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 同じ事実を伝えるにしても違うように感じてしまう。

 コインベースの22年10月-12月期の決算が発表されました。その内容はともかく、メディアによって見出しのトーンが違っていて面白かったので紹介します。
 暗号資産に特化しているコインデスクの場合、

 見出しだけ抜き出すと

コインベース、第4四半期の収益は事前予想を上回る──取引高は第3四半期から12%減

 どちらかというと暗号資産に懐疑的な日経新聞の場合、

 こちらも見出しだけ抜き出すと

米コインベース10〜12月、最終赤字750億円 取引低迷

 記事の中身自体はどちらもほぼ同じ内容だが、見出しだけ見ると印象がずいぶん違う。普通の人は見出しを見てから記事の中身を見るので、事実に対する受け止め方は日経を読んだ人とコインデスクを読んだ人ではコインベースの業績についての受け止め方が180度変わりそうだ。

 おそらく日常的に日経を情報源としている人は暗号資産に懐疑的であり、コインベースの業績を見たときに、やっぱり暗号資産は先行き不透明で怪しいと考えるだろう。
 一方、コインデスクを情報源にしている人はそもそもが暗号資産に興味があり将来性があると見込んでいるので、コインベースの業績の情報を見たときに、そろそろ底かな、これから伸びてくるかもしれない、と考えるだろう。
 どっちが正しいかは誰にも判定がつかないし、今の時点では分からない。しかし、暗号資産についてこれから伸びるかどうかということに興味のある人は、どちらの見方も抑えておいた方が良さそうだ。一部だけの情報に頼っていると事実の受け止め方が引きずられてフラットな判断が出来なくなる。これには気をつけておきたい。
 特に暗号資産に関してはこれからのトレンドであり、まだ何も定まっていない仕組みだ。現時点でどうなるかは誰にも分からないものであり、一方的に将来性が高いとか低いとか決めつける段階には無いと思う。ちなみに、日経新聞は何があっても暗号資産に関しては懐疑的な論調で見出しをつけがちである。ただし、フィンテックとかブロックチェーンとかいう単語を出した場合はそれに類しない。そういう前提で記事と見出しを吟味していきたい。

 コインデスクの記事によるとコインベースの株価は時間外取引では若干上がったようである。市場はコインデスク寄りの見方をしているらしい。日経だけ見て暗号資産の先行きを判断していると乗り遅れるかもしれない。

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