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狂おしいほど美しいアンの言葉⑦―――大嫌い。大嫌い。大嫌い​​。

“I hate you,” she cried in a choked voice, stamping her foot on the floor. “I hate you⁠—I hate you⁠—I hate you⁠—” a louder stamp with each assertion of hatred.  
      (L. M. Montgomery. Anne of Green Gables. Standard Ebooks.)

「あなたなんか大嫌い」
 彼女は床を足で踏み鳴らし、声を詰まらせながら叫んだ。
「あなたなんか大嫌い。大嫌い。大嫌い​​。」
 床を踏み鳴らす音がだんだんと、その憎しみの表明ごとに大きくなった。


〈アンの狂美ポイント〉
無礼な者には、たとえ相手が近所の大人でも「大嫌い」と足踏みしながら3回連続で言う


〈この言葉の背景〉
孤児のアンを引き取ることにしたマリラとマシュー。そのことを知った隣人のレイチェル夫人が訪ねてくる。彼女は、アンを見るなり、器量の悪さや痩せた体、顔のそばかすを指摘する。そして、アンがもっとも気にしている髪の毛の色についても口を出した。レイチェル夫人が「ニンジンみたいな赤毛じゃないか」という言葉を吐いたとき、アンの怒りが爆発。そして上記の言葉を発する。


〈周辺の原文〉
“She’s terrible skinny and homely, Marilla. Come here, child, and let me have a look at you. Lawful heart, did any one ever see such freckles? And hair as red as carrots! Come here, child, I say.”
Anne “came there,” but not exactly as Mrs. Rachel expected. With one bound she crossed the kitchen floor and stood before Mrs. Rachel, her face scarlet with anger, her lips quivering, and her whole slender form trembling from head to foot.
“I hate you,” she cried in a choked voice, stamping her foot on the floor. “I hate you⁠—I hate you⁠—I hate you⁠—” a louder stamp with each assertion of hatred. 
      (L. M. Montgomery. Anne of Green Gables. Standard Ebooks.)

「マリラ、この子はひどくやせているじゃないか。それに不器量だね。さぁこっちに来て、あんたをよく見させておくれ。こんなひどいそばかすは見たことがないよ。それに髪の毛がニンジンみたいな赤色だ。ちょっと、こっちにおいでって言ったんだよ」
 アンは確かに「やって来た」が、それはレイチェル夫人の期待したような身のこなしではなかった。アンは一気にキッチンを横切り、レイチェル夫人の前に突っ立った。
 そこにあった顔は怒りで真っ赤に燃えていた。唇も細い体も、怒りで頭から足まで震えていた。
「あなたなんか大嫌い」
彼女は床を足で踏み鳴らし、声を詰まらせながら叫んだ。
「あなたなんか大嫌い!大嫌い!!大嫌い​​!!!」
アンの床を踏み鳴らす音が、その憎しみの表明ごとにどんどん大きくなった。

『赤毛のアン』の物語の舞台となったプリンスエドワード島ではなくて、鎌倉の海です

〈おことわり〉
原文の翻訳は編集部員によるものなので不正確かもしれません。
正しい訳は邦訳の出版物をご参照ください。


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