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メルマガは開封されない方が良い

こんにちは。牛と申します。
私はBtoBをメインにマーケティングの仕事でご飯を食べています。特にMA周りは上場企業からスタートアップまで、業界も幅広く経験してきました。
今回のnoteはMAとは切っても切れないメールマーケティング、メルマガ施策について書きました。

真っ当なデジタルマーケティング担当者の神経を逆撫でるタイトルを見て、怒りに任せてクリックしてくれた方も多いと思います。そんな方も、せめて①までお付き合いいただけますと幸いです。

①このnoteを読むべき人

メルマガ施策をやろうと思い立ったとき、まずKPIはどうしようかと考えますよね。
🐶「メルマガ経由の受注数をKPIにするのは計測まで時間がかかりそうだし、最初は受注が生まれるとも限らないしなぁ」
🐱「資料DL数もいいけど配信するリードは1000件ぐらいだし、確かクリック率の平均って2%ぐらいじゃなかったっけ」
🐮「とりあえず開封率をKPIにすれば、1000件に送っても200〜300件ぐらい開封されるし、ブレもあんまりなさそうだネ!」

このnoteを最後まで読む必要があるのは、🐶🐱🐮全員です。
率や数を求めている時点でメルマガのことを何も理解していないと言って良いです。こういう(🐶🐱🐮)人たちが件名に『ご確認お願いします』(中身はただのアウトバウンドアポ依頼)とか、『明日はお待ちしております』(中身は別に申込んでいないセミナー案内)などと入ったメールを唐突に送ってきて、ヘイトをナーチャリングするわけです。

ヘイトではなく購買意欲をナーチャリングしたい担当者は②に進みましょう。

②メルマガの目的とは

メルマガとはリードに対して必要な情報を提供し、長期的な変化を狙って行う施策です。けっして短期的にホットリードや受注数の増加を狙うものではありません。
リード(=将来のお客様)との信頼関係を構築するために行うのがメルマガなのです。
みなさんはこんな経験ありませんか?

🐵「メルマガは週に1度以上は送らないと意味がないから、とりあえず週2回配信でいこう。くれぐれもそこは割らないようにしてね!」
🐮「はいっ!^ ^」
〜1ヶ月後〜
🐮「やべ。。。明日もう配信日か。先々週も送ったけど、またサービス資料の紹介でいいか。てか、週2回配信のうち1回はサービス資料、1回はセミナー案内にすれば考えなくて済むな! マーケティングオートメーション完成じゃん^ ^」
〜さらに1ヶ月後〜
🐵「おいおい🐮くん、最近のメルマガの開封率8%ってどういうことだ? クリックスルー率じゃないんだぞ。まだメルマガ経由の受注も出てないみたいだし。。。改善策は考えてるのか?」
🐮「なるほどですね。改善が必要ってところは私もアグリーです。ジャストアイディアなんですけど、ひとまずは開封率にコミットするって意味でまずはタイトルのブラッシュアップ案を考えました」

「【至急ご確認ください】弊社サービスの利用について【◯◯株式会社】」

自社都合の数字ばかりを追った結果、上記のようなメールが生まれるわけです。
では、信頼関係を構築するメルマガはどう作れば良いのでしょう?

③開封されないことを目指す

ここでタイトル回収です。
数字を追って自社都合のメルマガを配信するぐらいなら、対象リードへの有益な情報という一点のみに気をつけて、開封率やクリック率をKPIに置くのをやめましょう。

こう書くと、真面目な方ほど次のように思うかもしれません。
「開封されない=必要とされていないってことじゃないの?」
「とはいえ営利企業なんだから、数字で語れるKPIは置かないと。。。」

まず、開封されない=必要とされていない、という認識は間違いです。私の話で恐縮ですが、私はいくつかのマーケティング支援会社が発行するメルマガを購読しています。マーケティング事例やトレンドを知れるので重宝しているのですが、私が持っている仕事の大半はtoBマーケティング。ゆえに「toCマーケティングはビーコンが熱い!」とか「10代のユーザーを獲得するTikTokマーケティング」みたいなタイトルのときは読みません。

ですが、購読をやめるわけでもないのです。一般的に20%〜30%と言われている開封率。裏を返せばちゃんとしたメルマガでも70%〜80%は開封されないのに対して、オプトアウト率の平均は0.25%ほど。ここからわかるのは、メルマガは開封こそしないものの購読を続ける層が大多数ということです。

この層への意識が、多くのメルマガ担当者の頭から抜けています。開封されない方が良いと書いたのは、強制的にこの層を意識させるためです。

次に、「KPIは置かないと立場的に。。。」問題ですが、これはごもっともな意見だと思います。やはり営利企業である以上、かけた時間とかけた費用によってどれぐらい事業に良い影響が出たのかは説明できないといけません。

とはいえ散々説明した通りCVRや開封率はまだ早いので、一旦はオプトアウト率を一定以下にするぐらいの目標設定で良いと思います。

④もう一歩先のKPI

メルマガ施策において大切なことが理解できたところで、もう一歩先に進んだ話もしましょう。
メール配信が始まりオプトアウト率も安定。有益な情報であることを意識したおかげで、お客様からポツポツと良い評判も聞こえてくるようになった。それではいよいよ開封率とCVR、あわよくば受注数まで追っていこう。そう思ったあなたはまだ甘いです。
開封率やCVRの前にもうワンクッション置くことで、メルマガへの意識を確固たるものにします。

それは、メール本文&クリックから遷移したページの閲覧時間です。

タイトルに惹かれてメールを開いたものの、内容がいまいちですぐに閉じてしまう、誰しも経験する話です。有益な価値を提供できているかは、どれぐらい読み込んでくれたかで判断するのがブレも起きづらくおすすめです。

文字数などから計算された閲覧時間の平均はGoogle検索でもnoteでも情報がたくさんありますので、ひとまずはその水準を目指すのが良いでしょう。

ここまで来れば、もうこのnoteを読む必要はありません。あとは顧客や自社の営業担当者の声を聞きながら、より良いコンテンツを作りつつ、開封率やCVR、受注数を追っていきましょう。

⑤最後に

メールマーケティングは成果に繋がるまで時間がかかります。数字に囚われない環境を作るには上司の理解が必須ですし、担当者自身のモチベーション維持など苦労も多いと思います。
ですが、広告を打って獲得したリードの大半は受注に直結しません。数ヶ月、あるいは数年のスパンでナーチャリングすることで、ようやくお付き合いが生まれるわけです。

その大部分を担うのがメールマーケティングだと、私は思います。

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