ、このライセンス所有者は特典として、ゲーム内で賭けるプレイヤーからの手数料の一部を獲得できるとのことです。
PopularityとGoodwill
これらはプレイヤーの4つの職業から独立した牧場主にとっての、経験値として考えると良いようです。
所有する馬がレースに勝利する、建物NFTをステーキングするなどの牧場主としての活動成績により、その牧場のPopularityとGoodwillが上昇します。$SPEEDの獲得効率はこれらのステータスで決定されるため、牧場をより発展させることがパッシブインカムの増加に繋がります。特別なイベントへの参加や、プレイヤーが牧場を訪問することで(100人/日が上限)、Popularityが一定時間アップするとのことです。
牧場主としてのゲーム参加
牧場主も、積極的にゲームの経済圏に関与する必要がありそうです。ステーキング報酬を上げるために馬がレースで勝利することも重要であり、またどうせ馬を所有するのであれば、レースの賞金もゲットしたいですよね!
まず、プレイヤーを雇用する必要があります。自身が所有する馬の育成のため調教師を、馬をレースに出場させるために騎手を、馬の疲労や怪我の回復のためにセラピストを、馬の繁殖のためにはブリーダーを雇用する必要があります。
もちろん一部の仕事は自分で担うことも可能で、とくに複数アカウントを用いればすべて網羅することも可能となります。しかしながら、より時間をかけて育成したレベルの高いプレイヤーの方が高い効果・効率を得られることから、自分一人で活動するのはなかなか難しいと考えられます。
雇用する際の報酬は雇用主とプレイヤーとの任意契約ですが、相場をみながら設定する必要がありそうです。また報酬として支払われる$SPEEDの35%は源泉徴収されてバーンされるとのことで、$SPEEDの価格維持に貢献します。この税金については、$STAR所有者の投票でその後変更になる可能性があります。
マーケットプレイス
ゲームローンチ前の時点で、馬や厩舎NFTはToFu NFTというマーケットプレイスで売買されています。Starverse独自のマーケットプレイスがオープンするかは不明ですが、そのような雰囲気は感じます。
購入するユーザーには手数料はかかりませんが、売り手は4.25%の手数料がかかります。おそらくですが、$ONE、$STAR、$SPEED、$JOCなど取引に使われたトークン建てで、売却額から自動で4.25%引かれるのだと考えられます。手数料の内訳は、1.5%がステーキングプール(おそらくそれぞれのトークン)、1.5%が投資、1.25%がデベロッパーチーム報酬とのことです。
ローンチ直前の状況
執筆時は、ゲームローンチ(2022/3/31)の直前です(アセアセ)。馬NFTの厩舎と馬の順番を間違えたまましばらくステーキングしたり、エアドロップイベントは気づかずスルーしたり、$SPEEDを犠牲にして参加したイベントは見事2枠外してしまったりして、すでにやや意気消沈気味です・・・(完全に自分が悪い)。
なかなか情報を追えていなかったのですが、TwitterやDiscordの日本語チャット、またDiscordでまとめていただいていた運営のAMA(ask me anything)の内容から、重要事項を確認しました(したつもりです・・・)。
まず3/31にゲームがローンチ予定ですが、これは10,000頭の馬NFTのうち8割がユーザーによりアップデートされないと、始められないとのことです。アップデートにより馬の90日の寿命がカウント開始されるようですが、寿命がきたらどうなるのかちょっとよくわかりません。
8割の馬のアップデートが完了し次第、ブリーダーと騎手がジョブボードに求人募集を掲載できるようになり、7日後にレースサーバーがオープンして騎手の仕事(レース)が開始されるとのことです。馬はレースで疲労・怪我をしますので、おそらくすぐにセラピストの仕事が開始されるのではないでしょうか。調教には牧場に調教施設が必要そうなので、一番最後かもしれません。
$JOCと$STARはSushi Swapに上場される予定ですが、上場のタイミングは多分アナウンスがされていないと思います。$SPEEDが初日数時間で数十倍の値上がりをみせたため、おそらく短期で価格は上昇するのではないかと期待しています(買えなきゃ意味ないけど)。
馬1頭あたり100$STARがエアドロップされる予定になっていますが、3/31にもらえるのか馬のアップデート終了後なのかは、よくわかりません。
また、少し前にブリードコストが変更されたようです。Axieなどではブリード回数が上がるごとにコストが上昇しますが、なんとSpeed Starではブリード回数が少ない方がより多くの$SPEEDを必要とするようです。この意図は不明ですが、まずはすでに$SPEEDを多く保有している先発ユーザーに高いコストでブリードさせ、後発のユーザーが安く参入しやすいようにしたいのかもしれません。
$SPEED価格は0.01$あたりで推移していますので、1回目のブリードにかかるコストは9,000$SPEED+1$STARなので、エアドロップの$STARを使えば約90ドル(超絶円安につき約11,300円)程度ですね。マーケットのフロア価格よりも安く、$STARは価格上昇すると思いますが所詮1トークン分ですので、まずブリードしてみる価値はあるかもしれません。
感想とローンチ直後の計画
めちゃくちゃ作りこまれた、確かにこれまでのBCGと一線を画すゲームだなと感じました。競馬を舞台に完成度の高い経済圏が計画され、これから構築されていこうとしています。ぶっちゃけ、現状では最も優れたクリプトメタバースの一つなんじゃないかと思います(誰が言うてんねん)。
しかしながら、どうやら初期セールの段階では日本人投資家の割合が非常に多いようであり、あまりにも完成度が高い設計で複雑であるがために、我々忙しい日本人が十分な活動を行えるのかというのが少し懸念点かなと思いました。私に関しても、知るほどに「むりだなー・・・。」というテンションになってきています。
今後開発されていく他のゲームも含めて長期的なプロジェクトであり、成功するだろうとは強く感じますので、せっかくなので離れたくはないなぁと思っています。面白そうなのでプレイもしたいですが、本業+家庭での3匹の子豚の世話というリアルバースでの自分を考えると不可能そうなので、長期目線で$STARに集中投資する戦略が良いのではと考えています。
まずは時間的に可能であれば$JOC、$STARの上場戦に参加して初日~数日以内にいったん利益確定したうえ、LPファーミングを開始。その後可能な範囲でのゲーム内の活動を通して$SPEEDなどの報酬を獲得し、$STARとの相対的な価格変動をみながら$STARを積み立てたりファーミングを追加するということを考えています。
※余剰資金なさすぎて上場戦が辛いのはここだけの話・・・。
なにぶん素人の考えなので、諸先輩方からみると色々とご指摘はあろうかと思いますが、なにかアドバイスなどあればコメントいただけるとありがたいです。ツイッターでなにか言ってるのをみかけたら、声かけてやってください。
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