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ナミュール買わない学


はじめに

ナミュールは強い馬ではありますが、イクイノックスのように完全無欠な馬ではありません。
他馬同様、得意なレース不得意なレースがちゃんと存在しています。
本著はナミュールの特性を理解し、買える馬券、買えない馬券をきちんと精査できるようにしましょうという名目の元、制作しています。
タイトルだけで誤解されることのないよう理解した上で読み進めて頂けると幸いです。

第一章「ナミュールを買う」

ナミュールを買うことのできるレース、つまりナミュールが得意なレースはどうやって見分けることが出来るのか。
それはズバリ、レースラップです。
ここでは実際にナミュールが好走したレースラップを元に見ていきます。

23年マイルCS 1着
23年富士S 1着
23年東京新聞杯 2着

これらのレースラップを並べた時に、どのレースにも共通して「中盤(800~1000m地点)のペースが緩まない持続力(加速力)が問われるレースラップ」になっていることがわかります(マイルCSが1番わかりやすい)。
そのためこのようなレースラップになる相手関係、馬場状態、コース形態の時にナミュールは買いやすい馬券になります。

第二章「ナミュールを買わない」

次にナミュールが凡走したレースラップを見ていきましょう。

23年安田記念 16着
23年ヴィクトリアM 7着
22年桜花賞 10着

これらを並べた時に「中盤(800~1000m地点)が緩み、残り3ハロン以降で瞬発力を問われるレースラップ」になっていることがわかります。
そのためこのようなレースラップになる相手関係、馬場状態、コース形態の時にナミュールは馬券を買いにくい馬になります。

第三章「ナミュールと騎手」

ここまで読んでくれた人の中に勘がいい人がいればこのような疑問が出てくると思います。
「前走のヴィクトリアMはナミュールに向いているペースだったのでは?」

24年ヴィクトリアM 8着

その通りです。
ではなぜナミュールは前走のヴィクトリアマイルで凡走してしまったのか。
出遅れや海外帰りの疲れが残っていたりと理由はありますが、最も大きな理由のひとつはズバリ鞍上です。

サンデー全盛期の競馬界を席巻した名手、武豊氏の騎乗スタイルはまさしくその手の馬を動かすためのものに特化したアメリカンスタイルで、それも溜め型に分類されるものです。

道中を馬なりに運ぶために馬の走りを一切邪魔しないその騎乗スタイルは、積極的に動かしていく必要のある欧州持続力型の馬とまるで手が合いません。

最もわかりやすいのが23年日本ダービーのファントムシーフの騎乗です。
皐月賞はヨーロピアンスタイルのルメールを鞍上に落鉄がありながらも3着に入着していますが、日本ダービーで武豊に乗り替わると途端にパフォーマンスを落としています。

それはハービンジャー産駒のファントムシーフは欧州持続力型の馬に分類され、溜め型の武豊では間に合わないからだと考えられます(神戸新聞杯は前目で運んだためなんとか3着しています)。
ナミュールも同じハービンジャー産駒です。

これまでナミュールに騎乗してきた騎手はすべてヨーロピアンスタイルの騎手です。
Cデム、ビュイック、モレイラ等外国人騎手は言うまでもなく日本では横山兄弟、西村敦也、坂井瑠星、錦Sで12番人気のボーデンを1着に持ってきた団野大成がヨーロピアンスタイルの騎乗をしています。
※23年の安田記念、VMともに横山武史で負けていますがこれは前述の通りラップが合っていないだけで鞍上は悪くありません。
23年マイルCSでナミュールをG1馬に導いた故・藤岡康太騎手もヨーロピアンスタイルの騎手でした。

おわりに

ここまで読んでもらえたら本著の意図は大体理解してもらえていると思うので、簡単なまとめをして終わりにします。

まとめ
・ナミュールは「中盤が緩まず持続力の展開になる時」に買いやすく、「中盤が緩む瞬発力よ展開になる時」に買いにくい。
・ハービンジャー産駒であるため米国スタイルの騎手とは相性が悪い。

以上の点を踏まえて、これからのレースでナミュールを買うか買わないか各々判断して馬券にしてください。

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