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(26)合成品デアザフラビンの真実【摂取量が多い?】

結論)デアザフラビンTND1128は脂溶性のため体内に蓄積する可能性があります。


デアザフラビンTND1128の安全性に関する追加の話題です。

薬品、サプリメントの安全性の問題で「薬物相互作用」というのがあります。
いわゆる「薬の飲み合わせ」です。

薬と薬の間の相互作用はもとより、薬とサプリメントの間でも相互作用は起きます。ある薬とサプリメントの飲み合わせの結果、薬の作用が弱くなったり強くなったりします。

有名なのは

・グレープフルーツジュースと降圧剤
・ナットウ、クロレラと血栓溶解剤
・セントジョーンズワートとさまざまな薬品

などなどです。

なぜこのようなことが起きるかというと、経口摂取した全ての薬品、栄養素は腸管から吸収されて、肝門脈を通り、肝臓に入ります。

肝臓では、いわゆる解毒(代謝)が行われています。
代謝は2相に分かれて、第1相はチトクロームP450という酵素で酸化還元、第2相では硫酸、グルクロン酸などで抱合されます。

おもに第1相はチトクロームP450では、薬物を水溶化して尿中へ排泄させます。(チトクロームP450はたくさんのサブタイプがあります)
第2相では薬物を抱合して胆汁へ排泄させますが、胆汁から腸管へ排泄されてもまた吸収されてしまいます。(腸肝循環といいます)

一番の問題は、摂取した薬物やサプリメントがチトクロームP450の働きを強めたり、弱めたりすることによって、本来P450で代謝されるべき薬物の代謝が阻害されたり、代謝されなくなったりしてしまう訳です。(薬物相互作用)

なので医薬品の添付文書(説明書き)には、必ずこの薬物相互作用の情報があって、組み合わせて飲んではいけない薬物、栄養素情報が記載されています。

デアザフラビンTND1128は、化学合成品で純度が高いために、このチトクロームP450の働きに影響を及ぼして、何らかの薬物相互作用を引き起こす可能性は否定できません。

※チトクロームP450の誘導実験は簡単にできますので、ぜひデアザフラビンTND1128で薬物相互作用に関する実験を済ませておくことをお勧めします。

この情報がないと、デアザフラビンTND1128を医療の現場で他の薬物と一緒に飲むことはお勧めできません。

ちなみにデアザフラビンTND1128そのものは、「脂溶性」という情報がありますので、おそらく第2相で代謝されて抱合体となって一部は胆汁→腸管→再吸収といった腸肝循環に入ると思われます。

脂溶性の薬物が体内における蓄積性が高いのは、そもそも臓器が脂溶性の物質と親和性が高いことと、腸肝循環があることが理由です。

デアザフラビンTND1128の宣伝サイトによると「国立大学で体内動態実験を実施、その結果24時間でほとんど排泄」とありました。

体内動態とは「ADME」と言って薬物の吸収、代謝、分布、排泄を測定し、飲んで吸収されたあとの薬物のゆくえを調べるものです。

脂溶性であるデアザフラビンTND1128の性質を考えると体内蓄積性が懸念されます。

よって、体内動態試験の時には投与量の設定、投与期間(連続投与)の設定、代謝物(抱合体)のゆくえなどに考慮する必要があります。
もし、この「国立大学で体内動態実験を実施、その結果24時間でほとんど排泄」が一定の投与量で単回投与だとするとデアザフラビンTND1128が体内で蓄積性があるかないかを論じるには弱いデータかも知れません。

厳密には、薬物にアイソトープ(放射性同位体)をラベルしてその薬物の体内でのゆくえの追っていきますが、この実験ではそこまでは実施していないでしょう。

ちなみにビタミンで考えると水溶性のビタミンCなどは大量に摂取しても尿からどんどん排泄されるのでさほど問題にはなりません。
一方で、脂溶性のビタミンAなどは体内での蓄積性があるので1日の最大推奨摂取量が定められています。

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では、デアザフラビンTND1128に構造が近いとされるビタミンB2、ビタミンBはどうでしょうか?

ビタミンB群はいずれも水溶性なので脂溶性であるデアザフラビンTND1128と簡単には比較することができませんが、

「栄養機能食品の規格基準」を参考にすると、一日の最大推奨量

ビタミンC 1,000mg
ビタミンB1 25mg
ビタミンB2 12mg
ビタミンB3 25mg
ビタミンB6 10mg

とあります。水溶性であるビタミンB群の摂取推奨量が思ったより少ないですが、その理由は良く分かりません。

いずれにしても脂溶性であるデアザフラビンTND1128の1日の推奨量は、これらの情報を参考にすればせいぜい10mg以下くらいでしょうか。

しかし、製品の販売サイトでは 「1 回 50 ~ 200 ㎎」とあります。
「最大量をぜいたくに配合!!」などという文言もあります。

吸収率を4倍に高めた!ともあるので、そうなると3mg程度で十分かと思います。

脂溶性であるデアザフラビンTND1128の推奨量(1回50~200㎎)は多すぎるのでは!?
と思うのは私だけでしょうか?

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(27)合成品デアザフラビンの真実【薬機法違反!?】

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(1) 合成品デアザフラビンの真実



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