ジョーカーフォリ・ア・ドゥは駄作ではない！

前評判がとてもひどかったけど
2作目とても楽しみにしてました。
観に行って、帰って、考察して、
そして監督の意図がインタビューか何かで書いてあって
完全に全て合点が行きました。

とくにレビュー書くつもりもなかったけど
あまりにもいい意味で皆が監督に騙されて
低評価してるものだから、ネタバレをここに
書いときます。
あぁ！そうか！と思っていただけたら幸いです。

本編見てない人は読まないように！

ジョーカー死んじゃったじゃん！？おわり?え？
ってなったのは私だけじゃないはず

まず大前提としてアーサーは
ジョーカーの生みの親であり、
ジョーカーは何代も継いでいかれるものです。
だから最後アーサーはジョーカーになれなくなって
次の代のジョーカーに殺された。
最後アーサーの目から生気が消える頃
ぼやけた背景に映るアーサーを刺した男が
笑いながら自分の口角を左右切ったのに
気づいた人はいるでしょうか？
彼が次のジョーカーです。

ハーレイ・クインが急に冷たくなった理由

終盤急に冷たくなったハーレイ・クインは
アーサーではなくジョーカーに恋してた。
だからどんどんジョーカーじゃなくなってきた
アーサーに愛想を尽かしたんです。
そして、それはハーレイ・クインだけじゃなくて
ジョーカーを祭り上げてた人全員。
この映画を観ていたあなたたちも含めてです。
アーサーがぼくはジョーカーじゃないと言ったとき
部屋から退出して行った彼らと同じように
気持ちが冷めたのではないですか？

監督の意図

これら2点は監督が意図して
映画に組み込んでたみたいです。
すごいですよね。
後ろでなんか切ってるのは分かったんですが…
口角だったか。
しかもジョーカーは受け継いでいくものだったのか。
アーサーへの失望も、観客含めとは、
恐れ入りました。

私の個人的考察

ただ、私の視点が皆とズレていて、
ここからは私の考察になっちゃうので
みたい人だけ見ていただけたら。
前作ジョーカーが大好きな方は特に今回の2作目に
ほとんどの方ががっかりしてました。
うちの旦那も、ミュージカルなんてせず
裁判官もみんなどんどんジョーカーらしく
殺戮してほしかった、ジョーカーが見たかった
ぼくはジョーカーじゃないのシーンではほんとに
退出する人たちと同じ気持ちだった、
と言ってました。

でも私は前作も今作もただただ
アーサーが不憫で可哀想で哀れで
どうしようもない状況なのが見ていて辛かった。
ぼくはジョーカーじゃないのシーンも
ガッカリどころか泣いてましたソコ。
ですから、前作のラストで
ジョーカーウェェェェイ！ともならなかったし、
今作も可哀想で可哀想で最後泣いてしまった。
ジョーカーに対しても熱狂のね文字もなかった。
マレー撃ったときは
うわぁぁぁやってもーたぁぁでした。
途中、
君だけが僕を笑わなかったと言われたアーサーの顔
僕はジョーカーじゃないと言ったアーサーの顔
なぜこんな目に合うのか
そもそも母親のせいだし父親のせいだし
虐待のせいだし障害のせいだし社会のせい
本当に何重苦なのか、見てる方が辛い。

ジョーカーが好きな人、アーサーが可哀想な人

なぜジョーカーに魅せられる人と
ジョーカー(アーサー)を可哀想と思う人に分かれるのか

恐らくですがジョーカーに魅せられる、
ジョーカーを好きになる人は
本当の意味でアーサーと同じ土俵に立ってない。
地獄を見ていない。

ジョーカー、アーサーを可哀想に思う人
みてて辛い人は地獄を見たことがある。
すなわち極貧育ち、生活保護育ち、障害、毒親、
壮絶ないじめ、などなど
親や社会や人間、他人に恨みを持っているなど
なんらかのこのような要素を
持っているんじゃないかと思います。
個人的に私は極貧生活保護でした。
だから、
もちろんアーサーほどの苦労は味わってないけど
アーサーの気持ちが痛いほどわかる。
やりようのない怒りもわかる。
辛さ、悲しさがわかる。

監督からのメッセージ

だから、これは
前作ジョーカーに熱狂した
上っ面しか見ていないファンたちへ
ジョーカーなら中身が誰でも、
バックボーンがなんでも
どうでも良いんだろ？
という監督からの最高に皮肉の効いた
終わりだったんです。

ミュージカルはそれを巧妙に隠して
あえてファンに駄作と思わせたままにする、
ある意味最高にブラックなジョークだったんです。

私はそれも踏まえて最高に面白いと思いましたね。
どうせなら思いっきり振り回される側に
行きたかったんですが…

一つ面白いジョークを思いついたから聞いてくれる？

ノック・ノック
だれだい？
ジョーカーだよ
ジョーカーってだれ？
だれでもなれる道化師さ