疾患 P164
・病気
■心身に不調,不都合が生じた状態
■医学では「病気」という言葉はあまり用いず,けがも含めて「疾患」と表す
「疾病」または「傷病」ともいう
・症候群
■その原因にかかわらず,症状や検査結果などの共通する病態
■症候群としてまとめて取り扱いやすくしたもの
A 疾患の原因
・病因:疾患の発生には、必ず原因ありが、それを病因という
・主因:ある疾患を引き起こすのに不可欠な病因
・誘因:主因の作用を増強する病因
・素因:生まれつきもった、疾患の発生に関連する性質
■例えば,結核の主因は結核菌の感染、栄養障害が誘因,虚弱な体質が素因
1 内因と外因
・内因
■病因が生体自身にある場合
■遺伝性疾患は内因
・外因
■外的環境にある場合
■外傷など
2 遺伝要因と環境要因
・遺伝要因:病因について,遺伝子が関与するもの
・環境要因:それ以外のもの
・同じ微生物への同じような感染であっても重症化し死亡する者がいる一方で,不顕性感染で発症なく終わる者もいる
■その違いは,個人の免疫力に依存し,免疫力には遺伝子が強く関与
・癌の発生:遺伝子の異常や変異が関与
3 遺伝子疾患
・遺伝性疾患
■子や孫にその素因が受け継がれる可能性のある疾患
■遺伝性疾患は,主に,染色体異常,単一遺伝子疾患,多因子遺伝疾患の3つに大きく分けられる
・孤発性疾患
■両親に遺伝子の異常がないにもかかわらず,当人の遺伝子に生じた突然変異によって遺伝性疾患を発症する場合
■血友病は伴性遺伝性疾患であるが,血縁関係にまったく血友病患者がいない場合の発症例を孤発性血友病という
①染色体異常
・ヒトは22対の常染色体とXとYで構成される1対の性染色体をもつ
・正常の雄個体ではXとYの染色体を有し,雌個体ではXX染色体となる
・構造の変化や染色体数の増減などの変異が生じること
・染色体異常の代表疾患:ダウン症候群,ターナー症候群,クラインフェルター症候群など
②単一遺伝子疾患
・単一遺伝子疾患
■単一遺伝子疾患:ある1つの遺伝子の異常により発症する疾患
■常染色体優性遺伝病,常染色体劣性遺伝病,X連鎖劣性遺伝病に分けられる
・メンデル遺伝病:メンデルの法則で示される,父,母の双方から受け継いだ2つの同じ遺伝子の相互作用によって疾患の発症の有無が決まる
常染色体優性遺伝病
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