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ポリマーケットはウォッシュトレードが「横行」:フォーチュン

ブロックチェーンベースの予測市場ポリマーケット(Polymarket)では、ウォッシュトレードが「横行」している。ウォッシュトレードとは、伝統的な金融市場では違法とされる市場操作の一種で、同一人物が同時に売り手・買い手を務め、取引高を水増しすることを指す。フォーチョン(Fortune)は米国時間30日、ブロックチェーン調査会社の分析を引用して報じた。

ポリマーケットでは、1週間ほど前にクジラ(大口投資家)がトランプ氏の当選確率を上げているとの疑惑が伝えられた。今回のフォーチュンの記事は、2つのブロックチェーン分析会社による調査を引用、そのうちの1社、カオス・ラボ(Chaos Labs)は「大統領選の賭けの取引高の約3分の1、そして関連する全ユーザーがウォッシュトレードの可能性が高い。他の賭けも同様だ」と結論づけた。

もう1社のインカ・デジタル(Inca Digital)も「市場(賭け)の『取引高のかなりの割合』が、ウォッシュトレードの可能性がある」と結論づけている。

ウォッシュトレードは、TradFi(伝統的金融)では禁じられている。資産の需要や価格に問題がないという誤った印象を与える可能性があるためだ。

ポリマーケットの広報担当者は、米CoinDeskに対して「(記事の)リサーチャー自身が指摘しているように、1人のトレーダーが市場の両サイドでポジションを取ることはポリマーケットに特有のものではなく、それ自体は問題ではない」と述べた。

広報担当者はさらに、ウォールストリートとは異なり「ポリマーケットは、プラットフォームのすべての取引を透明にし、リサーチャーを含めて一般に公開している」と述べ、同社の利用規約では「市場操作を明確に禁止している」と続けた。

エアドロップを狙った平凡な動機か

フォーチュンの記事は、ウォッシュトレードと疑われる取引は、来週の米大統領選の結果に影響を与えることよりも、もっと平凡な動機によるものかもしれないと述べている。ポリマーケットが独自トークンの発を検討していると伝えられていること、暗号資産ではウォッシュトレードは「エアドロップ・ファーミング」の一環として行われることが多いと記事は指摘した。エアドロップ・ファーミングはアクティブ・ユーザーとしてトークン配布の対象となるために行われるものだ。

著名な暗号資産投資家ニック・カーター(Nic Carter)氏は、政治的な策略よりも、エアドロップ・ファーミングがそうしたアクティビティの最も妥当な要因である可能性が高いとXに投稿した。

ポリマーケットは現在、取引手数料を徴収しておらず、これが頻繁な売買を促進する要因となっている。

ベテランの予測市場トレーダーで、ポリマーケット上のアクティビティを追っているフリップ・ピドット(Flip Pidot)氏は、分析会社のリサーチ結果を直接見ていないため、フォーチュンの中心的な主張を評価することは難しいと述べた。

しかし、同氏は記事の2次的な主張に異議を唱えた。記事は、参加者が賭けの1シェア(1口)を1セントで購入した場合でも、ポリマーケットが取引高を1ドルとカウントしていることを「異常」と記している。

「予測市場の取引高は(先物市場全般で行われているように)通常、想定元本(すなわち、支払い価値)で表示される。記事で述べられているように、ポリマーケットもこれを行っている」とピドット氏はCoinDeskに語った。

1週間ほど前には、ポリマーケットのクジラ(大口投資家)が市場を操作し、トランプ氏の当選確率を上げているとの疑惑が伝えられた。

ポリマーケットは、トランプ氏への強気ポジションを持つ少数のアカウントが、同じフランス国籍の人物によって管理されていることを認めた。だが市場ウォッチャーは、このクジラ(大口投資家)の取引パターンは、当選確率を上げようとしているのではなく、戦略的にシェアを購入していることを示していると述べた。

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