見出し画像

53歳の新入社員

新入社員といっても、当然、新卒社員じゃありませんけどね、およそ四半世紀ぶりに正社員になりました。

協調性がなく、組織で働くことが得意ではない上に、通勤するのが辛いのでどこかの会社に勤務する、というのは、もう私にはできないし縁のない話と私も、家族もそう思っておりました。

が、先月10月1日から兼ねてからお付き合いのありましたスタートアップ企業株式会社Gigiで正社員として働かせていただいております。

と言うわけで、53歳の新入社員です。

組織で働くことがあまり向いていない私が、目標に向けて取り組んでいたにも関わらずどうしてこの歳にして正社員の道を選んだのか?

それは大きく考えを変えるような出来事があったから。

きっかけは母の健康問題

わが家の2024年は母の異変から始まりました。

入院、コロナ罹患、転院、引き取り要請、入院、転院、手術、手術、転院、施設入所と、ゴールデンウィークまで電話がなるたびにドキドキしたり、ヤキモキしたりする日々を過ごしていました。

母の容態がひと息ついた頃、私が右足を骨折。

入院、手術、退院、リハビリと完治までに3ヶ月の月日が経ちました。

10代の頃から何度も入院や手術をしていたこともあり、50代こそは入院することなく健康に過ごそうと固く誓っていましたが、なんのことはない、そんな目標は脆くも崩れ、7年ぶりの入院、手術となりました。そして、数ヶ月後に抜釘手術のため入院が控えています。

今回の骨折は、心も完全に折れました。

予兆はあったものの、さすがにこれは、立ち止まって考えろって言われているように思われ、しばらく立ち直ることができませんでした。

というのも、数年前からプロダクトの開発やサービスの提供に向けて取り組んでいたものの、先の見通しが立たない、核となるモノを生み出すには少なくともまだまだ月日が必要だと感じていました。やるべきことは山ほどあっても、このままではメンタルはもちろん経済的にも持たない、であるならば、別の選択肢を、と”外で働くこと”を考えるようになっていきました。

大好きなコールセンターで働く?
活気のある飲食店でバイトする?
プロダクトと関連する業界で働く?
FPの資格と経験を活かして働く?

第三の選択肢

なんてことを考えていたとき、たまたまGigiの方々と話す機会があり、他の選択肢が自分の中に芽生えたんです。

社会に出て30年以上にもなるのでプレイヤーとしての経験はそれなりに積んできた自負はあります。今また、同じようにプレイヤーとしての経験を積んだところで、新しい事業にとっては十分な経験ではないと判断しました。

そこで、勇気を出して、働かせてもらいたい、働くことで学びたい、という考えを伝え、大変有り難いことに、私の状況を理解した上で、それを受け入れて頂きました。

53歳の新入社員、爆誕!

まだ、1ヶ月ではありますが、いや、もう、サイコーです。

25年ぶりですから、会社員の常識も組織の常識もあれもこれもアップデートの連続です。

分からないなりに、一つ一つの業務に取り組んでいます。一人でやってきたこれまでと違い、チームで事業を作り、世の中にサービスを届け、お金が循環していく全体を肌で感じる日々です。

私が見たい、作りたいと思っているモノの原型がここにありました。

私はこういうモノを作り上げていくんだなと、極めて当たり前のことですが、正社員として勤務していた期間は10年も満たず、チームでモノやサービスを作り世に出すという経験はほとんどありません。あくまでも個人のプレイヤーとして経験が積み上がるという働き方。

高卒で経営について学んだこともなく、極めて凡人にも関わらず、実現したい、どうしても解決したいというエンディング業界の課題があり、スタートアップの道を進もうとしていたけれど、それをするための知識も経験も仲間もどれも全く足りてなかったことを身をもって知ることができた1ヶ月でした。

事業を作って世に出す、いわゆるBizDevの部分を学ばせていただくということでしたが、それ以前に色々知らなさすぎた自分を知ることができた1ヶ月でした。

これまでに何度となくアクセラレーションプログラムに参加し、昨年は半年かけてG's ACADEMYでプログラミンも学びましたが、私が世に出したいと思っているプロダクトを事業として成立するカタチにする、つまり多くの人に届いて利用してもらうために必要な大きな一つのピースが何なのか見えてきた感じです。

50代からのキャリアと人生設計

53歳と言えば、そろそろ定年後のことを考える年齢です。子どもに手はかからなくても最もお金がかかり、親の介護も始まるような年齢です。親も自分も人生のエンディングに向けて歩みを進めていることを強く実感するのが50代です。私も50歳の誕生日を迎えて以来、肉体的な変化も実感し”死”というものが一気に現実味を帯びて感じるようになりました。

それでも、よほどのことがない限り平均寿命くらいは生きるだろうし、死にたくても簡単に死ねないくらい医療は進歩していることも実感しましたし、人生100年時代というのもあながち嘘じゃないんだろうと感じた一年でもあります。

とすると、50歳が人生の折り返し。まだまだ人生の中盤です。

エンディングに向けた生活設計は必要なことです。私が取り組んでいる事業もエンディング産業ですが、年齢を理由に何かを諦める理由にはならないと思っています。

むしろ、65歳定年までに年金では足りない分を補えるだけの収入の柱を今から作りあげましょう、というのはファイナンシャルプランナーとして私が強くお伝えしていることでもあります。

ずいぶん遠回りをしている、時間ばかりかかっていて焦る気持ちがないかと言えば嘘になりますが、あのまま一人で進んだところで道はなかったことは、誰よりも私が分かっていたこと。

別の道を選択したように見えて、53歳の新入社員としてGigiで働く日々は、実現したい目標に向かって歩いていると感じる毎日です。

これまでと同様にPodcast「デジタル生活の歩き方」の配信やデジタル詐欺対策セミナーも継続しています。キャッシュレス講座は少し形を変えて1月から再開予定です。スケジュール次第でセミナーのご依頼も受けています。

本当にこの歳になってめっちゃハードワークな日々ですが、できる時間は限られていることも痛感した一年でもあるので、体調を崩さない程度にハードワークを楽しみたいと思っています。

そんな訳で、noteでこの続きを投稿する日はずいぶん先のことになりそうです。じゃぁ、またね(^_-)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?