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【Capital DAO Protocol】ホワイトペーパー研究

はじめに

私も投資している仮想通貨(暗号資産、クリプト)のプロジェクトであるCapital DAO Protocolの、ホワイトペーパーが先日更新されました。当然ながら英語でブラウザのgoogle翻訳もきかないので、読むのがおっくうな人も多いかと思います(私も全然読んでませんでした)。
改めていっぺんしっかり読んでみて、日本人ユーザーにもプロジェクトの内容がわかりやすくなるようまとめてみましたので、参考にされてください(2022/3/20時点)。
Capital DAO Protocolについての最近のアップデートについては、下記の記事を読んでいただけると幸いです。

※Capital DAO protocol($CDS)は、リスクの高いいわゆる草コインへの投資です。投資はDYOR(do your own research)のうえ、すべて自己責任でお願いします。
※筆者はCapital DAO protocolに投資し応援しているLINEグループの副管理人をしていますが、プロジェクトとは何の関係もない一個人です。


Capital DAO Protocol  ホワイトペーパー

まず、ホワイトペーパーとは何でしょうか?
もともとはクリプトの専門用語ではなく、政府や公的機関による年次報告書から転じて、最近ではWebマーケティングにおいて製品やサービスなどの解説や市場分析などを資料にまとめたものを指すそうです。
クリプトのプロジェクトにも基本的にホワイトペーパーが存在する場合が多く、逆にホワイトペーパーが無かったり内容が酷かったりすれば、そのプロジェクトの信頼性が低いと考えてよいと思います。
かくいう私も投資する前にホワイトペーパーを読み込むという習慣が無かったのですが、過去に何度も損した反省を活かし、今後はきちんとやっていこうと・・・思っています。

最近発表されたNFTやDAO Workerの内容を織り込んでホワイトペーパーが更新されましたので、内容を要約しています。基本的に公式の記載に沿いますが、一部あいまいなところは筆者の解釈が入ること、またホワイトペーパーは更新されることがありますので、あくまで2022年3月時点の情報であることをご了承ください。


Project Vision:プロジェクトが目指すもの

Capital DAO Protocolは、DAO(Decentralized Autonomous Organizations:分散型自律組織)を利用した、VC(Venture Capital:ベンチャーキャピタル)の新しいあり方を目指すプロジェクトです。

Project Summary:プロジェクトの概要

Capital DAOは次世代あるいはWeb3.0プロジェクトの実現を支援し、プロジェクトと、コミュニティに存在する投資家のインセンティブ(利益)の最大化を結びつけます。
他の多くのインキュベーター(支援団体≒VC)との違いは、中長期的なプロジェクト支援を行うことを当然とし、プロジェクトとコミュニティを繋ぎコミュニティを育てることを最も重視すべきと考えていることです。また、コミュニティに参加するユーザーの知識レベルの底上げも必要だと考えており、よりレベルの高い投資家コミュニティをプロジェクトとともに作り上げていくことが重要だと考えています。

Capital DAOを中心としたコミュニティ

Problem:現在の問題点

①ベンチャーキャピタル(VC)の問題点
Web3.0(非中央集権化・分散化)の普及が進む中でも、トークンを安く買い、市場参加者に高く売るというVCのビジネスモデルは変わりません。これでは、健全なエコシステム(経済圏)の発展には程遠いです。

②プロジェクトの問題点
資金調達および有名なVCから支援を受けたいため、プロジェクトはVCにトークンを低価格で提供します。VCが市場でトークンを売るため、短期的にトークン価格が大きく下がり、価格が下がり続けるとコミュニティメンバーが離れていく傾向があります。

③ローンチパッドプラットフォームの問題点
現在インキュベーターやVCが提供するプラットフォームが多数存在し、これらにアクセスするために自らトークンを要求します。このトークンはIDO参加のチケットとしか機能しないため、市場がブル相場(上昇)からベア相場(下降)に変わったとき、IDO参加者のROI(投資利益率)が高くなることはないため、トークン自体の価格がすぐに下がってしまう傾向にあります。

④ユーザーの問題点
ユーザーはIDOに参加するためにトークンを保有します。ブル相場のときは良いが、ベア相場ではIDOに参加してもリターンが期待できません。
これは、参加者のリテラシーがそれほど高くなく、投資のデューデリジェンス(事前調査)も甘いため、プラットフォームが持ってきたプロジェクトに訳も分からず投資し、損失を出すことが多いためです。また、IDOトークンに実用性がないため、トークン価格の下落により二重の損失が発生する可能性が高くなります。

はい、私のことです・・・。


Token Sale:トークン販売方法

Capital DAOが支援するプロジェクトのトークンセールは、プロジェクトごとに異なる形式を用いることで、柔軟でプロジェクトの要求に応じたトークンの配布が可能となります。
また異なる形式を用いることで、ユーザーはプラットフォームトークンを持つ以外の方法で、IDOに参加することができます。多くのIDOプラットフォームが過度にクジラ(トークンの大量保有者≒金持ち)を優遇していることが問題であると考えており、この構造では一般投資家がIDOに公平にアクセスできることを保証しています。

①IDO(パブリックセール)

Capital DAOのIDO割り当ては、プロジェクトによって配分比率を変えながら、3つの方法を並行して実施する予定です。
ⅰ)CDSプール
CDSの預け入れ金額によって分配される。FCFS(早い者勝ち)、抽選なし。
※V2プールのことだと考えられます。
ⅱ)コミュニティプール
コミュニティへの貢献と、Seedの付与に基づき配分される(CDSトークン保有の必要なし)。
※Seedについては、別の記事で解説します。
ⅲ)ローンチプール
ローンチプールを通じてCDSを単体ステーキングまたはCDS/ETH LPをファーミングすることで、そのプロジェクトのトークンを獲得することができます。プロジェクトのトークンを獲得するために、新たな種類のトークンを購入する必要はありません。LPファーミングの場合は、プロジェクトのトークンと同様に、CDSも獲得することができます
※V3プールのことだと考えられます。

②シードセールまたはプライベートセールプログラム

ⅰ)Capital DAO-VIP-NFT
100%トークンを購入できる特典を得られる、Capital DAO-VIP-NFTを限定100個販売します。
※NFT販売の詳細は、執筆時点で未発表です。
ⅱ)FCFS(早い者勝ち)方式
KOL(キーオピニオンリーダー≒インフルエンサー)は、SNS上でシードセール案件を紹介することで、紹介報酬を得ることができる。
※トークン販売自体は、早押し形式になっていると考えられます。

③INO(イニシャルNFTオファリング)

Capital DAOでは、トークンセールだけでなくNFTセールも準備します。割り当ては、CDSまたはCDS/ETH LPのステーキング・ファーミング量、シードの量、DAO-VIP-NFT保有で決定されます。

トークンセール方法の一例


DAO Worker:ダオワーカー

Capital DAOは、単なる資金調達のローンチパッドプラットフォームではありません。我々はプロジェクトの長期的な健全性と発展を確保するために、初期段階からサポートを提供し、Capital DAOが主導するプロジェクトだけでなく、より多くのプロジェクトが成長する機会を創出します。
Capital DAOは、多くのKOL(インフルエンサー、エンジニア、事業開発者、デザイナー、マーケターなど)を含むコミュニティ主導の組織です。プロジェクトとKOLを結びつけ、マーケティングを促進することで、プロジェクトの成功を支援します。
KOLにはプロジェクトに貢献した分の報酬と、IDO割り当てのためのSeedが提供されます。これらのインセンティブは、貢献意欲を増幅させます。
P2P(Peer to Peer:個人-個人間)の通信を可能な限り実現するため、基本的な通信はここに行います。ただし報酬の分配に関しては、不払いや契約不履行の可能性があるたえ、DAO Workerプラットフォームではスマートコントラクト(自動実行プログラム)が管理するエスクロー(中立的な第三者の仲介)を活用し、安全かつ透明性の高いやり取りを可能にします。

プロジェクト側・KOL側双方に$CPDTが利用され、$CPDTの需要増・価格上昇にも寄与します。
またKOL報酬の一部はFeeとして徴収され、$CDSと$CPDTのバイバックに利用されます。
インフルエンサーの力の一部は、一般投資家の利益に向けられるよう設計されています。
すごいね!

DAO WorkerおよびSeedについては内容が非常に多いため、別の記事で解説します。
DAO Worker(KOL、インフルエンサー)とプロジェクトを結びつけるダッシュボードも作成中のようで、イメージが公表されています。

DAO Workerのダッシュボードのイメージ。
現在の簡素なホームページから、だいぶ変身しています。
テンション上がりますね!


Features:Capital DAOの特徴

初期段階の企業・プロジェクトに対する投資のアクセスを民主化する

独自のCapital DAO starterを構築し、$CDS(Capital DAO Starter Token)とCapital DAO starterへのアクセスがあれば、従来はVCや関係者に限られていた投資機会へアクセスできるようにしました。早い者勝ちや抽選システムといった従来のローンチパッドのシステムは、トークン保有者に対しあまり公平ではありませんでした。我々はトークン保有数に応じた段階的なモデルや、プロジェクトに対する貢献度に応じた配分を実現しました。

コミュニティ主導のプロトコル

$CPDT(Capital DAO Token)の保有者は、プロジェクトに投資する、プロジェクトがうまく進むように手助けする機会が多くあります。
初期段階では、コミュニティによるガバナンスはCapital DAOによってインキュベートされたプロジェクトが最適かどうか、本当に投資する価値があるかどうかの判断しか行いません。しかし将来的には、トークン発行者である我々もガバナンスの参加者として関与し、コミュニティ主導によるガバナンスへと移行していきます。プロトコルのパラメータ設定など些細なことも含め、すべてのガバナンス機能をコミュニティが持つことになります。

デューデリジェンスレポート・レーティングダッシュボード

$CPDTを保有することによって、ユーザーはプロジェクトのデューデリジェンスレポート(事前調査書)を読むことができます。また参加者のリテラシーを高めることで、プラットフォームが持ってきたプロジェクトにただ投資すればよいという意識から脱却することを木庭としています。このVCはコミュニティが主体であるため、ガバナンスの参加者が最低限の知識を持つことが何より重要なのです。

投資提案

一定数のトークン保有者はガバナンスボードに提案を上げ、early/seed/series Aなどのプロジェクトに対する投資手法を提案することができます。ガバナンスで一定比率を超えたプロジェクトは、アプローチされたCapital DAO Protocolチームが交渉します。ここで投資されるプロジェクトの中には、ローンチパッドで提供されることを意図したものもあります。

プロジェクトとコミュニティの相互的なパートナーシップ

Capital DAOのポートフォリオに含まれるプロジェクトは、お金以上のものを得ることができます。プロジェクトは、チームの成功に必要なテスター、人材、コミュニティを得ることができます。そして投資家は、初期投資に対して製品の早期テストやインセンティブを享受することができます。

トリプルトークンモデル

従来のローンチパッドでは、IDO参加の機能を持たせているだけの1種類のトークンしかないため、市場がベアマーケットになるとユーザーの収益率が低下し、IDOブームが終わった瞬間トークン価格が暴落する傾向があります。
我々は$CDS、$CPDT、$CPDPの3種類のトークンを発行し、ユーザーがプロジェクトの利益を享受できるようにします。

Capital DAOのトリプルトークン。
刷新されたデザインもカッチョイイです。


Comparison:他の組織との比較

Capital DAOと、従来のVC、CEX(中央集権型取引所)のローンチパッドやIDOを提供する他のプロジェクトを比較します。
コミュニティ主導のVCを目指しているため、投資機会におけるガバナンスの提案・投票やプロジェクトの投資において公平性を重視し、かつCapital DAOに貢献したユーザーに特化して配分することを目指しています。

一般投資家にとって不利である現状の克服を目指しています。


Triple Token Models:トリプルトークンモデル

既出のとおり、3種類のトークンを発行することによりユーザーがプロジェクトの恩恵を享受するようにデザインしています。

$CDSに始まり、種々の用途を持つ$CPDT、VCの利益を直接獲得するための$CPDPが存在します。

CDS Tokenomics:$CDSのトケノミクス(構成)

$CDSは、Capital DAOがインキュベートするプロジェクトへの投資にアクセスするための重要な要素です。$CDSはCapital DAO starterへのアクセスや、ステーキングによる利益配分といった要素があります。

創設者への分配は10%で、運営開発に計18%、投資基金に20%となっています。
ユーザーへのステーキング・ファーミング報酬が40%と比較的大きいです。
AMM liquidityは、Uniswap V2に提供した初期流動性の分と考えられます。


Roadmap:今後の予定

2022年Q1(第一四半期)以降のロードマップです。
もともと2021年中に予定していた$CPDTのIDOや上場は、2022年にずれ込んでいます。

2022 Q1

・Capital DAO starter(プラットフォーム)のベータ版(テスト版)リリース。
・Capital DAO starterでの1回目の資金調達として、$CPDTのIDO。
・V2イールドファーミング/ステーキングの開始。
・V3イールドファーミング/ステーキングの開始。
※V2プール、V3プールの詳細については、過去の記事を参照ください。この記載だと、もしかしたら$CPDTのIDOはV2プールに依存しない形になるのかもしれません。

2022 Q2

・フル規格のDAOの立ち上げ。
・Capital DAO protocolのマルチチェーン対応(Astar Networkによるサポート予定!!!!)
・シードセールプログラム開始予定。
・V4イールドファーミング/ステーキングの開始($CPDPが獲得できるようになります)。

2022 Q3

・Capital DAO protocolのマルチチェーン対応(BNBおよびSolanaチェーンに対応予定)。
・DAO Workerの提供開始。


まとめと感想

以上が、新しいホワイトペーパーの和訳・要約になります。分量の多いDAO WorkerとSeedについては、別に記事を作成してご説明しています。

ある程度は理解していたつもりでしたが、改めてホワイトペーパーを読み込むと、非常によく練られたプロジェクトだと感じました。別の記事でまとめたように、これまでマーケティングにほとんど力を入れていないようなのですが、爪をひたすら隠し続けながらプロジェクトを進行させているということでしょうか。
最近多くのYouTuberさんたちが一斉に紹介し始めたトークンへの投資を検討したのですが、コンセプトがすばらしいというのは共感しつつも、ホワイトペーパーの内容があまりにショボかったので、プレセールでの購入は見送りました(お金がないというのも正直なところですが・・・)。話題性による短期的な価格上昇を狙っての上場戦のみ、検討中です(こういうのは、儲かれば何でもいいです)。

個人的に熱くなったのは、Astar Networkからのサポート予定という点でした。Astarは日本人の渡辺創太さんがCEOを務めるStake Technologies社が開発しているチェーンで、直近ではPolkadotのパラチェーンで最もボリュームの大きいチェーンに成長しており、世界からの期待も大きいとされるプロジェクトです。私も少額ですがパラチェーンオークションに参加し、その後もAstar上のDEXでの運用やNFTを購入しています。
BNBやSolanaより前にAstarがきているということは、日本人ユーザーを強く意識している可能性がありますが、実現すればかなり嬉しい内容です。ガス代の関係でETHチェーンからの脱却は必要不可欠ですが、どのチェーンに主軸を置くかは重要と考えられます。その点、ETHと互換性のないSolanaでどう展開するつもりなのかは気になりますが、互換性あるところは比較的簡単だから後回しということか、あるいは現在交渉しているプロジェクトがSolana系なのかもしれません。

$CDS価格が低下していること、プロジェクトの進捗やマーケティングの様子がまだ見えていないことなどから不安に感じている方も多いと思いますが、少なくともホワイトペーパーの内容・プロジェクトの構想は非常に作り込まれていると、改めて感じました。
ホワイトペーパーについてはご自身で確認してもらうのが一番ですが、まぁ面倒でしょうから、単なる和訳としてでも活用いただけると幸いです。

私も心配していないというと嘘になりますが、プロジェクトが本物であってほしい、成功してほしいという願いがありますので、微力ながら日本コミュニティに協力していきたいと思っています。
良かったらフォローお願いいたします。

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