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『乃木オタ回顧録〜デビュー10周年を迎えるにあたって』#4

2013年新春から春〜1stバスラと君の名は希望

2013年の年始は橋本奈々未、白石麻衣、松村沙友理、衛藤美彩の4人、いわゆる92年組の成人式からスタートした。乃木神社で参拝した4人は芸能リポーターに囲まれ取材を受ける。その模様は「乃木坂って、どこ?」内でも報じられ更に20歳になってできるようになった大人の遊びをしようと初めて競馬場に行ったりオカマバーに行ったりとロケ企画が敢行された。2013年の年始時点で橋本奈々未だけが19歳、彼女が20歳になるのは乃木坂46デビュー1周年を祝うバースデーライブ直前である。

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そう、乃木坂史上最も大きい会場で大々的に行う「1st year Birthday live in 幕張メッセ」は雨がそぼふる中2013年2月22日に開催された。これまたとんでもない伝統を立ち上げたものだ。バースデーライブはこれまで乃木坂46がリリースして来た表題曲カップリング曲を問わず楽曲全てを披露すると言うもの。この伝統は後々のバースデーライブで自らの首をしめかねない事となる。1周年当時はシングル4枚でトータル24曲、これに3月リリースの5thシングルから3曲を初披露して27曲のライブとなった。自分は仕事帰り駆けつけスタンド席中腹あたり通路柵のすぐ前に陣取った。ライブ途中メンバーたちが客席の通路を廻る演出があり柵前にいた自分は何人かのメンバーとハイタッチしたと思うが高山一実とハイタッチ出来た事が印象に残っている。記念すべきメンバーとの初めての直接接触だった。当時まだ握手会に赴く勇気はなく全国握手会はともかく個別握手会のシステムもよくわかっておらずその高いハードルの前に躊躇していた。

乃木坂46、当時30人前後のメンバーとそれを応援するファン(オタク)はまだまだマイナーな存在で自分たちだけが乃木坂の素晴らしさをわかっている、そしてそれをAKB旋風吹き荒れる世間に知らしめたいと言う熱い思いを各々持っていたと思う。

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「1st year birthday live」に前後するあたりだったか5th「君の名は希望」の音源、MVの発表があった。アイドル曲には珍しいミドルテンポのゆったりとしたメロディー、「透明人間、そう呼ばれてた」と世界に対し引け目を感じ生きている主人公の初恋への憧憬を描いた作詞。おそらくメンバーもファンも求めていた乃木坂46の正解の一つのような楽曲となった。あるアイドル批評家は2013年は乃木坂46の「君の名は希望」が発表された事が大きいと評している。

「君の名は希望」のMVは山下敦弘監督の架空の映画キャストオーディションを開催してそれを使った長尺のものと、丸山健志監督のDANCE&LIP Verがある。山下監督の映画オーディションモノは選抜メンバー全員がスタジオに設られた樽木やベニヤのセットで規定のお芝居をしたり、エチュードをしたり長時間にわたりメンバーの素養を見極める作業を映している。補助的にプロの役者さんが数人入っているがその中には若き池松壮亮も居る。結果このオーディションで合格したのが…秋元真夏、生田絵梨花、橋本奈々未の3人だった。約1年10ヶ月後この3人を主演とした映画「超能力研究部の3人」が公開されることとなる。

すでに恒例となっていたシングルごとのキャンペーン企画はスカイダイビングして曲のアピールというのが「乃木坂って、どこ?」で放送される。選抜メンバー内でのディベートの結果、星野みなみと秋元真夏の2人に絞られ当日スカイダイビング現場での黒ひげ危機一髪で星野が勝利し秋元が飛ぶ事に。これらの出来事を経て途中参加だった秋元真夏はメンバーに徐々に馴染んでゆきぶりっこキャラもどんどん表出する様になった。

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