イメージですが
自分のことを、彫像とか、建築物とか、
何か木造のものだと仮定して、
経年劣化で、その表面は汚れていたり、
カビがはえていたり、部分的には腐っていたり、
傷かついていたりして、
久しぶりにそれをメンテナンスしているとする。
カンナをかけて、まず、
汚れや傷がなくなるまで、
表面を削り落としてみる。
かなり奥まで「いって」いる。
表面を一通り削り落としても、
所々に深くしみこんだシミのような部分がある。
そこを更に深くまで削っていくと、
その表層に隠された、
遠い過去に封印した、
怒りやわだかまりや、
抑えて耐えた感情などが眠っている。
それらの感情は、そのまま氷漬けにされていたり、
何か変な病巣のようなものに変化していたりして、
とにかく未解決のまま、僕の心の奥底に横たわっている。
久しぶりに日に当たって、
あるいは空気に触れて酸化して、
それらがムクムクと動き出したり、
何かの匂いを発したりしはじめ、
あらためてそれら未解決事件簿の存在を知り、
これらが解決しない限りは前には進めないんだと知る。
もう手遅れではないんだろうか、
こんなに奥まで削ってしまっては、
本体が無くなってしまうのではないか、
と、心配になることもあるが、
やはり自分の奥底まで潜って、
それと対峙していくしかないのだと思う。