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プライベートブロックチェーンはいずれ消滅する。

パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンという分類がいまだになされていますが、この言葉を目にするたびに、かつてインターネットがイントラネットとインターネットに分類されていたことを思い出します。イントラネット(プロトコル)は事実上消滅しました。ブロックチェーンもそうなると予想しています。

プライベートブロックチェーン

今でも会社の内部のネットワークはゲートウェイによって、外部のインターネットとは切り離されています。しかし、それはファイヤーウォールで区切られているだけで、内部のネットワークもプロトコルは同じTCP/IPが使われています。
しかし、インターネットの勃興期にはプロトコルが乱立していました。社内のネットワークはインターネットプロトコルを使わずに別のネットワーク、例えばNetBiosと呼ばれるモノを使っていたり、はたまた別の会社のネットワークプロトコルを使っていたり、アップルもAppleTalkだったりしました。
今やそういったプロトコルは絶滅している状態です。おそらく、プライベートブロックチェーンもその運命をたどると思われます。

そもそも、クローズドよりオープンの方が使い勝手が良いのは自明です。確かに国境なるモノが存在する場合は、法定通貨のようなモノがあり、囲い込んだ方がその地域の安定性を保つためには良いかもしれません。しかし、外部とのやりとりを行わないとじり貧に陥るのは必須です。企業も(もちろん国家も)同じで、外部とのやりとりを活発に行えば行うほど潤います。
そんなときに社内で独自のプロトコルを採用していたらどうなるでしょう。外部とのやりとりをするのにいちいちゲートウェイ、しかもプロトコル変換を行わないといけない。今後、様々な現物資産がトークン化されて流通されると仮定するなら、プライベートブロックチェーンを使っていたら外へ出すのが大変です。
インターネット勃興期もそうでしたが、企業としてもうけようとするときに、セキュリティ上の話を持ち出して、システムを受注するというのはよくある話です。社内の情報はプロトコルが違うので外部には出ない、何かしらの障害があっても社内は影響を受けないなどの利点を押し出し、ビジネスをするという話はありがちです。プライベートブロックチェーンもほぼ同じでしょう。そもそもパブリックブロックチェーンはビジネスになりにくい。分散が基本だからです。だからブロックチェーンでもうけたい会社はプライベートブロックチェーンを持ち出すわけです。

余談ですが、シスコシステムズという会社があります。この会社はもともとマルチプロトコルルータなるモノで飛躍した会社です。つまり、独自のプロトコルを使っている社内と外で使われているTCP/IPをうまく制御するルータが大当たりしました。ブロックチェーンもそういう会社が出るかもしれませんが、プロトコルが収斂するのとどちらが先でしょうか。

そして残るのは、、

結局、外と中で違うプロトコルを使うのは非効率的だと思われるので、最後はパブリックブロックチェーンと呼ばれているモノがブロックチェーンとして残る様な気がしています。
そのブロックチェーンも今は1万とか2万とかの種類があるようですが、TCP/IPが残ったように、最後は2か3くらいに集約されそうな気がします。特にレイヤ1はもしかしたらビットコインとイーサリアムの2つしか残らないかもしれません。それ以外のモノは結局レイヤ2で実現されてしまう可能性が高いからです。
インターネットはTCP/IP以外のプロトコルが活動していた期間がある程度ありました。しかし、ブロックチェーンはインターネットが立ち上がった時よりプライベートブロックチェーンの採用について盛り上がりに欠けます。それはブロックチェーンプロトコルがオープンソース主体であるからかもしれません。ビジネスとして推進するインセンティブが弱いからかもしれません。おそらく、企業が採用するのはイーサリアムが主流になっていきそうな感じがしています。それが手っ取り早いし、継続性がありそうだからです。そんな話の具体的な事例の記事がありましたので紹介しておきます。


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