ミニ四駆超速グランプリを終えて⑤
その5 複雑化するあれこれと
超速グランプリは2周年を越え
再び特定のボディ有りきな時代に戻った。
そこに至るまでの過程で様々な調整があったのかも知れないが
「万能の器を作る」という、到達点としては万民に無難で、私のような人間には最悪と呼べる状況になった。
多様な特性を被せられるデュアルリッジをいかに持っているかが各種レースにおいて必須となり、数多のボディは「餌」として消費されるか無用の長物として倉庫に押し込められた。
たくさん引いて
たくさんバリエーションを組んだバスターソニックは
それ以降、もう二度とレースで日の目を見る事は無かった。
さて
そうは言ってもそうなってしまったものは仕方が無い。
御多分に漏れず、私もデュアルリッジを複数個手に入れ
各種特性を仕込んでいった。
時代には逆らえないと割り切った。
2021年10月27日から
2022年3月24日までのおよそ5カ月間
ブレイジングマックスの実装まで前重心改造のボディ=メインボディはデュアルリッジが独占していた。
超速ユーザーが少し減ったような気がした。
「前重心が強い」が通説として運営の耳に入ったか、ブレイジングマックス登場以降は半ばヤケクソ気味に「専用改造:前重心」が横行した。
「専用改造」という目に見えた縛りを、享受する側の我々は甘んじて受けるしかなかった。
好きなボディで走ろうとは、この頃は全く思えなくなっていた。
けどまぁブリッツァーソニックが出たのは運が良かった。
「専用改造:前重心」を手に入れたソニックはありがたかった。
めちゃくちゃ引いた。
【HS】は出なかった。
前重心もさることながら
この時期の大きく変わった出来事として
新シリーズレーザーミニ四駆と共にパーツの『覚醒』が加わった。
要するにレース中に起こるパーツの追加効果なのだが
まぁ、ファンタジー感が強くなった。
レース中に「シャキンシャキン」と音が鳴り
炎のような電撃のようなエフェクトが走るマシンを包んでいた。
それはそれで見ていて格好良かった。
「あの頃使っていたパーツをもう一度使おう!」
と旧パーツ救済だとふれ込んだこの施策
可変ウイングやスリックタイヤなどに『覚醒』が新たに付与されて、思惑通りに旧いパーツを再び最前線に送り込んだ。
しかしながらそれと同時に
現在まで脈々と新しいパーツにも強い『覚醒』効果を乗せ続けた。
旧いパーツの全てが救済されることはなく
やがて『覚醒』は新しく加わるパーツをメインとして増え続けた。
ちぐはぐだなぁと思いながら
いやはや
そろそろわけがわからなくなってきた。
旧いアタマはなかなか覚醒しなかったのである。
つづく。