ファイル3:州一つを恐怖に陥れた【ムノチュワ】!
今回は2002年のインドに現れた【ムノチュワ】です!
ムノチュワ
ムノチュワはヒンドゥー語で「顔を引き裂くもの」という意味だといいます。英語圏の未確認生物サイトでは「顔を焼くもの」とされていることもあります。
UMAは目撃されるたびに報告される見た目が異なったりするものですが、ムノチュワは一つのUMAを指しているのか怪しいくらいに多種多様です。
報告された容姿は「鷹に似ている」「猫」「ゴム人形」「飛行機」、他にも「亀に似ている」「長髪の男」、「昆虫」、日本の書籍では「機械的」というものもありました。
いずれにせよ、鋭い爪をもち、赤や青(たまに緑)に光り、飛行能力を持っているという特徴だけは共通しています。
(↓鷹〜飛行機を掲載していたニュース)
日本ではテレビで取り上げられ、番組内で通説(?)とは少々異なった説明がされていたらしく、テレビ情報に由来するページでは「ラジコンのようで小さい」「左右に手足があって回転しながら引っ掻く」といった内容が掲載されています。
前述の日本の書籍で紹介された「機械的」というのと共通していますが、海外のページではこの記述はなく出所は不明です。
知恵袋の質問によれば被害者の妻が出ていたとのことなので現地調査でそういう目撃例もあったのかもしれませんが、確かめる手段が何もないのが現状です。
目撃の状況
ムノチュワは、6月からインドのウッタル・プラデーシュ州に姿を現しました。
事件は州東部にあるバリア-ガジプール地域で始まりました。村人が、発光実体に噛まれたというのです。
ムノチュワ事件は、すぐに30以上の地域に広がりました。ムノチュワはいずれの場合もその爪と顎で攻撃し、爪の攻撃は熱や電気ショックのような刺激を伴っていたといいます。
7月、マドラ村のはずれの人気のない場所に、怪しい車が停まっているのが発見されました。
これだけならムノチュワとは関係ない不審者っぽいのですが、ある住民は「人型の何かが、車のあたりから村へ向かって飛んでいくのを見た」といいます。この「人型の何か」は、追いかけると同じ方向に逃げていったといいます。
このため、ムノチュワは人間が操作しているのではないかという話が出始めます。まぁ、マドラ村での直接的な攻撃の被害は報道されていないので、単に糸のついた風船と軽い人形を使ったいたずらかもしれませんが…
また同じ日、アハラウラ地区では5人の若者がムノチュワと接触し、顔面を爪で引っ掻かれました。報道によれば、同じような出来事はチャンダウリ地区でもあったようです。
8月になると、ムノチュワはほぼ1日おきに現れるようになりました。
8月頭の襲撃では、「襲われた少年の顔にアルファベットの『LIF』に見える傷が刻まれた!」といってニュースでやたら騒がれましたが、この辺は普通に偶然だと思います。
ムノチュワの目撃された地域で、警察は「青い電球のついた風船」「青い凧」などを見つけましたが、報告範囲や攻撃性からこれらは正体とは程遠そうです。多分悪戯好きな住民が驚かせようとムノチュワの報告に似たアイテムを揃えたのでしょう。
8月の終わりあたりにはムノチュワの襲撃は割と落ち着き、その後すぐに新たな目撃は聞かれなくなりました。
正体を考えよう
Wikipediaの「ムノチュワ」記事では、現在では出典付きの記述がされていますが、過去のWikipediaは出典なしの記述ばかりだったため一度削除されています。
そこには、こんな記述が。
・モンキーマンと一緒にいたと言う目撃情報がある
・ムノチュワと似ている「ベクトロン」というおもちゃがある
このモンキーマンというのは、前年2001年にインドに出現した未確認生物ですが、モンキーマンの場合は集団ヒステリーとして一応結論は出ています。
集団ヒステリー由来の怪物と「一緒にいた」といっても、ムノチュワの実在性を下げている気がしますが…
続いて、「ベクトロン」の記述を検証していきましょう。
ベクトロンとは、こんなおもちゃです。
報告されたムノチュワの特徴と似ているところといえば、「飛行」して「機械的」な「赤い」ヤツということくらい。
猫にも鷹にも、長髪の男にも見えません。
ムノチュワの特徴と全然違う!!!
旧Wikipediaはどうやらテレビの情報を元に書いているっぽいんですが、テレビ版ムノチュワにはギリギリ似てなくもない…んですかね?
この記述に関しては、出典なしの記述ですし他にベクトロンとムノチュワの関係を示唆しているサイトや本も見当たらなかったので、編集した人の主観でしょう。
当時の報道ではどんな説明がなされていたのでしょうか。
インド工科大学カーンプル校のラヴィンドラ・アローラ教授は、ムノチュワは球電現象ではないかとしています。
球電は未だ謎の多い現象で、詳しい仕組みはわかっていません。浮遊する帯電球体で、赤や青、緑に光ります。
アローラ教授によれば、ムノチュワ事件の96%が大雨の最中か直後に起こっているというのです。電気供給も多くなく、電車も走っていない地域で不思議な電気的現象が起きたのは、自然の雷のためということのようです。
きっと、誰かが球電との接触によってパニックを起こし、モンキーマン事例のように集団ヒステリーが起こっていたのでしょう。
集団ヒステリーならば、怪物の見た目が一定しないことにも説明がつきます。
結論
ムノチュワは多分「球電と、それに関して発生した集団ヒステリー」
今回紹介したムノチュワは知名度の低さと一定しないビジュアルから商品化にあまり恵まれないのですが、SUZURIで「もふもふ堂」さんからムノチュワのグッズが出ています。
独自解釈デザインとデフォルメがとても可愛い一品。ムノチュワファン(?)の皆様、ぜひ購入してみては。