【週刊ビットコイン】「噂でカウ」米大統領選
2024年11月1日から11月7日までのビットコイン市場レポート
11.01｜下落から始まる11月
史上最高値へのトライに失敗したビットコインは、同日11:00に68,870ドル（安値）をつけた。
背景には、米メタ・プラットフォームズ（META）が30日に発表した決算において、人工知能関連インフラ構築にかかる費用の伸びが来年、大幅に加速すると警告したことにある。今回の決算では広告事業が好調であり、市場予想を上回る決算とはなったものの、この好調な状況が継続するかは見通しのつかないものである。その結果、来年以降の業績が不透明であることへのリスクヘッジから、株価は引け後の時間外取引で2.9％下落した。
同日には米マイクロソフト（MSFT）の決算もあり、同じく市場予想を上回る結果とはなったものの、人工知能関連への支出が拡大する一方、クラウド事業の成長は減速するとの見通しを示した。その結果、株価は引け後の時間外取引で当初の高値から下げに転じ、3.6％下落した。
これらの結果はナスダック全体の下落要因ともなり、結果的には暗号資産市場の時価総額が5.5％減少、2億5,000万ドル相当のロングポジションが清算されるなど、大きな影響をもたらす結果となった。
11.02｜一旦の落ち着きを取り戻す
0:51には69,036ドル（安値）をつけるも、無事に反発。3日の昼頃までは1,000ドル幅ほどのレンジ相場となり、落ち着きを見せた。
11.03｜迫る米大統領選
突然の下落を見せたのは11:43、67,846ドル（安値）をつけ、一定の反発を見せるも弱い相場が続いた。
それでも投資家の信頼は厚く、大きな変動は見せないまま、米大統領選や連邦公開市場委員会などの重要なイベントを迎えようとしている。
11.04｜噂はほどほどに？
市場はすでにトランプ氏の勝利を織り込んでいるのか、選挙前日となった4日でも安定した相場となった。12:00には69,495ドル（高値）をつけ、翌朝にかけて横ばい相場であった。
11.05｜期待の膨らむ開票前日
経営破綻した暗号資産取引所であるMt. Goxが、将来の弁済に備えて数か月間で最大の送金にあたる、32,371ビットコイン（＝21億9,000万ドル相当）を新しいウォレットアドレスに移管したため、6:45に66,810ドル（安値）をつけた。
一般に多額の送金は、ビットコイン市場に売り圧力をもたらすことが多い。Mt. Goxによる債権者への返済期限は2024年10月から2025年10月へと一年間延長されており、今回同様の送金が再び行われた場合、ビットコイン市場に負の影響を与える可能性が高い。
11.06｜“その時”は突然に
誰しもが、ビットコインの“その時”を待っていた中、それは不意を突いたタイミングであった。詳細な流れは以下の通りである。
大統領選の開票が始まる11月6日朝。
同日9時05分頃より、州ごとの結果が出始め、トランプ氏はインディアナ州とケンタッキー州で勝利を確実にする。市場はトランプ氏が次期大統領として有力になる見方をいっそう強め、同日9時24分、ビットコインは70,000ドルを超え、9時49分には71,430ドルに到達。
その後しばらくは下落を見せるも、10時17分に70,570ドルでサポートが効き、11時15分には71,625ドルのレジスタンスを突破。
11時30分には72,600ドルのレジスタンスを突破し、11時42分には同ラインでサポートを確認。そのまま急騰を続け、ついに12時08分、史上最高値である75,656ドル（高値）へ到達した。
11.07｜無限の彼方へ
史上最高値更新から一夜明けた7日、依然として強気な市場が続き、5:56には76,420ドル（高値）をつけ、ニ日連続で史上最高値を更新した。
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