オリンピックで思った①(僻み根性と多様性)
「ぜひ立派になっていただいて、ええ旦那もらって。旦那はええか?恋愛禁止か?」(河村たかし氏)
「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合ってね。こんな競技好きな人がいるんだ」(張本勲氏)
上記はメダリストに向けての発言である。
このような発言をする人間が市長とテレビ番組のコメンテーターである現実。それが許されてしまう日本って恐ろしいなと…。
私はこれらの発言から、日本の成長を止める要因である『多様性の阻害』と『僻み根性』を感じずにはいられない。お二人の発言はある意味、一定数の日本人が潜在的に持つ縮図ではと思えるのである。
「ええ旦那もらって〜」「嫁入り前のお嬢ちゃん〜」とはステレオタイプであり、女性蔑視のとんでもない発言であるが、これらと似た言葉は男にも向けられる。40代独身の私は「早くボクシングなんて辞めて結婚しろ」と数え切れない程に言われてきた。
小学生の時から憧れの生き様は故志村けんさんと車寅次郎だから、結婚には全く興味がないと言い続けているので私は変人扱いである。
私の変人扱いはさて置き、メダリストを称えるのに旦那をもらうとか嫁入り前って全く関係ないのに言葉にしてしまう。名古屋市長である河村氏。日本を代表する実績を残した打者である張本氏。恐らくお二人とも自己顕示欲が強いタイプであると想像に難しくない。そこで、メダリストの功績を僻んでいると思えて仕方ないのである。だから、「立派になっていただいて」や「こんな競技好きな人がいるんだ」と言葉に出るのである。
僻み根性と多様性の阻害は若者の可能性を潰してしまう!
東京大会のビジョンの1つは『多様性と調和』である。
大人たちが、いや日本社会が僻み根性に支配されることなく多様性を受け入れ尊重し合える社会にならなければ、日本の未来は確実に暗いものとなってしまう。スポーツも然りである。
追記: フィンランドのミラ・ポトコネン選手(ボクシングのライト級銅メダリスト)は2度の出産を経て27歳でボクシングを始めて、前回に続いて2度目のメダル獲得。「旦那をもらって嫁入り後」の選手にお二人は何を思うのだろうか?