細胞傷害 P170

A 細胞傷害と要因

・細胞傷害:感染,低酸素血症,毒物への曝露などによって細胞が傷つくこと
。その結果,細胞の正常な機能が妨げられる状態

・細胞傷害が強ければ,不可逆性傷害として細胞は壊死し,細胞死にまで至る

・そこまで至らなくても細胞の形態や組織に,変性,萎縮,肥大,過形成,化生などの変化をもたらす

・細胞傷害の原因には,内的要因と外的要因がある

・内的要因:虚血や免疫反応(自己免疫疾患など)など

・外的要因:物理的要因(熱傷,凍傷など),化学的要因(薬剤による肝障害など),生物学的要因(肝炎ウイルスなど)など

・侵襲:細胞や生体機能に傷害を与える事態

1 内的要因

・虚血では低酸素状態に至り,ミトコンドリアでのエネルギー産生が低下し,細胞の膜機能を保つことができず細胞死に至る。
■代表例:心筋梗塞,脳梗塞など

2 外的要因

・物理的要因:外傷による細胞膜の破壊,熱による蛋白の変性などの

・化学的要因:寒冷や放射線,薬剤などの化学薬品などによって細胞傷害を起こすもの

・生物学的要因:細胞にウイルスが感染すると,細胞内のエネルギーや蛋白質がウイルス複製のために使用され,細胞のために使用できず障害を受ける

B 細胞傷害による変化

・細胞傷害においては,細胞や組織には,壊死,変性,萎縮,肥大などの変化が生じるが,これらは必ずしも傷害を受けた場合にのみならず,正常な細胞や組織の営みの一部としても生じ得る

・退行性変化(退行性病変):壊死,変性,萎縮は,細胞や組織の機能や活動が低下,停止する方向に変化する

1細胞障害と死

①ネクローシスとアポトーシス

・ネクローシス:細胞が不可逆的な傷害を受けて機能を停止し,細胞や組織の形態が保てなくなり,構造が壊れること

・アポトーシス
■管理調整された能動的な細胞死
■プログラムされた細胞の死

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