DPV （Digital Plus Variable) ーEvolutionシリーズの拡張オプション
１．はじめに
EvolutionシリーズはMark Andy社のフラッグシップモデルであるPerformanceシリーズの基礎技術を引きつきながら、初期投資を抑えたラベル・フィルム印刷向けのナローウェブフレキソ印刷機です。2019年にリリースされました。様々な拡張オプションを用意することで、多様なラベル・フィルム印刷のニーズに応じて印刷機を構成・拡張することができ、コンバーターのビジネスの発展に伴って「進化（Evolution）」するモデルであることは前回の記事でご紹介致しました。
本稿ではEvolutionシリーズの拡張オプションのひとつである「DPV（Digital Plus Variable）」という可変データ印刷を追加するモジュールをご紹介致します。
２．DPVの特徴
本モジュールDPV（Digital Plus Variable）はMark Andy社のDitial Plusシリーズ（既存の印刷機にデジタル印刷を追加するモジュールシリーズ）のうちのひとつで、Evolutionシリーズを含む既存の印刷機に可変データの単色印刷を追加するインクジェットモジュールです。
主に次のような特徴があります。
１．高いコスト効率
安価、ローリスク、ハイリターンで信頼性の高い製品です。カートリッジ式のシステムに比べてコストを低く抑えることができます。環境温度の影響を最小化するまた内蔵ヒーターと、変更可能な液滴サイズにより、例えばバーコード印刷の可読性を確保。付加価値の高い製品を生産することを可能にします。
２．高速印刷
インクジェット吐出周波数（30～40kHz）と高速データ転送に対応しており、印刷機の速度を落とすことなく、可変データ印刷を行うことができます。解像度は幅方向で600dpi、流れ方向で300～600dpi、印刷速度は最大152.4m／分です。
３．柔軟性
持ち運びが可能なモジュールで、Evolutionシリーズを始めとした印刷機だけでなく、リワインダーなどの加工機にも追加することができます。対応可能なウェブ幅は114mm-508mmで、複数のプリントヘッドを設置することも可能です。また幅広い用途に適しており、ラベル、フォーム、DM、チケット、ゲーム、販促、タグ、医薬品パッケージ等の用途に使用することができます。
４．堅牢性
最小限の数に抑えた可動パーツと信頼性の高いDOD（Drop-on-Demand）技術によって堅牢な設計を実現して、メンテナンス頻度を低減しています。
５．ユーザーフレンドリー
技術レベルに関わらず、実用的で使いやすい設計となっています。自動化されたメンテナンスやサービス機能により可変データ印刷がより簡単に実現できます。
３．インラインで可変データ印刷を行うメリット
可変データ印刷（バリアブル印刷）の市場は拡大傾向にあり、今後この傾向は続くと予想されています。可変データ印刷の担い手の筆頭としてもちろんデジタル印刷機が挙げられますが、フレキソ印刷などデジタル以外の印刷物についても可変データ印刷の要求は増していくと考えらます。
この傾向の要因として、自動車、食品、物流、医薬品など、様々な分野で進みつつあるオートメーションで活用されるバーコードやQRコードなどのナンバリング、地域ごとに異なった印刷を行うリージョニング（regioning）、ユーザーごとに異なった印刷を行う個別化（personalization）への要求などがあります。コンバーターにとってこうした可変データ印刷は製品に付加価値を付けられる有効な手段のひとつとして期待されています。
Evolutionシリーズの拡張オプション「DPV」モジュールによってこれらの可変データ印刷をインラインで行えるようになるということは、これまで受注できなかった仕事を引き受けてビジネスを拡大することができるというメリットだけでなく、別工程で可変データ印刷を行っていた場合には付加価値の高い製品をより短い納期で製造することができるようになるというメリットもあります。
初期投資を抑え、拡張性に優れた「Evolutionシリーズ」の、高効率な拡張オプションのひとつです。
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「DPV」に関するお問い合わせ先
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