別冊・医学のあゆみ p90-95を読んで

 医師偏在については、私達医療者にとって医学部入試時点での地域枠、専門医制度におけるシーリングといった制度を潜り抜ける中で知った。
医師偏在への対策は、キャリア形成の初期段階で行われており、地域医師確保において一定の効果は得らえている。しかし、医師個人のライフステージとの均衡が課題であり、私の同僚も悩んでいたことから身近に感じた。
医師偏在に対する取り組みの変遷と課題について知り得た。

 都市部・過疎地域の医師偏在はかつてから課題として挙がり、1970年代に無医大県解消構想により各都道府県に医学部が設置されてきた。
その後も地方から都市部への医師の流出や都市部での医師偏在がみられ、比較的初期のキャリア段階において対策が取られている。
①入試時点では地域枠入試②臨床研修医では都道府県ごとの募集定員の設定③専攻プログラムと都道府県ことに専攻医師定員を設定したシーリングがある。
これらキャリアの比較的初期段階における対策で、地域医師の確保には一定の効果が出ている。また国の医療確保計画策定ガイドラインでは、医師数の少ない三次医療圏は多い医療圏からの医師確保ができるとしている。
 ここで問題となるのが医師個人のライフイベントとキャリアの両立であり、サポート体制の整備が必要である。キャリア初期段階のみならずセカンドキャリアの観点から幅広い段階を対象とした医師偏在対策の充実も行う必要があると述べている。
 医師個人・都道府県・大学が連携し、医師へのサポート体制を整備し、医師偏在対策に当たるべきと述べている。

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