8月の東京都の感染者数を予測する

以前、私は東京都の感染者数を予測したことがる。
7/22時点で、7/23に437人、7/30に669人と予測しました。東京都は毎週木曜日に陽性者数が一気に上がる傾向があるため、木曜日をベンチマークとしたのだ。
結果は、7/23が予測437→実際366、7/30が予測669→実際367であった。ただ、7/31には463と初めて400人を超え、8/1には472と最高値を更新した。
負け惜しみに聞こえるかもしれないが、私の予想が外れたのではなく、ずれたのだ。この時は、感染者の1週間の感染者増加率を約1.53倍で計算していた。計算としては、前週の新規陽性者数に単純に1.53をかけただけだ。8/3東京都発表の数値を元に、6月末からの増加率を改めて確認すると、2週目で1.8倍、3週目1.3倍、4週目1.2倍と、僅かに倍率が低下している。私の1.53という倍率が1.2に下がったため、感染者数が減少したので、外れたのではなく倍率がずれたのだ(笑)。

では、改めて、8月の増加数を予想してみよう。本来であれば、感染症の数理モデルであるSIRモデルをベースにして予測するべきであるが、高校数学が落ちこぼれの私には手に負えないので、Excelベースで出来る予測をしてみる。
まずは、7月1ヶ月の数字を元に、近似曲線による予測を行ってみよう。

図2

8/11~12に1日の感染者数が600人を超え、8/22~23に1日1000人を超えることになる。
次に、固定倍率で増加する場合はどうなるだろうか。ここでは、7月1ヶ月の1週間毎の平均倍率である1.4倍を元に計算してみる。

図1

今週末の、8/8~9にかけて、感染者数が600人を超え、8/21~22に1日1000人を超えることになる。ちなみに、8月一カ月の累計感染者数は22,764人であり、ホテルを10棟借りても足りないだろう。

さて、政府は、尾身会長も、西村大臣も、菅官房長官も、「殆どが軽症者で、医療は逼迫していないから問題ない」との見解を、毎日判で押したように発表している。本当にそうだろうか。
下記は、60歳以上の新規感染者数をグラフにしたものだ。

図1-1

図2-1

近似曲線でも、週間平均倍率でも、8月中旬から下旬にかけて1日100人以上の感染者が発生することになる。

もう一つ気になるデータは、退院数だ。当然だが、高齢者でも治療に成功すれば、無事退院となる。そうすれば、医療は逼迫しないし、死亡者数も抑え込むことができる。
東京都は、毎日の発症者の元データを公開しているが、それには、退院フラグが設けられている。死亡者も退院扱いになっているため、これで致死率を計算することはできないが、少なくとも、現時点でどれぐらいの感染者が入院しているかは判る。8/3時点での60歳以上の入院感染者数は、537名である。特に、7/12日以降の感染者は殆ど退院していないので、入院日数は最低20日間と見ていいだろう。これらのことから推測すると、8月末の高齢者の入院者数は、1,600~1,700人と予測される。また、高齢者の致死率は、20%程度と言われているので、それを考えると、予測含め7~8月の感染者数を2,500と想定すると、8月末には東京だけで500人ほどが死ぬことになる。

先週から、全国で急激に新型コロナ感染者が増えており、GoToトラベルキャンペーンのせいではとも言われているが、潜伏期間が1~2週間ということを考えると、今週が山場だろう。私の予測は、あくまで東京都ベースだが、同じことが、1~2週間遅れで地方都市に広がっていくことを考えれば、8月末には、全国でも医療崩壊が起こっている可能性が高い。
こんな大惨事が目の前に迫っているにも拘らず、政府は未だに国会も開かず、GoToトラベルとお盆は両立するとかどうでもいい議論に終始しており、どうにもならない。今後についても、具体的な実効力のある対策を全く打ち出していないのだから、感染者は増えこそすえ減る要因は無い。あとは、どれぐらいのスピードで増えるのかだけであり、遅かれ早かれ医療崩壊は免れないだろう。

ここまで書いておいて今更だが、東京都も厚労省も毎日発表しているのは、PCRの陽性者数でありイコール感染者数では無い。何故なら、PCRは完全無欠の100%では無いからだ。PCRは一般的に0.01%程度の偽陽性(感染していないのに陽性と出る)と、30%程度の偽陰性(感染していても陰性と出る)があるとされている。偽陰性は陰性なので、発表数字にはカウントされないが、偽陽性はカウントされている。ただ、本当にどれだけの数が偽陽性になったのかは、全く発表されていないため、私のような一介の市民には判断しようがない。むしろ、30%程度の偽陰性があるならば、発表されている数字の1.3倍の感染者がいることになる。さて、以上のことを承知の上で、私は今の所、PCR陽性者数≒感染者数と表現していることをここに明記しておく。陽性者数≒感染者数ではない、PCRの精度は信頼できるほど高くないという論争が、未だに一部のマスコミで繰り返されていることに辟易しているからだ。偽陽性だの偽陰性だのといって、取り繕っても、陽性者の殆どが感染者に違いなく、細部に拘るのは、森(感染拡大と言う真実)を見たくないから木(PCRはあてにならない)を見ているに過ぎない。

安倍首相は、先週末からアベノマスクを着用することを止めた。自分が言い出したことだから、意地でも付けていたのだろうが、こんな不良品を使うことを啓蒙されても困る。ウィルスなどの感染を媒介するマイクロ飛沫のカット率は、一般的な不織布マスクで90%だが、アベノマスクは30%しかないのだ。こんな不良品を、介護施設などに配布するなど、殺人ほう助と言うと言い過ぎだろうか。
こんなくだらないパフォーマンスをしているぐらいなら、自ら記者会見を開き、自分の肉声で市民に話しかけ、市民が納得できるビジョンを示し、共感を得ることだ。それこそが、リーダーシップであり、首相の役割だ。こんな状態では、たとえ緊急事態宣言を出しても、誰も従わないだろう。
安倍信者の田崎史郎は、安倍首相はちゃんと話をしているなどと誤魔化しを言うが、新型コロナ封じ込めに成功したニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相と比べれば、説明責任を果たしているとは到底言えないことは明らかだ。

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