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(25)合成品デアザフラビンの真実【ニセモノ】

デアザフラビン(TND1128)に偽物があるようです。

(以下、インターネットより抜粋)

「デアザフラビン(TND1128)の原料メーカーより、中国産の非正規デアザフラビン配合サプリメントがインターネット上で販売されているとの報告がありました。

安全性データは、日本の正規品のものを勝手に流用しており、あたかも5デアザフラビンTND1128を配合しているかのような表示をしております。

デアザフラビンは、ビタミンB2骨格で数百種類あります。現在販売されているサプリメントの中で、ミトコンドリア活性の効果が実証され特許を取得しているのは、【5デアザフラビンTND1128】だけです。

別のデアザフラビンは、ミトコンドリア活性効果について実証されておりません。
また安全性試験を実施していない場合もございますので、くれぐれも、ご注意ください。」

まず、デアザフラビン(TND1128)ですが、特許明細を見ますと、この物質そのものに特許性があるどうかと言えば、ないような気がします。特許はあくまでもATP産生といった用途特許のようです。

また、TND1128についても®が付加されていないので、商標登録もされていないようです。
となると、法的にはデアザフラビンTND1128は誰が製造しても良いことになり、偽物というのは存在しなくなりますが、「ケミテラス社製ではない」という点で偽物のデアザフラビンが出回っていると販売者側は言いたいのだと思います。

安全性やミトコンドリア活性のことをさかんに書いていますが、これまで述べたようにケミテラス社製のデアザフラビン(TND1128)そのものに安全性が充分に担保されているかどうか分かりませんし、ミトコンドリア活性も(実証)と呼ぶには(マウスに皮下、腹腔内注射した実験なので)根拠論文が非常弱いです。

さらに、ケミテラス社がデアザフラビン(TND1128)を化学合成した場合、

10-ethyl-3-methylpyrimido[4,5-b]quinoline-2,4(3H,10H)-dione

の構造を持った物質が100%近い純度で出来なければ、これも非常に困ったことになります。

そもそも、生合成をしている工場でデアザフラビン(TND1128)が100%で合成できていることをどのように証明するのでしょうか?

現代の分析技術では

・液体クロマトグラフィー(HPLC)
・液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)
・核磁気共鳴装置(NMR)

などが用いられます。

本来は、一番簡便なHPLCでデアザフラビン(TND1128)の含有量をチェックすれば良いのですが、デアザフラビン(TND1128)には標準品がないためにHPLCはあまり信頼度がありません。(ですが、HPLCは不純物の存在をチェックするには役に立つと思います。)

試薬CAS No.59997-14-7を標準品としても良いのかも知れませんが、分子量、化学式が同じであっても異性体となっている可能性もあります。

となると、一番確実なのはデアザフラビン(TND1128)を合成するたびにNMRで構造決定をして、「これがデアザフラビン(TND1128)で間違いない」と証明すれば良いかと思います。
デアザフラビンの合成に関する論文はこのNMRの結果を示して「デアザフラビンである」と書いています。

けれどもNMRの操作は煩雑で、出てきたチャートを解析するのも専門の知識が必要です。

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ですから、じつは、化学合成されてサプリメントとなっているデアザフラビン(TND1128)も、毎Lotごとに本当に

10-ethyl-3-methylpyrimido[4,5-b]quinoline-2,4(3H,10H)-dione

であるのかといった品質チェックができていない可能性
もあります。

ですから、そもそもケミテラス社が合成しているサプリメントとしてのデアザフラビン(TND1128)は、本物のデアザフラビンなのか?という疑問が出てきてしまいます。

かつ、これまで述べた通り、各種安全性試験、食薬区分(食品として販売して良いのか)、薬機法、景品表示法などに基づく広告宣伝、などを加味するとデアザフラビン(TND1128)そのものが、サプリメント・食品として偽物だよね。

という論法も立ってしまいます。

この問題をとりあえず決着つける手っ取り早い方法は、管轄する保健所(東京ならまず都庁)の薬務課にデアザフラビン(TND1128)の各種データと出回っている広告文を持ち込んで、「これでサプリメントとして販売して良いですか?」と聞くことです。

薬務課が「Yes」といえばとりあえずサプリメント(食品)として「本物」と認められたことになりますし、薬務課が「No」といえばサプリメント(食品)としては認められない「偽物」ということになります。

製造メーカーは本当に安全な方法で確実にデアザフラビン(TND1128)を化学合成し、それを行政からサプリメント(食品)として認めらえれたうえで販売しているのでしょうか?

これができてひとまず食品として「本物のデアザフラビン(TND1128)」と言えるようになると思います。

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(1) 合成品デアザフラビンの真実



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