WazirXから資金を盗んだハッカー、3200万ドル相当のETHをトルネードキャッシュへ移動
ハッカーは9月16日から5000ETHずつ、合計1万5000ETHを移動させている。
ハッカーは依然として5000万ドル分以上のトークンを保有している。
WazirXの創設者はこの状況について、カストディアンであるリミナルとバイナンスの両方を非難した。しかし、両者はこれらの主張を否定しており、WazirXがユーザーの資金を失ったことに対する責任を転嫁しようとしていると強調している。
経営陣が責任転嫁を続けている中、経営難に陥っているインドの暗号資産(仮想通貨)取引所WazirXから盗まれた資金が移動している。WazirXは現在も再編プロセスがシンガポールで進行中だ。
7月にWazirXから2億3000万ドル(約322億円、1ドル=140円換算)相当を盗んだハッカーたちは、9月19日早朝に5000ETHをミキシングサービス「トルネードキャッシュ(Tornado Cash)」に送信した。 オンチェーンツールのアーカム(Arkham)が追跡したデータによると、彼らは16日の夜から5000ETHずつ、合計1万5000ETHを移している。
19日の朝の時点で、ハッカーのウォレットには依然として5000万ドル(約70億円)相当のトークン、主にイーサリアムが保管されている。
トルネードキャッシュは、さまざまなブロックチェーン上のウォレットアドレスを隠蔽しながら、暗号資産ユーザーがトークンを交換することを可能にする。このサービス自体は悪質なものではないが、盗んだ資金を動かしている人物の身元につながるオンライン上の痕跡を消すために、暗号資産犯罪者によってよく使用される。
7月、WazirXはマルチシグウォレットの1つでセキュリティ侵害を受け、1億ドル(約140億円)以上の柴犬コイン(SHIB)と5200万ドル(約72億8000万円)相当のイーサリアム、その他の資産が取引所から流出した。
盗まれた資金は、2024年6月の報告書で取引所が示していた総準備金の45%以上を占めており、取引所はその後、負債を清算するための再編プロセスを申請した。
WazirXの創設者であるニシャル・シェティー(Nischal Shetty)氏は、再編中に何度も責任転嫁を行った。彼らはまず、カストディアンであるリミナル(Liminal)側のミスが原因でハッキングが可能になったと主張したが、リミナルはこれを否定した。
8月下旬にシェティーは暗号資産取引所バイナンス(Binance)がWazirXの親会社であるZettai Labsの資金の大部分を保有しており、被害を受けた顧客へのWazirXの返済能力を制限していると主張した。
しかし、バイナンスは今週初めのブログ投稿でこの主張を否定した。
「WazirXチームとニシャル・シェティー氏は、WazirXとバイナンスの関係について顧客と市場を欺き続けている」とバイナンスは声明で述べている。「バイナンスは、2024年7月の攻撃の前、最中、後を含め、いかなる時もWazirXを所有、管理、運営したことはない」。
「責任転嫁を図る彼らの試みは残念な回避戦術だが、ここで対処すべき明白な問題から目をそらさせるものであってはならない。それは、WazirXチームが管理下で失ったユーザー資金について説明責任を果たす必要があるという問題だ」とバイナンスは付け加えた。
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