クロスグループで仕事する上で理解してほしい事
クロスグループで仕事する上で理解してほしいこと
お店とはスタッフ、お客さん、業者さんと色んな人の集まりです。
今で別々の人生を生きてきてみんなそれぞれの価値観があり、それぞれの目的や夢があります。
それはある意味個性として大切にした方がいいですが、お店を運営する側のスタッフはプロとして同じクオリティのサービスを提供しなければなりません。
その為には仕事に対する意識を共有してグループ全体で同じ理想や目標を持つ事が大切やと思います。
オーナーがどんな思いでクロスグループを作ったのか?、どんな店にしたいのか?、オフィシャルルールはどんな理由で作られたのか?
長くなりますが一度読んでください!
1、どうしてクロスグループを作ったか?
クロスグループの前身となる初代フリークアウトを生野区の巽という所に作ったのは1999年。
当時、車屋をやっていて大きな倉庫を借りて一階が車屋、2階がバーという自分がやりたかった理想のお店を作りました。
しかしよくバーにありがちな自分がやりたいことだけをする趣味の延長で営業してて、商売とはそんなに甘いものではなく最初は赤字続きでした。
そこから内装を変えたりメニューを工夫したりしてなんとかやっていきましたが駅からかなり離れている人通りの少ない店ということや他にも色んな仕事をしていたのであまり時間が取れずよくない状態が続きました。
そしてオープンしてから3年くらい経った時に縁あって枚方でキャバクラを出店することになりました。
このキャバクラが大当たりで1日平均売上50万、1ヶ月1500万、純利益で500万残りました。
当然そっちの方に力を注ぐようになりすぐに2店舗目もオープンしました。
でもキャバクラというのは疑似恋愛、つまり好きでもないお客さんに気があるような事を言ってその気にさせてお金を使わす仕事です。
当時大阪で急成長してたグループのやり手店長を採用したので担当のボーイがキャストをそういう風に教育してたくさんのお客さんをつかみました。
でもその為にトラブルが絶えませんでした。
お客さんを呼ばない、指名がつかないキャストは給料泥棒扱いされ、上がり待機といって接客するまで給料はつきません。
控え室には指名ポイントやドリンクバックの表が大きく張り出されキャストのプライドを刺激させて競わせます。
その為にキャストどおしでお客さんの取り合いのトラブル、お客さんが騙された事に気づいてキャストとトラブル、同業者とキャストを盗った盗られたでトラブル。。
一番辛かったのが地方から大学に入学で出てきたすごく純粋で人に気遣いや感謝の出来るいい子が3カ月位すると人が変わってしまう事でした。
人をだます罪悪感がなくなり、毎日チヤホヤされてプライドも高くなり、ご飯連れていってもらうからご飯いってあげるに変わり、プレゼントをもらっても当たり前、送ってもらって当たり前、口を開くと人の悪口や自分のワガママばかりで、だんだん控え室で話すのが辛くなっていきました。
実業家としてお金が儲かるのは嬉しいけど何か大切な物を失っているようで複雑な心境でした。
そして1年経った時にその大切な物が何か気づきました。
多くのお客さんはキャストに熱をあげ必要以上のお金を使いそのうち借金だらけになり来なくなります。
商売の原則のリピーターの積み重ねが出来ません。
キャストは人としての大切な心、思いやりや感謝の心をなくしてしまいます。
仕事はお金を儲けるだけじゃなくて、人としてスキルアップが出来たり、人に何かを与えて必要としてもらえたり、同じ目標に向かって強力しあう仲間が出来るのが素晴らしい所です。
でも正直一緒に働くキャストを人として尊敬出来なかったし、お客さんもキャストも人としてダメにしてしまう場所を作ってしまったんやと思いました。
やっぱりお客さんには喜んでもらい必要としてもらいずっと長く来てほしいし、スタッフとは尊敬し合える仲間でありたい。
そんな思いから他にも色んなトラブルが重なった事もあり店の経営から手を引くことにしました。
その時に考えついたのが、初代フリークアウトとキャバクラのいいところをとったシステムです。
初代フリークアウトではスタッフが男3人、女3人いてましたがキャッシュオンの500円の店でもやはり女の子の入ってる日の方が売上が高かったので、それなら女の子のバーテンダーだけのお店を作ろうと思って出来たのが布施のクロスでした。
キャバクラの二の舞にならないように、色気を売るのは禁止でお客さん呼ぶのも禁止、ドリンクを要求するのも禁止で、毎日でも来れる価格設定にしました
バーテンダーとしてのお酒の技術や知識、気配りや礼儀作法もちゃんとするようにしました。
それからキャバクラの規制が厳しくなり1時以降の営業が出来なくなり風営法に引っ掛からないガールズバーが出来てキャッチやドリンクの強要、プチボッタクリをして出来ては潰れを繰り返してますがクロスグループはオープン以来たくさんの常連さんに愛されています。
そしてたくさんの素晴らしいスタッフが仕事を通して成長してクロスを卒業しても社会で活躍しています。
たまに会うと「クロスで働けてよかった」「クロスで働いたから今の自分がある」とか嬉しいことを言ってくれます。
常連さんにも「クロスの子は今時の若い子とちょっと違う」と言ってもらったこともあります
利益だけを追求してキャバクラをやっていたら今頃億万長者になってたんじゃないかと思う時もあります。
でも満ち足りない人生になってたと思います。
クロスグループのお店に行くといつもたくさんのお客様とスタッフがほんとに楽しそうな笑顔になっています。
自分の作ったお店がたくさんの人の居場所となりストレス発散出来て、また仕事頑張れる気力が湧いてきて、スタッフはスキルアップ出来てやりがいを感じてくれる。
今はクロスグループを作ってほんまによかったと思ってます。
20才で大阪出てきた頃は仕事全く出来ずに借金まみれでほんとに悲惨な人生送ってた自分が、今こんなにたくさんの人が笑顔になれる場所を作れた事にすごく生きがいを感じてますし、それを実現出来たのは歴代のスタッフのおかげなので感謝しています。
だからこれからもスタッフと一緒にたくさんお店を増やして、幸福度の低い日本に少しでも笑顔を増やしていきたいと思ってます。
2、クロスグループのコンセプト
人が集まれば笑顔が生まれる仲間が出来る
〜心が安らげる居場所を作りたい〜
高校の時ですが友達が次々と中退し学校に気の合う友達が居なくなり一人ぼっちになった事がありました。
家でも家族とうまくいかず自分の居場所がなくなりフラフラと街を歩く日々がありました。
淋しくて辛くて周りがみんな敵に見えていつもイライラしててケンカばかりしてました。
そんな時に唯一心が休める場所だったのが行きつけの喫茶店でした。
自分が行くと笑顔で迎えてくれて、自分の話を聞いてくれてその店にいる間は辛い事を忘れられ楽しい時間が過ごせました。
それから大人になり最初は憧れで始めたバーですが、お客さんと話してると自分の高校の時と同じような人がたくさんいることに気づきました。
家庭にも仕事場にも居場所がない人、仕事の付き合いで飲みに行っても色んなしがらみがあり本音を言えない。
バーはそんな人達がなんのしがらみもなく素の自分で居られる場所なんだと知る事が出来ました。
その喫茶店にお金のない高校生でも毎日行けたのは1ドルコーヒーといってコーヒ1杯100円ちょっとやったからです。
だからうちのお店もサラリーマンでも毎日来れるように1杯500円にしました。
〜笑顔になれて元気が出る場所〜
スタッフや後輩とか周りの人がしんどい思いをしている時は出来る限りの事はしていますが、人間関係の問題で変に立ち入れない事や当事者じゃないとどうしようも出来ない問題もあります。
変に助け過ぎるとその人の為にもならない時もあり、かわいそうやけど力を貸せない時もあります。
でも飲食業の可能性は無限大でそんな人に美味しいものを食べてもらって幸せを感じてもらったり、最高の笑顔と気配りの接客で元気を与える事も出来ます。
感動と勇気を与える事が出来るといえば映画とかありますが、いいストーリーを作ってたくさんの役者さんやスタッフ、才能ある人が莫大な費用と時間をかけなければ出来ません。
飲食店はお店と気持ちのあるスタッフさえいれば、その店に来るお客さんにたくさんの笑顔や元気を与える事が出来ます。
自分自身しんどい時に美味しいもん食べて元気が出たり、真剣に仕事に取り組む飲食店のスタッフ見て自分も頑張ろうと思ったり、バーでいっぱい話聞いてもらってスッキリした事たくさんありました。
今でこそ安泰のクロスグループですが昔ありえない事件に巻き込まれ倒産寸前の時があり、復活する為に毎日必死に立て直していました。
「もうアカンのとちゃうか。。」
そんな気持ちが頭をよぎる時もありました。
そんな時にお客さんに何気なく言われた言葉
「俺クロス寄らんと家帰っても寝られへんねん」
うちのお店を生活の一部にしてくれてる人がいる限り絶対に潰す訳にはいかないと思いました。
今でもこの言葉に支えられています。
飲食店の可能性は無限大です!
3、システムについて
システムや営業ルールの根本はオーナーが昔から色んなバーを飲み歩き、嫌な思いをした事、楽しかった事などの経験からお客さんにとって理想のお店になるように考えて幹部スタッフの話し合いながら作ってきました。
バーに飲みに行くとき初めての入るお店に抱く不安が3つあります。
1.ぼったくりされないか?高い店じゃないか?という料金的な不安
2.常連だけで盛り上がっていて自分が行ったら浮くんじゃないか?という疎外感を感じる不安
3.お酒やフードの味、接客、店の雰囲気といったクオリティの不安
これはバーの多くが憧れだけで趣味の延長でやっていてこの3つがちゃんと出来てないバーが多いためです。
それでバーは飲食店の中でも最も潰れる確率が高く3年以内に8割が潰れるといいます。
自分も最初そうだったのでお客さんの立場に立ちどうしたら満足してもらいまた来店してもらえるかを考えた結果
1.ドリンクはオール500円にしスタッフからドリンクの強要を禁止してお客さんが自分の予算で気軽に飲めるようにしました。
2.スタッフはどうしても仲のいい常連さんにつきたがるし、話が弾むと他のお客さんを忘れてしまうので営業責任者を置き、新規のお客さんは必ず役職が最優先でつき全員接客につくこと、べったり接客の禁止、団体客優先で接客する事などのルールを作りました。
3.お酒はたくさんの種類を置き、技術を身につけてもらい、気遣いや声かけ、笑顔で愛想いい接客、店内の内装も凝るようにしました。
他の細かいルールについてもこの3つの不安をなくす為に考えられたものが多いです。
4、営業方針について
①なぜ細かい接客方法は教えてもらえないの?
こういう風に言ったらいいとかいう接客テクニックはありますが、お客さんも色々だしスタッフの持ち味も色々なのでがんじがらめに教えるより今店内にいるお客さんに自分が何をしたらベストなのかを常に考えてもらう方がいいと思うからです。
仕事は言われた仕事をただこなすより、自分の頭で考えて実践して、上手くいかなかったら改善していく。
その方がやりがいもあるしスキルアップも出来ます。
会計の時お客様に5000円いただいたなら、今日の営業で自分やったら5000円出せるか考えてください。
10000円の価値を感じたら必ずまた来店してくれますが、1000円の価値しか感じなかったらもう来店してくれません。
②なぜポーターに出なくてはいけないの?
ポーターは暇な時にお店の前に立ってお客さんの案内してもらう役割ですが、入らない時は1時間立っても入りません。
それでも立ってももらう訳は売上意識をつけてもらう為です。
暇な理由はお客さんに対して満足してもらえる接客が出来てないからです。
それは暇な日に出勤している人のせいでなく日頃から店全体での接客のクオリティが低い為です。
暇な時にポーターも出ずに店内でガールズトークしていてもよかったらお客さんが来た時にめんどくさくなります。
しんどい思いしてでもポーターに立ってお客さんが来たら最高に嬉しくていい接客が出来ます。
③なぜ挨拶しないといけないのか?
人は常に新しいことをする時にワクワク(期待)とドキドキ(不安)の二つの気持ちを持っています。
お店に入店する時も楽しい時間を過ごせるかな?っていうワクワクと変な店やったらどうしようというドキドキを持って入られます。
その時にスタッフが無愛想で挨拶もしなかったら一気にドキドキが増えてしまいます。
そうなると接客でどんなに頑張ってもお客様がリピートしてくれる事はありません。
自分が人見知りで話が下手と思う人ほど挨拶だけは笑顔で大きな声でお客様の目を見てしてください。
そうすればお客様のワクワクが一気に上がってお客様の方からたくさん話しかけてくれます。
バーテンダーの仕事はお客様のドキドキを減らしてワクワクを増やす事です。
それが出来れば必ずお客様はまた来店してくれます。
スタッフに対しても同じです。
新人さんやヘルプの人、まだあまり仲良くない人にはドキドキを減らしてワクワクしてもらえるように自分から挨拶しましょう。
この先長い人生で常に人と関わるので、この機会に自分からちゃんと挨拶出来るスキルを身につけれたらどこに行っても人間関係が上手くいくようになれます。
④なぜお客さんと話してるのに途中で他のお客さんの所に行かないと行けないの?
確かに普通は相手が話してるのに遮って他の人のところに行くのは失礼になります。
でもバーテンダーのお仕事は会話だけでなく店内全体の状況を常に把握して、今いるスタッフで1人でも多くの人を笑顔にする必要があります。
出来るだけ全員がお客様に一度はついた方が満足度上がるしリピート率もあがります。
仕事意識を持って会話に夢中にならずに店内のお客様全員に対して気配りをお願いします。
⑤なぜ毎月の福利厚生イベントに参加しないといけないの?
クロスグループは飲食業なのでお客様を笑顔にするのが最大の使命です。
お客様を笑顔にするためには接客するスタッフが最高の笑顔でいなければなりません。
仕事なので色んな事ありますが仕事場で一番大切なのは人間関係です。
一緒に働くスタッフが嫌いな人ばかりでは笑顔になれません。
友達なら嫌いな人と遊ぶ必要ありませんが、仕事は働く相手を選ぶ事が出来ないので縁あって一緒に働く事になったスタッフをいかに好きになれるかが大きなポイントになります。
仕事中にコミュニケーション取れて仲良くなれたらいいですが、仕事は色んなすれ違いもありトラブルも起きやすいので仕事以外でもみんなで楽しんでコミュニケーション取れるように福利厚生イベントを開催しています。
最近は自分らしく生きる、人の事は気にしなくていいという教育が進み協調性がない人が増えてきました。
仕事場でのコミュニケーションも取らず、常に自分の都合ばかり主張します。
その結果仕事が上手くいかずすぐに辞めてしまい引きこもりになる人が増えました。
時給も出ないのになんで仕事の人とご飯行かなくてはいけないの?
そんな意見を聞いた時は「なるほど!それはそうやな。」って思いました。
でもそれは仕事をただのお金稼ぎの手段、自分の労働力と時間を提供して代わりにお金をもらうという寂しい考え方してるからやと思います。
20代から60代までは人生の大半は仕事に時間を使いますので、そんな風に考えて使うのはすごくもったいないと思います。
友達と仲間の違いは、友達は何の目的がなくても連絡したり会ったりしますが、仲間は共通の目的を持ち、達成する為に協力します。
友達と遊ぶ方が気は楽ですが会話の内容は過去の思い出話とか、お互いの近況とか他人の噂話とかどうでもいい話ばかりです。
同じ目的を持つ仲間と話すと、今の問題点とかライバルの状況とか目標達成の手段とか内容の濃い話です。
同じ目標を持った仲間と一緒に協力して様々な問題に立ち向かい、色んな事を一緒に経験して前に進んでいく。
そんな仲間と食べるご飯は間違いなく一番美味しいです。
クロスグループがバー業態で関西No.1になれた理由はこの福利厚生イベントやと思ってます。
一日中一緒に遊ぶ事で仲間が増えて仕事が楽しくなったり、他店のスタッフとも仲良くなりヘルプに行きやすくなったり、
自分からコミュニケーションを取るのが上手くなれたりするのでぜひ参加をお勧めします。
今までお店のスタッフ10人の内2人しか好きじゃなかったとして、自分で努力して5人好きになれたら仕事が倍以上楽しくなれると思います。
そうすれば自信がついてどこの職場行っても人と上手くやれて人間関係で仕事辞める必要がなくなります。
このスキルはとても重要なのでぜひ身につけてください。
⑥なぜ掃除をしないといけないのか?
入店してほとんどの人が店を汚いと思います。
汚いと思ったら掃除したら綺麗になるのですが、いつになっても汚いままです。
掃除は人にしてもらうものと考えてる人が多いためです。
自分がお客様やったとして初めて来たお店が汚かったらどう思うでしょうか?
掃除は飲食店スタッフの大切な仕事なので誰が汚したかとか関係なく来店してくれるお客様の為に誠意込めてしなければなりません。
掃除が出来てないお店はお客様に対してのおもてなしの精神が欠けていて、めんどくさい事はしない楽しい事だけするスタッフが多いので、接客面でもお客様に対して失礼が多くリピートしません。
店内に不必要な物が置いてたり、ゴミがあれば掃除する癖をつけましょう。
以上長々と書きましたが、この仕事を通して成長する様々な事はこれからの人生において大切な事だと信じてます。
最高のお店作りを一緒にしていきましょう!
クロスグループ 代表 中村智