見出し画像

夢と現実のギャップに挟まれた人間の人生とは

はじめまして。
ADとして2年間、数多のテレビ局を駆け巡って10本以上の番組を担当した26歳のアラサー男性、のそいと申します。

まずADと聞いて「大変そう」「休みの日ってある?」「芸能人と付き合える?」というイメージを抱く方が多いかもしれません。
結論、大変な仕事ばかりだし休みなんて存在しないに等しいです。
あと、芸能人とは付き合うなんて夢のまた夢です。

「なぜADを辞めたのか」
「今はどんな生活を送っているのか」

今回は自己紹介も兼ねて僕がどういう人生を歩んでADという道を選んだのかお話したいと思います。


ヒーローに心を救われる

私は過去、ヒーローに心を救ってもらった事があります。
その名は仮面ライダーオーズ。

幼少期から仮面ライダーに憧れ、将来の夢にするほど大好きでした。ただ、成長するにつれて「仮面ライダーはテレビの中の絵空事」という意味を理解して次第に憧れの存在から遠ざかっていきました。

そんな中、とある出来事をきっかけに私の夢は再び動き出します。

ある日の放課後、友人と遊んでいた私は今まで経験した事がない大きな揺れを経験しました。そう、東日本大震災です。

私の住んでいる地域は山沿いでしたが携帯のワンセグ画面で津波や沿岸部の火災の映像を見た時
「これは今日本で起きてる映像なの?」
と現実を受け止めきれないほどの絶望を目の当たりにしました。

2021年3月11日の河北新報(2011年3月12日の記事を再び掲載している)

そこから数日はライフラインが全てストップしましたが、最初に電気が復旧してテレビが日常に帰ってきました。
しかし、画面に映るのは被災地域の映像や余震への警戒を促す情報がほとんど。
正直、生きてる心地はしませんでした。

ですがある朝、ふとテレビを付けると仮面ライダーオーズが放送されていました。
当時、仮面ライダーから離れていた私でしたが夢中で見入ってしまい暗く沈んでた私の心を救ってくれて希望を与えてくれました。

この一連の出来事がきっかけとなり
「将来は多くの人を笑顔にする映像作品を作りたい!」
という夢を抱くようになりました。

夢を叶えるための道のり

「多くの人を笑顔にする映像作品を作りたい!」
はい、夢が決定しました。

ここから私の物語は始まります。

中学高校は普通科の学校に進学しましたが、映像を学べる地元の芸術大学にAO入試で合格。
CGや写真、アニメーションなど様々なジャンルがありましたが実写映像を学べるゼミを迷わず専攻します。

途中、コロナ禍の影響などもありましたが先輩や友人たちと数多くの自主制作の映画などを撮影しました。

卒業制作初日の写真

そして番組制作会社への内定も決まり、卒業制作では優秀賞を受賞し、無事に大学を卒業して社会人への一歩を歩み始めます。

想像を絶するADの生活

研修の休憩中に見に行った桜

ここまで順風満帆な人生を歩んでいると思いますが、私が入社したのはそこそこ大手の番組制作会社でした。

バラエティやスポーツなど様々なジャンルの番組の制作を請け負っているのですが、私が配属されたのは特番の制作チーム。

上司からは
「忙しさはレギュラー番組と変わらないから」
と言われてましたが、比にならないほど、しんどかったです。

レギュラー番組の場合、何社かが合同で1本の番組を制作します。そのため、担当の放送回が何週間かに1回というスパンで回ってくる形式になるのでロケや収録の準備も比較的余裕を持って行えます。

もちろん、特番も何社かが合同になるのですが、私が入った番組はほぼ自社のスタッフだけで構成されていました。なので、担当の放送回という概念は存在せず、人手不足の状態で番組をなんとか回してました。(その番組終了後は他社と合同で特番制作も行いました)

ある時なんか、キャンプのロケの準備から納品まで約1ヶ月休みなしで働いて体重が5kg落ちました。久しぶりに会った友人からは「やつれたね」と言われるほど。(ちなみに入社して2ヶ月経った頃)
また、特番の掛け持ちも当たり前だったので心身ともに疲弊していく毎日でした。

とある日の仕事終わりの風景(午前5時30分ごろ)

2年目を迎えたある日、収録前日にコロナウイルスに感染して自宅療養となっていた時、ふと、自分がやりたい事ってなんだっけ…と回想モードに突入。

ベッドで寝てる時に思い出したのは、みんなが笑顔になる映像作品を作りたいって思った過去の自分ときっかけをくれた仮面ライダーオーズ。
これを目標にして今頑張って…て、あれ…?

確かに今は映像制作に携われてるけどディレクターを目指してる訳じゃないよな…?
というか映像作品って番組以外にも道はあるはずでは?

コロナ休養期間に導き出された衝撃の事実。高熱と喉の激痛に苦しんでいましたが自分自身と向き合えた事に感謝しました。

退職後の進退

コロナから回復し、制作チームの先輩にも相談して2年間勤めた職場を退職。(復帰後、上司には飲み歩いて感染したと疑われたのでグーパンしそうになったのは内緒)

一度、心身ともにリフレッシュするために実家の宮城に帰省してニート期間を過ごしました。現在は知り合いのディレクターの元でフリーのADとして少しだけ活動を再開しつつAD時代に貯金してたお金で仮想通貨投資を始め、新たな一歩を踏み出しています。

「なぜ私が仮想通貨投資を始めたのか?」
「実際仮想通貨って稼げるの?」


こちらに関しては、また後日お話しさせて下さい。

夢は希望にもなり絶望にもなりうる

誰しも一度は夢を抱いて社会経験を歩んでいくはず。もちろん、憧れの職業に就いたり夢を叶えた時ってすごく嬉しいと思うんです。私自身も最初はそうでした。

ただ、人生経験を重ねると、きっと迷いも生じると思います。迷いを払拭せずそのまま歩んでしまうと、夢と現実のギャップに挟まれて絶望する…なんて事もあり得ます。私はそんな人を何人も見てきました。

「じゃあどうすればいいのか?」

結論、何もかも忘れて自分自身と向き合う時間を作りましょう。ほんの少しの時間でもいいんです。例えば、食事をしてる時やお風呂に入ってる時、電車に揺られている時などで大丈夫です。まずは一度自分自身と向き合って今後の人生をどうしたいか考え直してみましょう。

海ではしゃいでる自分

もちろん、夢を追いかけ続ける事も大切ですが夢を叶えた後の事も少し考えておけば多少は心に余裕が生まれます。それでも悩んだり、道に迷う事もあるはず。そんな時は海や空を見て一度頭の中を空っぽにしてから自分自身と向き合って夢の続きを歩んでいくかゆっくり考えましょう。

私自身もまだ夢の続きを歩んでいる最中です。一度は挫折しかけましたがふとした事がきっかけとなって自分自身と向き合う事ができました。
もし今悩んでたり道に迷ってる人がいれば、このnoteがきっかけとなって今後の道標になってくれたらいいなって思ってます。

以上で今回のnoteを締めたいと思います。
読んでちょっとでも面白かったなと思ってくれたらハートをタップしてみて下さい。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集