都市対抗を振り返る
2024年の都市対抗野球大会を振り返ってみる。早いものでもう1ヶ月立ちました。
御存知の通り三菱重工Eastが優勝しました。正直自分が生きているうちに優勝できるなんて・・と。春先のJABA大会では力を出し切れていない感じで、都市対抗出場もどうかなあ?と正直思っておりましたが、監督・選手の皆さん、そして補強に来てくれた東芝の御三方、チームが1つになって掴んだ優勝だと思います。
最後、整列の前から三菱賛歌が流れました。非常に良い演出で感動的でした。「勝利のうた」を望む人もいるようだけど、あれはMHPSになって作られた曲ですし、もともと三菱重工横浜時代は賛歌でしたから。
いろいろな意見を目にしますが、長崎・広島・名古屋の思いを背負っているので、三菱賛歌で良かったと思います。
決勝戦は2016年以来の観戦。この年、MHPSが予選を突破して、このチームが出るまで決勝戦見ないと心に決めたのでした。2017年のチームで、優勝したかったという気持ちは今でもあります。
見ていて全試合苦しかったですけど、1番苦しかったのはやっぱり初戦でしょうか。伏木海陸運送もいいチームでしたし、優勝候補が立て続けに消えていて、嫌な雰囲気でした。決勝だけは都市対抗予選と同じで「負けられない」と私は思っていました。
今回の都市対抗ではビデオ判定制度が入りました。すごく良かったと思います。社会人野球では二塁盗塁と一塁のアウトセーフ判定が非常にルーズな印象で、「セーフなのにアウト」を何度も見せられてきたので、覆るシーンは感動的ですらありました。これは、選手権でも続けてもらいたい。JABAには厳しいことも言っていますが、これは英断ですし、ファインプレーだと思いました。
審判をやったことがある人はわかると思いますが、2時間以上ボケっと突っ立って、突然際どいプレーがやってくるわけです。集中力が切れている場合もはっきり言ってあります。あと、迷ったら嘘でもアウトかセーフか言わなければいけません。昔、プロ野球で見てなかったのに判定をして炎上した審判がいましたけど、あれは仕方がない部分もあります。ともかく、「間違ったら訂正できる制度」は絶対に必要ですし、審判不足にも一石投じるのではないかと。
甲子園大会で誤審が目立っていることについて「審判をリスペクトしていれば誤審も許容できる」という書き込みを目にしました。審判側の論理でしょうが、プレーヤー側からみて「誤審で台無しにされる」ことほど怒りを感じることはないです。私も経験があります。審判へのリスペクトと誤審は別問題。「ビデオで際どい判定を検証する」ことがなぜリスペクトしていないということになるのか、ちょっとわかりません。今はサッカーやラグビーなど、世界規模のスポーツでほぼ必ずVAR判定が用意されています。
逆に言えば今の制度は誤審の全責任を審判に押し付けているということにもなる。これでは「審判をやりたくない」と思うのは当然です。実際、ネットで名前を特定されて、執拗に叩かれたりしますし。高校野球はNHKが全試合中継するわけだし、ビデオ判定はできるはずです。
大会前「優勝できる力はある、あとは運」なんて偉そうにいいましたけど。
やっぱり運もあったかな、と思います。もちろん運も実力のうちですけど。まぐれだろうが運だろうが、「都市対抗に優勝した」というのは本当に大きい。もちろん、運やまぐれではなく、綿密な準備と計画、選手のみなさんが力を発揮してくれたからこそだと思います。
三菱重工以外で印象に残ったチームは・・。ますは三菱重工Westですね。大阪ガスの補強組が入って、トヨタを倒した。JR東北に勝利していれば、決勝で三菱重工対決もあったかと。
もう1チームは伏木海陸運送でした。投手陣と鍛えられた守備陣。西納投手も良かったです。あと、NTT東日本を倒した北海道ガスも素晴らしかったですね。
都市対抗予選も本線も良いことばかりではないです。むしろ敗退の確率のほうが高いわけですから。感動的な優勝を見せてくれて、ありがとうといいたいです。今後はまた、じゃまにならないように見ていたいと思います。