循環系疾患①(ABCDE) P567~572
A 総論
1 疫学と救急医療における意義
・死因別では悪性新生物に次いで第2位
・心疾患は現在も増加傾向
・虚血性心疾患の危険因子:高血圧,喫煙,脂質異常症,糖尿病
・心臓突然死の原因疾患は急性心筋梗塞が多く,その他,狭心症,不整脈(とくに心室細動),心筋疾患,弁膜症,心不全,QT延長症候群,WPW症候群,ブルガダ症候群などがある
2 循環系疾患の主要症候
①胸痛
・緊急を要する重要な疾患:急性冠症候群(急性心筋梗塞,不安定狭心症),急性大動脈解離,肺血栓塞栓症など
・狭心痛
■虚血性心疾患でみられる特徴的な胸痛
■典型的には胸骨裏面の鈍痛と,特定の部位への放散痛を示す
②呼吸困難
・心不全を伴う場合や肺血栓塞栓症では呼吸困難症状を伴い
③失神
・失神は神経系でなく循環系の問題
・アダムス・ストークス症候群:高度の徐脈または高度の頻脈で,脳血流量の減少による失神やめまいをきたしたもの
④動悸
・生理的(不安,興奮)にもみられる
・循環系疾患における動悸は不整脈によるものが多い
■頻脈性,徐脈性,期外収縮など。その他,高血圧,弁膜症,心不全,虚血性心疾患
■精神的な原因でも動悸を感じる
⑤浮腫
・心不全の結果生じる浮腫
■心臓よりも低い位置に発生
■下腿,足背に強く出現する
・圧痕浮腫:指で強く押した後に凹んだままになる
3 基本的対応
①緊急度・重要度の判断
緊急度が高い
・症候:急激な胸骨後面痛(20分以上持続する痛み,あるいは10分以内に痛みは消失するが48時間以内に繰り返している場合),移動する強い背部痛,突然の呼吸困難,起坐呼吸,意識障害,急激な四肢の阻血
・バイタルサイン:ショック,高度の血圧上昇,高度の徐脈または頻脈,収縮期血圧90mmHg以下または200mmHg以上,心拍数120/分以上または50/分未満
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