当社ファンドのリスクにつきまして
当社、クラウドクレジット株式会社は、海外案件に特化した貸付型クラウドファンディング(「ソーシャルレンディング」とも呼ばれます)・サービスを展開しています。当社の提供しているファンドは、成長国の成長企業へ投資を行うことにより高利回りが期待できる点、経済的リターンだけでなく社会的リターン(社会貢献)との両立を実現する「社会的インパクト投資(※1)」へ積極的に取り組んでいる点から、日本国内にいらっしゃる多数の投資家の皆様にご愛顧いただいております。
※1 当社の社会的インパクト投資への取組みについては以下もあわせてご参照ください。
その一方で、当社ファンドはたとえば銀行預金のように元本保証の金融商品ではなく、元本割れのおそれがある一定以上のリスクを伴う金融商品です。そこで今回は、当社ファンドのリスクにつきまして、その種類とご注意いただきたい点についてお伝えしてまいります。当社ファンドのリスクをしっかりと把握していただいた上で、投資家の皆様各々が資産形成や資産運用を行うにあたって当社ファンドをより一層有意義にご活用いただければ幸いです。
1. 当社ファンド、3つのリスク
当社ファンドのリスクは大きく分けると(※2)為替変動リスク、信用リスク、流動性リスクの3つになります。
※2 本稿では当社ファンドに共通するリスクについて解説するため、便宜的に上記の区分けを行っております。ファンドごとのリスクにつきまして詳細は、当社ホームページ上に掲載している法定書面「契約締結前交付書面」をご購入前に必ずご確認ください。
① 為替変動リスク
当社では、日本円建てのファンドも取り扱っていますが、米ドルやユーロといった先進国通貨から、ブラジルレアルやロシアルーブルなどの新興国通貨まで、幅広く外貨建てのファンドを取り扱っています。
為替変動リスクとは、こうした外貨建てのファンドをご購入いただいた場合、購入時と償還時の対円の為替レートが変動することにより損益が生じること、とくに円高に振れると損失を被るおそれがあることを表します。
② 信用リスク
当社は、貸付型クラウドファンディング(融資型クラウドファンディング、ソーシャルレンディングとも呼ばれます)の仕組みを活用してファンドを組成しており、ファンドごとに実質的な貸付先(海外資金需要者)が存在します。
信用リスクとは、ファンドごとの実質的な貸付先(海外資金需要者)が財政難や経営不振など不測の事態に陥ることにより、利払いや元本の返済が延滞や停止する債務不履行(デフォルト)が生じるおそれがあることを表します。
③ 流動性リスク
当社ファンドの運用期間はファンドごとに異なりますが、概ね1~2年程度(約半年、約2年半とこれより短いあるいは長い運用期間のファンドもございます)となっています。
流動性リスクとは、売りたい時に売ることができないおそれがあることを表します。当社ファンドの場合、現時点でファンドの貸付債権を売買する流通市場がないため、お客さまから任意に中途解約する(現金化する)ことはできない仕組みとさせていただいております。
2. 時系列で見る3つのリスク
それでは投資家の皆様が当社ファンドをご購入いただいた場合、購入から償還までの運用期間中、時系列で見るとどういった流れでリスクが生じているといえるのでしょうか。
上図にあるようにまとめるとシンプルです。信用リスクと流動性リスクは運用期間中、ずっとかかり続けている状態です。また、為替変動リスクも運用期間中、随時、対円の為替レートが変動しているとの見方からすれば、ずっとかかり続けていると考えていただいても良いかと思います。しかし、先ほどお伝えしたように当社ファンドは貸付債権の流通市場がなく、中途解約することができませんので、償還時の為替レートが購入時と比較して円安と円高、どちらに振れているかによって為替による損益が決まることになり、実際の為替変動リスクは購入時と償還時の2点ということになります。
3. 実際の償還事例から当社ファンドのリスクを考える
ここでは既に償還したファンドの中から【ロシアルーブル建て】マイクロローン事業者ファンド37号(以下「37号ファンド」)と【ロシアルーブル建て】マイクロローン事業者ファンド38号(以下「38号ファンド」)を比較することで当社ファンドのリスクについて考えていきます。
注:上図は当社HP上に掲載している各ファンドの満期時運用レポート( 37号ファンド: https://crowdcredit.jp/operation/entry/604/7 38号ファンド: https://crowdcredit.jp/operation/entry/605/7 )に基づいて作成しております。
上図にあるように、どちらのファンドも貸付先(海外資金需要者)は「IDF Holding Limited」、運用期間中は「中途解約不可」ですので、信用リスクと流動性リスクは同様です。また、どちらのファンドもロシアルーブル建てであり、ロシアルーブル円の為替変動リスクがある点も同様になります。
しかし、実現利回り(年率/税引前)を比較すると、37号ファンドは▲0.2%と円建てで元本割れが生じた一方、38号ファンドは6.4%と表面利回り(年率/税引前)8.7%には及ばないものの円建てでプラスの運用成果で終えました。
どちらのファンドも償還時のロシアルーブル円の為替レートは1.6039円/ルーブルで共通しています。また、購入時のロシアルーブル円の為替レートがどちらも償還時より高かった(ロシアルーブル高円安)ため、実現利回り(年率/税引前)は表面利回り(年率/税引前)を下回りました。
ただ、購入時のロシアルーブル円の為替レートが、38号ファンドが1.6409円だった一方、37号ファンドは1.7673円/ルーブルとより高かったために、償還時により為替差損を被った37号ファンドが円建てで元本割れする一方、38号ファンドは円建てでプラスの運用成果で終えることになったのです。
このように為替変動リスクは同じ通貨であっても、購入時と償還時の為替レートが異なれば、運用成果に大きな差異をもたらす可能性がある点には注意が必要です。
4. 投資格言「卵は一つのカゴに盛るな」の意味
「卵は一つのカゴに盛るな」と古くから伝えられる投資格言があります。これは「卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした時に全部割れてしまう可能性があるため、複数のカゴに盛ることで、一つのカゴを落としても他のカゴの卵を守ることができる」ということです。つまり、リスク分散、分散投資の重要性を意味しています。
先ほどの事例では、貸付先(海外資金需要者)であるIDF Holding Limitedが信用リスクに係る債務不履行(デフォルト)に陥ることなく、貸付通貨のロシアルーブル建てで予定通りの元利金の返済があり、あくまでも為替変動リスクに係る償還時のロシアルーブル円の為替レートが購入時と比較してロシアルーブル安円高に振れたことによる円建てでの利回り低下、元本割れでした。
しかしながら、貸付先(海外資金需要者)によっては、信用リスクに係る債務不履行(デフォルト)に陥り、利払いや元本返済を延滞や停止してしまうケースも残念ながらあります。為替変動リスクもそうですが、この信用リスクを軽減するためには、「卵を一つのカゴに盛るな」、リスク分散、分散投資の徹底(※3)が欠かせません。
※3 分散投資の徹底については以下もあわせてご参照ください。
また、当社では投資家の皆様へ情報発信を重ねていくだけではなく、2020年1月15日より、機能を通して分散投資をより身近に感じていただけるよう「ファンドパッケージ機能(※4)」を新設しております。こちらもご活用いただきつつ、他の資産とのバランスを考慮しながら、投資家の皆様それぞれの最適なポートフォリオの構築を目指していただければ幸いです。
※4 分散投資をより身近に感じていただくための「ファンドパッケージ機能」については以下もあわせてご参照ください。
◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
詳しくは、匿名組合契約書や契約締結前交付書面等をよくお読みください。
クラウドクレジット株式会社
第二種金融商品取引業:関東財務局長(金商)第2809号
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