定期解約理由は深掘れ!
定期通販においてCRMの施策設計やコンテンツの切り口を考える時にヒントになるのが「解約理由」です。
今回はこの解約理由の活用方法について紹介します。
3大解約理由
・効果がない
・お金がない
・商品が余っている
定期通販では定番の3分類。
実際に「御社の定期解約理由を教えてください」と言うとこれぐらいの粒度で回答をいただくことが多いです。
確かに最終的にはそのいずれかで解約をしている場合が多いと思うのですが、それはあくまで”手続き上の理由”です。
その裏にある”本当の理由”を探し出すことが、効果的なCRMのポイントです。
解約理由の深掘り方
例:効果がない
なぜ効果を感じられていないのかを仮説立てて検証していきます。
化粧品であれば
こんな感じで考えていきます。
できれば、解約受付時に管理する解約理由も、上記の2階層目か3階層目ぐらいの粒度で取得できると、後々分析に活用しやすくなります。
仮説立てのために材料を集めよう
解約受付時にヒアリングをすることはもちろんですが、アンケートで効果的に商品に対するポジティブ/ネガティブ要素を収集することができます。
アンケート対象者は休眠顧客(過去に定期解約をしている顧客)でも良いですが、高い回答率は見込めません。
私が良くやるのはアクティブ顧客へのアンケートです。
送信者数に対して10%ぐらいは回答をいただけます。
設問などの設計は都度異なりますが「気に入っている点」「改善を要望する点」をそれぞれ自由記述で回答していただきます。
それを集計やテキストマイニングをすることで顧客のインサイトに迫っていきます。
私はユーザーローカル社のテキストマイニングツールを使っています。
https://textmining.userlocal.jp/
定期的なアンケートでPDCAを回そう
事例です。
私がお手伝いをしている事業者様では、主にお試し→定期引き上げの施策を徹底的に行っています。
10%台前半だった引き上げ率も、20%目前のところまで来て最近はやや頭打ち。
そこで20%突破の手掛かりを掴むために行ったのが、定期引き上げ後180日以内の購入者に対するアンケート。
主に
・商品のどのようなところを気に入ったのか
・改善点は何か
結果としては、今後の施策改善につながる有益な情報を3つ得ることができました。
1つは「泡立ち」です(あ、この事業者様の商材はシャンプーなどのヘアケア系商品です)
商品を気に入っていただいた顧客から「商品の泡立ちの良さ」をポジティブに感じている方が多いことがわかりました。
逆にネガティブな点には「泡立ちが悪い」という回答も。
シャンプーの泡立ちって、しっかり予洗いができているか、髪に付いている皮脂の量などでも差が出ます。
従って「効果的なシャンプーの仕方」をコンテンツとして強化することを決めました。
2つ目は「ボトル」です。
これはCRMとの直接的関係はないのですが、ボトルのデザインや使いやすさについて言及する回答が多く見受けられました。
最後に「香り」です。
元々1つの香りがスタンダートとしてあって、期間限定の香りを不定期で販売しているのですが、スタンダードな香りに対する評価が分かれていました。
シャンプーの香りは、購入検討材料の1つで、そこが気に入らないと本品購入にはつながりませんし、1つの香りに飽きてしまえば継続的な購入もされなくなります。
従って、期間限定の香りを定番化して、何種類かの中から選べるようにする方が良いのでは?という議論が起こりました。
アンケートなどはCRMを行ううえでは基本だと思います。
こうした基本を大切に、商品に対するマインドや顧客の利用実態を知ることで「解約阻止」ではなく「満足して使い続けていただく」ことを目標にCRMを構築していきましょう。
事例で紹介した改善施策の結果については、どこかで結果報告ができればと思います。
それでは。