僕と大島弓子
先日うちの奥さんが
福岡まで行く用事があったので、
朝、熊本市の中心部のバスセンターまで
車で送ったのだが、そのついでに、
下通りというところにある書店で
前から買おうと思っていた本を買った。
それは白泉社文庫の
「綿の国星」の4巻である。
これには「綿の国星」の
単行本未収録作品が載っているのだ。
なんて言っても「綿の国星」とか、
作者の大島弓子のことを知らない人もいるかもしれませんね。
大島弓子は24年組と呼ばれた、
少女マンガ界の重要人物のひとりで、24年組には他に、竹宮恵子や、山岸涼子や、萩尾望都なんかがいます。
そして「綿の国星」はその大島弓子の
代表作のひとつで、
1978年から1987年にかけて
「LaLa」に不定期連載されていました。
その「綿の国星」の実質的最終話、
「椿の木の下で」は
「LaLa」の1987年3月号に掲載された作品です。
その後大島弓子がメインの発表の場を
角川書店の「ASKA」に移したこともあり、
以降「綿の国星」の続編は書かれていません。
今の僕はそこまで大島弓子への
思い入れは深くはないのですが、大学生くらいまでは、
大島弓子マニアだったのです。
大島弓子を好きになったきっかけである、
「綿の国星」の最後の話は、どういう話だったんだろうと、
少しは気になっていました。
そしてついに
「綿の国星」の第23話、
「椿の木の下で」を読めたのでした。
「綿の国星」の単行本は全7巻で、
その単行本には収録されておらず、
その後、「綿の国星」の
続編は書かれていないので、
実質的にこれが最終話となるのですが、
僕は「LaLa」を買って読んでいたわけではないので、
この最終話だけは今まで読んでいなかったのです。
ちなみにかつて朝日ソノラマから出ていた、「大島弓子選集」には編まれていたそうなのですが、朝日ソノラマ自体が今では存在せず、入手困難になっています。
現在入手できるのは白泉社文庫版のみなのですが、まあ、文庫版を買ってまで、何が何でも読みたいというほどの思い入れはなかったので、読むタイミングがここまで遅れたのです。
大島弓子は1987年以降も、
1995年くらいまでは作品を書いていたので、
他の作品は読んでいましたが、
なんとなくこの作品だけ、今まで読まないままだったのです。
それで最近になって、書かれてから約30年振りに
やっとこの作品を読めたのですが、
久し振りに大島弓子ワールドの空気感や温度を堪能しました。