底抜けた心に注ぎ続けるもの
メルストくんは
それが美点だと思っています。
いつも
何回も
挫けそうになって
膝をついて
でも諦められない自分を
「そうなんだね」と言ってくれる。
ある友達が言いました。
「最近は友達『なんて』『増やしやすい』から、気が合わない人と付き合う必要なんてない」と。
半分は分かります。
分かり合えない人は分かり合えないから、切り捨てる判断も必要だということ。
半分は分かりません。
自己解決能力を磨かないということ。ピーターパンシンドロームのまま、自分の我儘が通用する世界に閉じ籠って、いつか『失いたくないもの』と遭遇した時に、解決能力を持っていないという状態。
それは『必要な撤退』ではなく、『弱い自分を研鑽しない言い訳』。
そんな友人に覚えがありますよ。
彼女もきっと、いつか親友と揉めた時に、理不尽に手を離されるでしょう。離すって言ってたもんね。それを裏切りだと喚いても、なんの意味もない。
見捨てないと言った人間を見捨てる人なんて、そんなもんなんだから。
探して
探して
探して
探して
探して
見つけたものがこんなもので
それはただの空虚で
信じられなくなっていく
壊れないように
壊れないように
壊れないように
壊れないように
壊れないように
他人の人生の主役はその人であると言い聞かせて、私は私の人生の主役から降りた。
次善しかないまま
今のことではないという言葉すら降ってこない現実で
繋ごうともされないまま
無為な日々に
手を差し伸べるのはメルストくんだけ
そんなものは夢物語だと
理解していながら。
私は馬鹿だから
私に掌を返して自己満足してる邪推集団が相手でも、友人であった時間が、裏切られた事実より先に出ます。
「~された、酷い!」じゃなくて、「~の時は~な風に楽しかったはずなのに、何でこうなったんだろう……」と、空っぽになる。
楽しい思い出が勝つ。
共に笑いあった時間が勝る。
その分だけ、相手がそれを踏みにじるたび、失望感が嵩を増して、あの時間は無かったことにされるのかと、気力がなくなっていく。
そんなに簡単に捨てられるものなんだ。
私たちの友情はそんなに薄っぺらかったんだ。
私たちの交わした約束は
吹けば飛ぶほど軽いものだったんだ。
現実は物語ほど上手くは回らない。