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【漫画の作画工程】「手間をかけてる背景」っぽく見せるには…?

はじめに
漫画はその人の好みや描く漫画のジャンル、表現したいものによって描き方も見せ方も全く違ってきますので、この記事でご説明する背景の描き方もその一つとして、参考程度に見ていただければと思います。

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画像は双葉社のWEBコミックアクションで連載していた「たそがれの春」一話より抜粋した一コマです。こちらを例として、自分なりのデジタルでの漫画背景の描き方を解説していきます。

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▼木を描く前の線画です。建物はほとんど描いていません。

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背景を描くときは、背景全体を細かく描くのではなく、この“記号となる部分”の一部だけを細かく描き込むようにしています。

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デジタル作画は拡大縮小ができるので、つい必要以上に描き込んでしまい完成まで余計に時間がかかっていたのですが、これを意識することで一人作業の効率がよくなりました。

また、汚しや質感を少し描き加える事で背景がより手が込んでるようになります。上の画像でいうと、道路の汚れとカーブミラーです。カーブミラーは大まかな映り込みを描きベタを入れたあと、パターンブラシでぼかしているだけです。

▼使用していたパターンブラシ(clipstudio用)▼
《消し用の35mmカケアミ》制作:もの区様
このブラシはカケアミ範囲は狭いですが、ベタや線画に使うと簡単に手が込んでるように見せることができるので「たそがれの春」連載時は大変重宝していました。


《背景線画の仕上げ例》

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大体こんな感じで背景を描いています。
ざっくりで分かり辛い点もあったかと思いますが、背景を描く際の参考になれば幸いです。



以下、線画から仕上げまでの画像一覧です

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