古市氏の発言に
古市氏の落合氏との対談での発言は、つまりは、死が間近にある者は生きる(生きさせる)努力をしなくていい、という価値観にとれる。コストに見合ってないというなら、命を金に換算する価値観ともいえる。
そうじゃない、そうじゃないんだ。
命はそこにあるだけで価値がある。みっともなかろうが醜かろうが、生きることそれ自体に価値がある。存在自体に価値がある。それが、人権という価値観であり、現代において、人が生きていくことを肯定する基礎になっている価値観なんだ。
価値のない命を選別するとしたら、どういう命になるだろう。金にならない命とはどういう命とされるだろう。
それが、生産性とか、年齢とか、病のあるなしで人を計ることへの反発の奥底にあるんじゃないか。
ちなみに、財政危機への対策で高齢者を敵視するのはおかしいし、若者が搾取されているという発想もねじれている。財政というのは、税の再配分を意味しているのだから、どこからとってどこにかけるかを定める方針に、モノ申すべきであって、割合を大きく占める分野がどこからきているかをきちんと見定める必要がある。古市氏流に言うならば、まともに稼ぐ能力もない若者や子供に、帰ってくるかも不確定な投資をすることは浪費に過ぎないのだから。