導入レポート(海外)その2: Mark Andy社の最新フレキソナローウェブ印刷機「Evolutionシリーズ」モデルE3
世界中で多くの導入実績を積み重ねているMark Andy社(米国)のナローウェブフレキソ印刷機。同社のホームページではその導入事例の一部が公開されています。それらの導入レポートをご紹介している本シリーズ第2回目の今回は、「Evolutionシリーズ」のモデルE3を導入したワルシャワ(ポーランド)のラベル・パッケージング印刷会社FANO(ファノ)社の記事(2021年11月24日公表)をご紹介致します。
ーーーー以下導入レポート記事ーーーー
ワルシャワの印刷会社FANO社が再びMark Andy社のフレキソ印刷技術に投資
この9月、FANO社は新たにEvolutionシリーズモデルE3を導入して自社の印刷設備資産を拡張しました。ウェブ幅13インチのこのフレキソ印刷機は、ワルシャワ(ポーランド)を拠点とする印刷会社が購入したMark Andy社の最新ソリューションです。8つの印刷ユニット、コールド箔、ダイカットユニット、UV乾燥ユニットを備え、主に高度に加工される粘着ラベルの印刷に使用される予定です。一方この新たな投資により、FANO社が既に所有しているMark Andy社の他の2台の印刷機、PerformanceシリーズのモデルP5は、ラミネートした小袋(サシェ)やシュリンクスリーブの製造により集中することができるようになりました。
FANO社の35年
FANO社は、1986年にヤヌシュ・ヤシノビッチ氏によって設立された家族経営の会社です。現在は、彼の息子であるボレスワフ氏が経営しています。設立当初は、枚葉オフセット印刷の多品種生産から始まりました。「このことは、初期に製造したさまざまな製品の頭文字から取られた当社の社名に今も残っています」と、同社の副社長、ボレスワフ・ヤシノビッチ氏は言います。「数年後に最初のフレキソ印刷機を購入してから開始したラベル製造により、当社にとって全く新しい時代が始まりました。それ以降、粘着ラベルを始めとしてラベル製造は長年にわたって当社の中心となってきました。その間私たちはMark Andy社の印刷機等によって、常に設備の拡張と近代化を行ってきました。HDフレキソ技術で印刷され、高度に加工された気品のある製品など、新しいタイプのラインナップを提供し続けています」。
FANO社のオーナー、ボレスワフ・ヤシノビッチ氏、今回導入したMark Andy社の新しい印刷機E3とともに
もう一度Mark Andy社の印刷機を
現在、FANO社の印刷部門は3台のMark Andy社の印刷機がベースになっています。まず2013年に、ウェブ幅17インチ、10個の印刷ユニット、コールド箔ユニット、ラミネーションユニット、スクリーン印刷ユニット、QCDCダイカットユニット、コロナユニットを搭載したPerformanceシリーズP5を導入しました。その5年後、8つの印刷ユニット、ダイカットユニット、コロナユニットを備えた2台目のP5印刷機を導入。どちらの印刷機にも、冷却シリンダー、事前・自動見当機能、UV乾燥ユニット、インライン検査システムが装備されています。「両機とも、導入は自社製品比率の変化がきっかけです」とボレスワフ・ヤシノビッチ氏は続けます。「粘着ラベルの市場が変化し、この分野の収益性が低下しているため、製品の多様化は避けられないことでした。P5印刷機は、高度に加工された粘着ラベルの生産を可能にし、さらに、ラミネート加工をした小袋やシュリンクスリーブなど、まったく新しい製品を提供することも可能にしました」。
変化する粘着ラベル市場に対応する革新的な印刷機
そして今年9月に導入されたMark Andy社のEvolutionシリーズモデルE3は、13インチ幅のウェブに対応し、6つの印刷ユニット(ProUV搭載)、箔反転システム、コールド箔ユニット、ダイカットユニット、事前・自動見当機能を装備しています。「ブランドオーナーや消費者のニーズの変化に対応できるような印刷機構成にしたかったのです」とボレスワフ・ヤシノビッチ氏は語ります。「私たちはよく、経験の浅いコンバーターには難しいような、非常に困難なプロジェクトをお客様との協力の中で引き受けることがあります。多様な装飾加工や仕上げ加工など、高度で先進的なラベルを求める中堅・大手の顧客と協力してきました。そのため、今回導入したEvolutionシリーズE3を含む過去10年間に購入したMark Andy社の3台の印刷機には、数多くのオプションが装備されており、当社が得意とする非常に意欲的で厳しい注文に対応できるようになっています」。
新しい印刷機で、より大きな生産能力を
新しい印刷機E3の導入に成功した後、元々所有していた2台のPerformanceシリーズP5印刷機は、ラミネートとシュリンクスリーブの生産に振り向けられました。「今ではより速く生産し、お客様に短納期で製品を提供できるようになりました」とボレスワフ・ヤシノビッチ氏は言います。「一方、印刷機の新規導入は生産能力の拡大を意味しますが、当然それを印刷ジョブで満たす必要があります。そこで私たちはポーランド以外の国への販売活動も加速させています。特筆すべきは、輸出が売上高の10分の1以上を占めていることで、この数字は今も増え続けています。新規のお客様を開拓する場合、私たち直接的な行動を行います。例えば、毎年パッケージングやラベル市場に特化した見本市(例えば、今年のPackaging Innovations展にブースを出展しました)や、お客様の業界に特化した見本市(例えば、化粧品やスピリッツ関連のイベント)に参加するようにしています。2022年もこの方向で進めていきます。来年は見本市業界が正常な状態に戻っていることを期待しています」。
FANO社とMark Andy社 - 20年以上にわたる共同作業
Mark Andy社の取締役副社長のトム・カヴァルコ氏は、「私たちはMark Andyブランドを20年以上にわたってFANO社に提供し続けています」と強調します。「メーカーとしてもベンダーとしても、これは大きな責任であるとともに信頼の証でもあります。特に歴代の印刷機が非常に幅広い構成と数多くの追加オプションを提供していることを考えると、なおさらです。また当社のブランドと密接な関係を持ちながら、直接コンタクトをとってくれるFANO社とその経営陣には感謝しています。それによって、市場環境の変化を考慮しながら、印刷会社の現在のニーズに合った製品を私たちは提供することができるのですから」。ボレスワフ・ヤシノビッチ氏は「Mark Andy社から次々と印刷機を購入することからもわかるとおり、同社との長期的な協力関係はしっかりと確立されています」と述べています。「装置は高い品質と性能を備えています。私たちは印刷機の操作方法を完全に理解していますし、Mark Andy社の現地部門が提供するアフターサービスもよく知っています。私たちは、粘着ラベルに特化した新しい印刷機を検討する際に、これらすべての側面を考慮しました。その結果、最終的にEvolutionシリーズE3に決定しました。この機械が私たちのさらなる発展のための重要な要因になることを期待しています。」
新年、新たに本社を移転
ボレスワフ・ヤシノビッチ氏は、2022年に本社を移転する予定であることを公表しました。「常に新しい設備に投資している当社にとって、現在の場所は手狭になったのです」と彼は言います。「また、50人いる従業員にも、より良い労働環境を提供したい。そこで製造拠点の建物はBREAM認証に基づいて建設される予定です。この建物は、私たちが日常業務で優先的に取り組んでいるサステナビリティ(持続可能性)政策のさまざまな分野を考慮したものとなります。印刷機から出る熱を回収するシステム、水回りの設備、太陽光発電設備などを導入する予定です。新本社が、私たちの日々の活動で推進しようとしているイノベーションとエコロジーの側面を表現するものになることを願っています」と述べています。
ーーここまでーーーーーー
(※文中強調は筆者)
以上、いかがでしたでしょうか。
上記の導入レポートからは以下のことが窺えます。
1.今回のEvolutionシリーズE3の導入の遠因にラベル市場の変化があった。会社設立数年後にラベル製造を開始してから売り上げを伸ばしていく中で、ラベル市場での利益率が下がってきた。ラベルはより多様化し、ニーズも多様化する中で、先進的なラベルを製造することで利益率を確保する計画があり、まずはMark Andy社のPerformanceシリーズP5を2台購入したようです。PerformanceシリーズはMark Andy社のハイエンドモデルでEvolutionシリーズの上位機種です。これらにより、高度に加工されたラベルを製造しつつ、さらにP5では小袋やシュリンクスリーブという新しい領域にも進出することができた。
2.小袋やシュリンクスリーブを製造できるという能力を最大限に生かすため、またラベルの生産能力を上げるために今回E3が新たに導入された。E3は高度なラベルが製造できるだけでなく、生産能力も拡大させることができる。E3により、2台のP5が生産していたラベル生産をE3が受け持ち、小袋やシュリンクスリーブをP5が注力する体制を築いた。
3.国際展示会を利用し、国内外問わず今後、拡大されたラベル生産能力と小袋やシュリンクスリーブといった新しい領域での新規顧客の開拓を積極的に行っていく。
Evolutionシリーズは拡張性にすぐれたMark Andy社のエントリーモデルです。既存顧客のニーズを満たしながら、新しいビジネスを開拓するための多様なオプションが初期投資を抑えながら利用することができます。
その中でも今回のモデルE3はさらに初期費用を抑え、ラベル生産に特化した最新のナローウェブフレキソ印刷機です。
今後のFANO社のビジネス拡大に期待が高まります。
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導入レポートの引用元URL:MarkAndy社ホームページ
FANO社のホームページ:ポーランド語ですが、多様なラベルやシュリンクスリーブなどのラインナップの写真を見ることができます。
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弊社ではMark Andy社の印刷機を取り扱っております。ご質問等ございましたらお気軽にご連絡ください。
弊社ホームページ:Evolutionシリーズ
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