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Z世代とAIネイティブの世界を学ぶ📖
都知事選5位だったことで話題になった安野貴博氏の先月出版されたAI起業女子物語『松岡まどか起業します―AIスタートアップ戦記』。野心家の若い女子の奮闘記と捉えてしまうのは勿体ない。もはや就職が関心の中心ではなくなったり、起業は選択肢になくなっているアラフォー以上の世代にとっても、AIの急激な進化から世の中の意識がかわってゆく社会の変革期に学べるものが多いテキストだと感じたので、若干のシェアしたいと思います。
要は、主人公22歳は、就職活動中に騙され、起業せざる得なくなりました。そこでお得意のAIを活用しながら奮闘しますという話です。
1章はこちらから無料で読めます👇
アマゾンのコメントみても、20代~アラサーくらいのまさにZ世代は夢中になって読んでいるという印象でした。就職活動して社会に出たばかりだったり、転職してこれからの自分の生き方や職業観を考え直したいなんて時期なので、年も近いと共感して熱くなれるところもあるのでしょう。
なので、少し年の離れた自分は正直全く期待せず読みました。いつも選ぶ本と違うタイプのものを読んでみた、というノリです。ところが、読み始めたら・・・モチーフが単なる「若者が起業しました、成功に向けて奮闘中」という想定できるようなものを超えて広がり感じと深みがあって結構面白かったのです。AI×社会の変化×個人の意識への影響に関するところが大きいというか。簡単に箇条書きすると、
●AIネイティブな若者の公私生活ってこんな感じ?が学べる
●Z世代の世界観の一端がみえる
●AIを育てる、そのためにデータを蓄積させるイメージがわく
●AIと精神性は連動する?
●意識の次元の話!?
●AIの登場で「死の定義」が変わりゆく…
●怒りからの許し、分離からの統合
●使命と情熱について
小説ならでは。急激な進化をとげるAIと人々の暮らしのイメージが素人でもつきやすいです。スマホネイティブ、SNSネイティブどころか、AIネイティブな主人公の暮らしや感覚が垣間見られて斬新。また、AIが社会や人々の意識にもたらす影響もよく描かれています。それに、ストーリーとして、飽きずに最後まで読めます。業界の人から見るとAIで現在できることできないこと等詳細は異なるかもしれませんが、素人としてはざっくり世界観のイメージがつけばいいわけです。そういう意味で上手に描かれているな、という印象。
たしかに、著者がZ世代だけあって、感覚がフレッシュだなぁ…と思うところはあるのです。でも、だからこそ、斬新に切り込めた部分もあるのでしょうね。
今は、AI面接官を選考の初期段階で導入している企業も増えていて大学生の就活で必須になりつつあるようです。AIの進化浸透はすごいですね。この流れは止まらないでしょうしね。自分の時代の就職活動では想像もできない世界です。
◇質問は50以上、7つの資質を評価
(略)サービスを提供するタレントアンドアセスメント(東京都港区)は、過去の経験に関する「状況」「課題」「行動」「結果」を尋ね、受験者の資質を客観的に評価する手法を開発。SHaiNに搭載されたAIは、その手法を用いて専門の評価スタッフが採点した、性別などの個人情報が含まれない約4万件のデータを学習しており、受験者の回答を分析することで「バイタリティ」「計画力」といった7項目の資質を1.0~10.0で評価する。受験後約15分で、評価リポートや面接動画、回答全文が企業に提供される仕組みだ。 2024年6月末時点で585社が導入している。
凄い時代になってきました。今はプロンプトを入れるだけで、キレイで違和感のない動画も簡単に作れてしまう生成AIもあり、何が本当で、何がウソなのかもわからなくなってきています。そんな中をどう生きるのかが、人間側の課題ですね。そんな時代の、ヒントが得られたり、心の準備ができる本のひとつかもしれないと感じました。
【追記】:
生成AIの進展は早すぎます。すでに中国では生成AI面接官”CGキャラクターのドリス”が入社面接で既に活躍中なのだそうです(2024/8/17ANNニュースABEMANews)。これが日本に入ってくるのもあっという間でしょうね。
・既に精度は人間と比較して9割一致
・採用にかかるコストは5分の1以下
・場所の制約がないのでキャンセルが減り受験率が上がる
・導入企業1000社超え
ただまぁ、画面に向かって発声して点数がつくのは…まるでカラオケの採点みたいな感じですね。