香港、ホールセールCBDCの新プロジェクト発表──RWAトークン化などのユースケース探る
香港の中央銀行にあたる香港金融管理局(HKMA)は3月7日、トークン化のユースケースをさらにリサーチ・テストするためにホールセールCBDCのサンドボックスとして「Project Ensemble」を開始すると発表した。
香港は2017年からホールセールCBDCを模索しており、公式には2021年にリテールCBDCのリサーチを開始している。
香港金融管理局(HKMA)は3月7日、トークン化市場の発展を支援するため、ホールセール中央銀行デジタル通貨(wCBDC)プロジェクト「プロジェクト・アンサンブル(Project Ensemble)」を開始すると発表した。
同プロジェクトでは「wCBDCによるトークン化マネーのシームレスな銀行間決済を促進するイノベーティブな金融市場インフラ(FMI)を模索する」としている。
香港は2017年からホールセールCBDCを模索しており、公式には2021年にリテール決済のためのリサーチを開始した。HKMAはすでにデジタル香港ドル(e-HKD)の発行について市場関係者と協議を行い、2023年10月にリテールCBDCは独自の価値を付加できると述べたにもかかわらず、e-HKDの導入やその導入について決定していない。
「プロジェクト・アンサンブルのコアとなるのは、wCBDCのサンドボックスであり、トークン化された現実資産(RWA:グリーン債、カーボンクレジット、航空機、EV充電ステーション、船荷証券など)の決済を含むトークン化のユースケースのリサーチとテストを進めるために、HKMAが今年立ち上げる予定だ」と発表で述べられている。
プロジェクトでは、官民の関係者で構成される「wCBDCアーキテクチャ・コミュニティ」が設立される。また「取引におけるトークン化現実資産(RWA)とマネーとのギャップ」を埋めるための新しい金融市場インフラを生み出す可能性もある。
wCBDCサンドボックスが業界から十分な関心を集めれば、適切な時期にwCBDCが実際に発行が実施される可能性があるという。
「プロジェクト・アンサンブルは、活気ある香港の金融業界に新たな刺激を与え、トークン化マネーとトークン化資産の最前線に立つ香港の地位を強化する」とHKMAのエディ・ユエ(Eddie Yue)総裁は述べている。
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