クラフトビール日記:WCB BEYOND the GATEWAY
私の今年の夏山登山が終わった。
今月に入ってどたばたと2週連続で駆け込んだけど、最終的には飯豊山、五竜岳、槍ヶ岳と、今年行きたいと思っていた山には全部行けたので良し。
槍ヶ岳は一度は天気の都合で見送ったのだけど、予定変更した分で日光白根山にも登ることができた。
来年はどうしようかなぁ、まぁ来年の予定は来年考えるとして、まずは今年の夏山登山を無事に終えられたことを祝して、ビールを飲もう。
WCBが3周年以降、GMT+9シリーズで出しているBBAインペリアルスタウト。3年目の方は飲み切って、いよいよ去年分を開けるタイミングがやってきた。
祝杯には相応しいだろうということで、まずはBEYOND the GATEWAYから開けようか。
ちなみに、3周年ではTBBのBBA版だったけど、4周年ではTBBとGatewayのブレンド。
BBA Gatewayは出ないものか、と思ったけど5周年でもブレンドだったので、BBAインペリアルスタウトはシングルカスク(?)では出さずにブレンドして出す方針なのかもしれない。
BBA TBBも樽感を深く感じられて良かったけど、Gatewayから今風の濃さになったので、そのあたりの変化が見どころというか、飲みどころかな?
まぁいつも通りというかなんというか、既に用宗で一度飲んでるんだけど。
感想
Gatewayらしい濃厚な、黒糖のような甘み。そこに樽由来のウッディなフレーバーやベリー感、ナッツの薄皮のような渋みが加わる。
初代Gatewayとはバッチが違うのか、バナナ感はない。が、ビター感もさほど出ては来ず、ペイストリースタウト的な印象がやや強いかな。
樽で熟成、我が家の冷蔵庫でも1年ほど熟成したおかげか、酸味は温度が上がっても目立つことはなく、終始飲みやすい。
インペリアルスタウトは樽熟成すると角が取れてマイルドになる傾向があるとは思うが、これはまさにその角が取れて樽フレーバーが加わった、そのバランスがとても心地よい。
3周年のCurious Conundrumの時は樽感の暴力!という感じだったけど、今回はGatewayの甘みやボディの厚みが加わったことで、樽っぽさだけではない色々なフレーバーが混ざり合っている。
その分樽っぽさは前回より薄れる……といいたいところだけど、必要十分な量の樽感フレーバーはちゃんと感じるんだよな。樽フレーバーの解像度は幾分下がったような気はするが、個人的にはBBAインペリアルスタウトにはその、樽フレーバーの解像度だけを求めているわけではないので。
甘みにどこか和っぽさというか、みたらし団子のような香ばしさや醤油系の塩気を感じて、三銃士を思い出す。
おそらく1年で追いつくだろうとは思っていたけど、やはりWCBのBBAスタウトもあれに肩を並べるレベルになったか。
どれだけ三銃士はオーパーツだったんだよと突っ込みたくなりつつ、やはりあの領域に至るポイントは、Gatewayのように濃厚ペイストリーなスタウトだということが証明されたようで、やはりというか何というか。
毎年WCBは周年のタイミングでBBAインペリアルスタウトを出していて、ひとつは直球のBBAスタウト、もうひとつ(ないしふたつ)はそれに副原料を加えてフレーバーの範囲を広げたものをリリースしている。
が、これを飲む限り、正直シンプルなBBAスタウトで充分完成しているのでは……?と思わなくもない。
BBAのクオリティに関しては正直もう言うことがない。ここまでのクオリティのものが出てきたのなら、シンプルなBBAインペリアルスタウトの方向性なら正直、国産インペリアルスタウトでもOmnipolloやPõhjalaあたりに対して勝ち目も見えてきたと言っていい。
これは決して両者を下に見ているわけではなく、それくらいまで到達しているということ。
BBAインペリアルスタウトという、やたらとコスパが悪く嗜好性(指向性?)の強いビールであっても、この国のクラフトビールは充分に対抗し得る。三銃士やTAKASHI ICHIROが示したその軌道に、WCBもしっかりと乗っていることを示した一杯かなと思う。