優しい世界と嘘
トントンと。
東京に住んでいると電車が嫌で嫌で。
遠回りをしてもバスに乗ることが多いのだけど
バスってついうっかり寝てしまう。
毎回毎回。
でもいつも終点にたどり着くと
運転手さんじゃない誰かが
トントンと。
起こしてくれて。
はっ!と起きるんだけど
いつも出てくる言葉が「すみません」
なんだ。
「ありがとうだろそこは」
といつも反省しながら仕事に向かう。
今日もいいことも落ちることも交互交差。
天気が良くてね。
でも髪がぴよんってなるくらいの湿気だったのよ。
それが気になって気になって
髪を触るんだけど
誰も見てないかって途中で諦めるんだ。
目の前で誰かを庇って誰かを犠牲にする話をしていた。
人の優先順位って見えてくる。
でもね。
「誰かを庇って誰かの夢を砕くの?」
いつか隠していたことってバレるのだから
それが優しい嘘だというのなら
その優しい嘘が最後には何になるのかな。
夢中にいるのだから早く起きないね。