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2024.12.1金平茂紀さん講演会
本当のことはどこにあるのか?
~米大統領選・SNS社会・兵庫県知事選から見えるもの~
今回の米大統領選について、取材を続けてきた金平さんから
「日本の政治はアメリカを理想の形としてきている」と切り込み
講演が始まった。
「合区の問題から地域のことを何も考えない結果になったが、
選挙制度そのものはあくまで「民主主義」を表しているはず
でも「民意」は間違うこともある」
と続けて話した。
その時、私はナチス・ヒトラーの誕生を思い出した
ヒトラーも選挙を通して大衆から支持を得て、政権を握った
当時のドイツの社会的背景はどうなっていたのか…
第一次世界大戦により領土削減、軍備制限、そして莫大な賠償金が課せられ
その結果ドイツ経済は破綻状態、さらに世界恐慌などのあおりを受け、
ドイツはハイパーインフレに突入し、国民の生活はボロボロになっていた。
高い失業率への対策として、大規模な公共事業(アウトバーン建設)を行い、
ドイツ経済を急激に回復させ、国民からの支持を得た。
この実績とヒトラーのカリスマ的支配力によって、
国民の支持を得てあの迫害が起こった
※「支持」とはいっても、ヒトラーが首相となる頃の支持率は33%程度だったとか
話を戻すが…
どの時代でもどんな人間でも間違うことがある
だから、権力を持っている人への監視は国民がし続ける必要があると思う。
でもその監視する民衆が間違うことがある。
私たちの情報を得る形はどうなっているのか?
兵庫県知事選でも議論になったが、オールドメディアと呼ばれる
テレビ・新聞から「SNS=オンラインメディア」へと変わってきている
金平さんはこの流れは変えられないだろうと話した
「SNS」の特性
① すさまじい速報性と拡散力
② ニュースソースの多様化
③ 不可逆的
特に①で分かるようにSNSで最も重要なのは速報性と拡散力
その情報が正しいかどうかは別の話。
※当たり前だが、ジャーナリストとして鍛え上げられたわけでないから、
「オンラインメディア」には取材力がない
この「SNS」の発展により「オールドメディアからの解放」という人も
いるが、オンラインメディアは私たちを本当に「解放」しているのか?
溶融する『公共』
SNSではスポンサーなどビジネス最優先
利己ではない利他をつかさどるはずの『公共』のための報道はどこへ?
(教育・医療・介護・災害・警察・消防・困っている人を助ける分野)
ガザで起こっていること影響力がないから伝わらない
(※電力がないからそれを得て伝える手段もないこと含め。
そこまでして伝えようとしない)
コミュニケーションの根源的変容
入れ物が中身を規定するようになり
「書き言葉」より「話し言葉」が重要になってきており、
言葉の重みが変化してきている。
例)やばい で会話が成り立つ、具体性のない言葉が蔓延る
また、コロナによって身近なコミュニケーションの形も
変わってきている現状がある。例)オンライン会議など
とにかく、爆発性がある、
アクセス数を競うことが重要な世の中になっている、と。
ああ…まさに、兵庫県知事選のことを示しているなと
本当の課題よりも爆発性に依拠した選挙と言わざるを得ないなと
思った。
また、今回の米大統領選でのトランプ勝因は
勝者、分かりやすさ、過激主義、罵倒力
だったのでは?
トランプ勝利宣言の会場には
黒人、アジア系一人もおらず、白人のみ だった
一方、ハリス敗北宣言の会場は
学生や女性が多く、普段着の人が多かった
この集まった人を見るとどういう選挙だったか分かる
と金平さんは話す。
この選挙結果に対して、ニューヨークタイムスは
社説で「アメリカは危険な選択をした」と痛烈に批判した
こんなこと日本のメディアは絶対に言わない。
日本人はまじめすぎる、自分と違う意見を閉ざしてしまう
でも本当はいろんな意思表示の仕方があるから
みんなで嫌なことは嫌だと意思表示をできることからしていこう
的な感じで講演が終わった。
★感想として
金平さんは「日本の政治はアメリカをめざしている」
といったけど、アメリカと日本には大きな差がまだまだあるな~
この情報の形が変わってくるのは変えられないかー
どうしたら考えてもらえるかなーと
悩みの種がまた増えたな
ただアウトプットの上手さが必要だなと思った。
私はこのSNSを使って、自分の考えを整理する訓練を
重ねていく。