観光やビジネスイベント(MICE)分野で唯一の国際指標である GDS-Index(Global Destination Sustainabitlity Index)。100都市が参加した2023年の結果から見えてきた、今後の更なる推進に向けた6つのキーポイントが公式ウェブサイト上で公開されています。
観光MICE分野に携わる方にとって、参考となる情報だと思います。以下、各項目について簡単に訳する形で紹介していきます。
※GDS-Indexの概要は下記記事で紹介しています。合わせてご覧ください。
1 気候変動対策に関する戦略に観光MICE分野が組み込まれる(Increasing integration into climate strategies)
(GDS-Index参加100都市中)85%の都市が気候変動に関する戦略を有している。現在のところ、観光MICE分野が組み組まれている割合は33%であるが、これは増加傾向にはある。
2 より幅広いステークホルダーの巻き込み(Wider stakeholder engagement)
ステークホルダーの巻き込みは進んでいるが、より幅広い分野との協働推進の余地はまだある。観光MICE業界、主催者・参加者、行政、地域コミュニティのステークホルダーを包括的に巻き込めているのは(GDS-Index参加100都市中)35%の都市にとどまっている。
3 第三者認証取得が加速(Growing third-party certification)
観光MICE業過において第三者認証取得への動きは世界的に高まっている。ホテルに関しては、北欧70%、西ヨーロッパ28%、アジア太平洋15%、北米32%という状況。MICE施設に関しては更に取得が進んでおり、北欧84%、アジア太平洋71%、西ヨーロッパ46%、東ヨーロッパ14%という結果が出ている。
4 社会インパクトに関する戦略が打ち出されてきている(Formalising social impact strategies)
過去1年を通して、MICEが地域に与える社会インパクトに関する戦略を掲げるコンベンションビューローが増えてきている。総合的な観光MICE戦略やサステナビリティ戦略を有する先駆的都市が、社会インパクトについてもリードしている状況である。(GDS-Index参加100都市中)44%の都市が、地域において、主催者が長期的な社会インパクトやレガシーを創出できるようパートナーシップを促進している。
5 DEIへの関心の高まり(Increasing focus on diversity, equity, inclusion (DEI))
2023年は、DEI(ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン)への関心の高まりが、特に北米において見られた。(GDS-Index参加100都市中)47%の都市がDEIのアクションプランを有しており、上位40都市では75%がDEI戦略や何らかのイニシアティブを有している。
6 サステナビリティに関する情報発信力の向上(Greater storytelling)
(GDS-Index参加100都市中)53%の都市がサステナビリティに関する戦略や取り組みをウェブサイトで公開している。中には、訴求力が高く閲覧者のエンゲージメントを引き出す内容(Story telling)を発信する都市もでてきている。