呼吸系疾患 P558
A 総論
1 疫学と救急医療における意義
・高齢化により肺炎のリスクが高い高齢者が増加傾向
2 呼吸系疾患の主要症候
呼吸不全の原因と代表的な疾患
出典:へるす出版 改訂第10版 救急救命士標準テキスト
①咳嗽
・咳嗽反射:気道異物や分泌物を気道内から排出する生理的な反射
・反復性の咳嗽の原因として多いのは,感染による炎症に伴うもの
・持続期間が2週間を超える場合:結核などの特殊な慢性感染の可能性を念頭
②喀痰
・気道の分泌物:細菌,塵埃,炎症細胞,気管粘膜上皮の剝離細胞を含む混合物
・肺炎,気管支炎では色調を帯びた喀痰である
③喀血
・喀血は吐血との鑑別が重要:鮮紅色,泡沫状,アルカリ性という点で吐血と区別
・喀血の原因:気管支拡張症,結核
・大量の喀血は窒息の危険性がある
④呼吸困難
・呼吸困難(息切れ):息が苦しい,息がしにくいといった不快な感覚を自覚した状態
・緊急性が高い:窒息,喉頭蓋炎やアナフィラキシーなどによる声門浮腫に伴う気道狭窄,気管支喘息重積状態,緊張性気胸
⑤胸痛
・呼吸系疾患に伴う代表的な胸痛
■胸膜の炎症や刺激によるもの
■胸膜炎や気胸などに伴うことが多い
■胸膜痛:深呼吸や咳で増強するという
3 基本的対応
①緊急度・重症度の判断
呼吸系疾患にみられる随伴症候
出典:へるす出版 改訂第10版 救急救命士標準テキスト
聴診部位における聴取音の性状と主な疾患
出典:へるす出版 改訂第10版 救急救命士標準テキスト
呼気性喘鳴
・ゼーゼー,ヒューヒュー,ピーピー
・高調音
・気管支喘息で典型的
吸気性喘鳴
・喉頭,頸部,気管の上で主に吸気時に聴かれる
・高調性の連続性ラ音
・気管支異物,仮性クループ,喉頭蓋炎,気管・気管支腫瘍で聴取
・重篤な上気道狭窄を意味する
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