ポケモンが二十余年かけて育て上げたキメラに打ちのめされてる話
冠の雪原の配信記念という名分で公開され、事前に紹介されていた冠の雪原の情報を8割がたふっとばしていった、例のポケモンMV。
「GOTCHA!」を浴びた個人の感想です。
(ツイッターで上げたものに加筆したくなったので改めて書き留めてます)
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せんろのうえを あるいてる……
ポケットモンスターの世界の入り口
90年代を感じるピカブイを傍らに成長するガチャおとガチャこ
(仮名)(名前おしえてほしい)
ここでもうこの2人は同じ時代を生きた仲間だと感情移入してるし、
ピカブイのどこかヘンテコな部分も実態とズレた思い出補正を表してるようでその歪みがとんでもなく愛しい。
人の感想を読んでいて後から気付きを頂いたのですが、ガチャこの方が新しい世代のような描写になってるのですね…(赤ん坊のころからブイがいる)。
後々の展開を考えるとすごくしっくりくる。
色んなタイプの色んなジムリとポケモンたちを通じてポケットモンスターの世界観を浴びる。
こういったキャラクターのシーンについては書き出すとコマ送りした一枚一枚に対して「好き!!!!」のラベルを貼って回る羽目になるので極力割愛します。個人的にはむしとゴーストが推しです。
ここで一度思い出の相棒とはぐれる(重要)
絵柄から懐かしさが消え、風景もどこか遠くに来てしまったよう
(今までのわたしの知ってるポケモンじゃないし、互換性諸々で馴染みの相棒が実装されてないことだってあるし)
新作発表時特有の「ぼくのしってるポケモンじゃない」感覚がある。
次々現れる伝ポケや悪の組織たちに、未知(新作)への期待と不安がよぎる。
相棒のかわりに現れた友達の相棒に
「バージョン違いやリメイクを通して見たパラレルワールド」
「ともだちと共有したポケモンの思い出」を感じる。
画面が遠いのと画質が良くないゆえの気のせいだとは思うのですが、ここで出てくるブイは冒頭のような騒がしさがなく「イーブイなんだけど、いつものイーブイじゃない」みたいなお行儀の良さも感じます。
単に画面がスタイリッシュなので合わせただけかもですが。
主人公の影と目が合い、
ここから暫くガチャおが画面からフェードアウトする(重要)
主人公たちを通して見る世界になる。
絵を描きながら気付いたんですが、ガチャおとブイの影がカルムの足(=推進力)になってるように見えて震えた。
後日さらによく見てみたら画面転換の演出がエンカウント時のようなあれ。うまく説明できないので動画で見てください。
次の場面のワタルさんはハーフトーンを散りばめたような、電子画面の中のようなエフェクトが入ってる。動画でコマ送りしてみてください。
何故この役割がカルムなのか最初は不思議に思ったのですが、ガチャお(GB世代プレイヤー)と未知の世界(やたらと画面がきれいなポケモン)の境界に当たるのがドット→3Dに変化したXY世代だからかな…と。
わたし個人としては、変化のとき衝撃はあったし今でもドット大好きだけど、さらにポケモンの世界を広げるには絶対に必要だったと剣盾を通じて最近しみじみ思ったりなどしてました。
怒涛のチャンプ、ライバル、主人公。確かに見てきた光景。
ストーリーの佳境、濃密なゲーム体験の中にはプレイヤーの影はなく。
先へ未来へと進んでいってしまうイッシュと仲良しアローラの温度差で見るたびに毎回風邪ひく。例によって全コマ好きだし解説もいっぱい見かけるので割愛して少しだけ。
・セレナとミュウツー
カルムと同様にこれもどうしてセレナだったのかな、と少し不思議に思ってたのですが、破壊と再生をテーマに持つXYをミュウツーにぶつけてくるの、ちょっとあの…。
ゲッコウガとミュウツーのスマブラ組の対峙になってるのも絵面が豪華…
・リーリエ
かわいい。ミヅキちゃんのお顔もいい。だめだこの話題はキリがない
リーリエを中心に、ミヅキとコスモッグが背景のオブジェクトと合わせて月と太陽のように動くのが好きです
・コトネとヒビキ
男女主人公はシームレスに重なる描写が多い中で、この2人はガッツリ役割分担されてるんですよね。
リメイクによって掘り下げが増え距離が近くなったライバルのシーンをリメイク限定キャラのコトネ。
金銀時代からの名シーンであるレッド戦をデザイン的にGB版とも通じるヒビキが担当してるのすごく良い…。
あとレッド戦の作画…絵柄…?が懐かしさも新しさも感じてすごい絶妙。
そして過去作(レッド)の帽子とともに最新作(剣盾)に走り出す
見慣れなかった風景が色づき始める。
見慣れてしまえばピカブイも「いつもの」彼らになってる。
懐古と今との合流地点が3DSのルビサファリメイクなのもわかる……
そして思い出というには記憶に新しい剣盾の尺が長いのも「今現在のポケモンプレイヤーの記憶」と紐づいててしっくりくる。(剣盾キャラも当然ながら全員かわいいかっこいいし逆に言うことがないので割愛します)(モルペコのやや乱暴な手付きがすき)
チャンプ戦を終えて一段落し、ゲームの中から日常の世界へ。
やっぱり日常を共にするのは相棒のピカブイ。落ち着く。
ゲームと日常の境界にいる博士たちと御三家たち。
博士たちから見るとガチャズ側が「映像」になってるの、一枚隔てていても繋がってる感があって…ぐっとくる。ソニアがここにいるのもぐっとくる。
バトル施設の面々もまさにこの位置で、ストーリー体験とは別の場所で会う存在。
そして次の線路(はじまり)へ続くよどこまでも
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本編151秒とか、悪の組織が44秒?というような話を人の感想で見たのだけど他にも色々潜んでそうよね…そんな芸細な部分を探るのも楽しい。
ただこのMV、すべてのコマに一切妥協がなくひとつひとつが宝物でありながら「単独」の寄せ集めではなくて。
それぞれの思い出補正とか、二十余年積み重ねたものとか心とか全部ひっくるめたポケモン(概念)のキメラかなと思ってるところがあります。
あまりのすばらしさに雪原の情報は抜け落ちた。公式サイトで復習します。
「GOTCHA!」「I got you」意味を調べるとこれまた納得しかないんですが、これ子供の頃に出会ってたらゴッチャって読みそうだなあ。それもそれで言い得て妙な気がする。ポケットモンスターごっちゃ。
ガッチャ!
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